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教科書の「慰安婦」、政府が改ざん指示   文科系

2021年04月30日 08時55分52秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 29日朝刊によれば、政府が教科書の「従軍慰安婦」をばただの「慰安婦」に統一させるのだそうだ。28日記者会見した官房長官談話では『「従軍慰安婦」という用語を用いることは誤解を招く恐れがある』と述べられた。この政府内の理由は今までも述べてきたように「ただの慰安婦、職業売春婦で、当時はどこにでも居た存在」という積もりなのだろう。皇軍との関係を切り離したいのであって、政府見解がある場合には従っていただくということになるらしい。
 ところが、当時の政府、軍自身がその通達においてこの言葉を使っているのを政府もご存知のはずだ。「皇軍将兵慰安婦女」(在上海日本総領事館警察署)とか、「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」(北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒)とか。改めて反論すると、「(皇)軍自身が設けた慰安婦制度」という事実を隠したいのである。また、以下陸軍省副官発文中にこういう記述があることも喚起しておきたい。

「募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法、誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少ナカラサルニ就テハ」

 歴史を直視せぬ民族の明日に、幸せはないはずだ。以下改めて、その二つの政府文書自身を示しておきたい。


【 慰安婦問題、当時の関連2通達紹介  文科系2014年09月22日

 以下二つは「日本軍の慰安所政策について」(2003年発表)という論文の中に、著者の永井 和(京都大学文学研究科教授)が紹介されていたものです。一つは、1937年12月21日付で在上海日本総領事館警察署から発された「皇軍将兵慰安婦女渡来ニツキ便宜供与方依頼ノ件」。今ひとつは、この文書を受けて1938年3月4日に出された陸軍省副官発で、北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒、陸支密第745号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」です。後者には、前に永井氏の説明をそのまま付けておきました。日付や文書名、誰が誰に出したかも、この説明の中に書いてあるからです。

『 皇軍将兵慰安婦女渡来ニツキ便宜供与方依頼ノ件
 本件ニ関シ前線各地ニ於ケル皇軍ノ進展ニ伴ヒ之カ将兵ノ慰安方ニ付関係諸機関ニ於テ考究中処頃日来当館陸軍武官室憲兵隊合議ノ結果施設ノ一端トシテ前線各地ニ軍慰安所(事実上ノ貸座敷)ヲ左記要領ニ依リ設置スルコトトナレリ
        記
領事館
 (イ)営業願出者ニ対スル許否ノ決定
 (ロ)慰安婦女ノ身許及斯業ニ対スル一般契約手続
 (ハ)渡航上ニ関スル便宜供与
 (ニ)営業主並婦女ノ身元其他ニ関シ関係諸官署間ノ照会並回答
 (ホ)着滬ト同時ニ当地ニ滞在セシメサルヲ原則トシテ許否決定ノ上直チニ憲兵隊ニ引継クモトス
憲兵隊
 (イ)領事館ヨリ引継ヲ受ケタル営業主並婦女ノ就業地輸送手続
 (ロ)営業者並稼業婦女ニ対スル保護取締
武官室
 (イ)就業場所及家屋等ノ準備
 (ロ)一般保険並検黴ニ関スル件
 
右要領ニヨリ施設ヲ急キ居ル処既ニ稼業婦女(酌婦)募集ノ為本邦内地並ニ朝鮮方面ニ旅行中ノモノアリ今後モ同様要務ニテ旅行スルモノアル筈ナルカ之等ノモノニ対シテハ当館発給ノ身分証明書中ニ事由ヲ記入シ本人ニ携帯セシメ居ルニ付乗船其他ニ付便宜供与方御取計相成度尚着滬後直ニ就業地ニ赴ク関係上募集者抱主又ハ其ノ代理者等ニハ夫々斯業ニ必要ナル書類(左記雛形)ヲ交付シ予メ書類ノ完備方指示シ置キタルモ整備ヲ缺クモノ多カルヘキヲ予想サルルト共ニ着滬後煩雑ナル手続ヲ繰返スコトナキ様致度ニ付一応携帯書類御査閲ノ上御援助相煩度此段御依頼ス
(中略)
昭和十二年十二月二十一日
         在上海日本総領事館警察署 』


『 本報告では、1996年末に新たに発掘された警察資料を用いて、この「従軍慰安婦論争」で、その解釈が争点のひとつとなった陸軍の一文書、すなわち陸軍省副官発北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒、陸支密第745号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」(1938年3月4日付-以後副官通牒と略す)の意味を再検討する。
 まず問題の文書全文を以下に引用する(引用にあたっては、原史料に忠実であることを心がけたが、漢字は通行の字体を用いた)。

 支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集スルニ当リ、故サラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ或ハ従軍記者、慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ或ハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法、誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少ナカラサルニ就テハ将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於イテ統制シ之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ其実地ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連携ヲ密ニシ次テ軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス』


 さて、これを皆さんはどう読まれるでしょうか。なお、この文書関係の北支関連国内分募集人員については、ある女衒業者の取り調べ資料から16~30歳で3000名とありました。内地ではこうだったという公的資料の一部です。最初に日本各地の警察から、この個々の募集行動(事件)への疑惑が持ち上がって来て、それがこの文書の発端になったという所が、大きな意味を持つように僕は読みました。】

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サッカー川崎の「絶対的」強さはここ  文科系

2021年04月29日 21時54分10秒 | スポーツ

 日本のサッカーファン大注目の名古屋・川崎戦は、川崎大勝利。4対0に終わった。旗手1、ダミアン2、遠野1得点である。観ていて思ったのは、やはり、川崎についてよく言われてきた、このこと。川崎のパスとパス受けとにおいて、「フリー」の概念が他のチームとは全く違う、と。
 川崎にとっての「俺は今フリーだ、パスをくれ」または「あいつフリーだ、パスを出そう」という状況理解が他チームにとってはちっともフリーなどではないということだ。だからこそ、他のチームでは通さないはずのパスが川崎選手間では通ってしまう。この点から、名古屋ゴール前の際どい位置に川崎が何人か入ってくると、際どい「パス・受ける」から危険な状態が作られる事が極めて多いと気づかされた。他のチームがほとんど得点できなかった名古屋から4得点も上げたというのは、そういう理解でよい。

 さて、この点について昔ここでも描いた川崎のレジェンド・中村憲剛の経験、発見を思い出さざるを得ない。というわけで、彼の「フリー」概念がどのようにしてうまれたかを解説している古いエントリーを再掲したい。話は以下文中にあるように、2010年のエントリーにも遡る。

【 川崎フロンターレの原点  文科系 2020年09月03日 

 久しぶりにサッカー記事を書きたくなった。川崎フロンターレが、その全盛期をさらに築き直したように、凄まじい強豪ぶりを見せているからだ。29日Jリーグ戦で清水エスパルスを5対0、2日のカップ戦では神戸を6対0で破った。Jリーグ29日終了時点において、2位の勝ち点25を10点も引き離す35と、まさに独走である。凄まじいのはその得点力。得点41はダントツで、ほぼ1ゲーム3得点を獲っている。僕としては、このチームの最大の原点が改めて強化され直した感じを覚えるのだが、そのことが、29日の対戦相手清水エスパルスGKらの感想からうかがい知ることが出来た。
『ボールを受ける選手の「フリーの概念」が、我々とは全く違う』
 解説が必要な言葉だが、こういう意味である。「俺は今、敵マーカーを外していてフリー状態だから、いつでもボールをくれ」と川崎の選手が主張している状態は、他のチームにとっては全然フリーではない時」と。つまり、味方ボールの受け方に他チームにはないチーム技術があって、結局ボールを自由に回されてしまうということなのだ。このことで思い出すのがこのチームのレジェンド・中村憲剛の話である。
『僕がこのチームに入った2003年、一緒にこのチームに入ってきたジュニーニョから学んだことがとにかく大きかった。いつも俺を見ておけと言われる。そして要求した時にボールをくれ、と。と言われた時でも、彼は全然フリーじゃないんで、怖くて出せないんだよね。だから、後で怒られる。そんなことが続いたある日の要求に、「エイッ、もう知らないから」と、言われた所に出してみた。マーカー相手をびっくりするほど上手く制して、ボールを収めてくれた。僕の全ては、それからだった!』
 その後の川崎は、翌2004年関塚監督体制でJ2優勝、2005年にはJ1で8位と、まさに現在の基礎を築いていったのだった。さらに、もう一つ、この中村が日本だけにいていかに特殊な選手に育っていったかを示すエピソードを添えてみたい。今、大島僚太、そして田中碧らが、この中村憲剛の「目」と技術とを、引き継いでいるのである。 若手があっという間にどんどん育ってくることによって全員がレギュラーになれるような、川崎フロンターレ。過去の磐田とか鹿島のように、歴史に残る強豪時代を築きつつあると観ている。

『「日本サッカー・希望の星」と、ザック監督など(1) 文科系 2010年09月17日

 新生ザッケロー二代表の対外戦が、もうすぐだ。10月8日にはアルゼンチン戦、12日には韓国戦がある。折しも日本は、この15日発表の9月世界順位で30位に上り、更に上昇していく要素も多い。そんな今「日本サッカー希望の星」としてまずドイツはドルトムントで早くも「エース格トップ下」に抜擢された香川真司(21)を語り、合わせて新監督ザッケローニなどにも、資料を掻き集めて触れていきたい。
(中略)

 新生代表パラグァイ戦から、得点をアシストした中村憲剛が、スポーツグラッフィック・ナンバー最新号でこう語っている。ちなみにあの得点場面を再現描写しておくと、こんな感じだった。敵ゴールに向かってやや左40メートルほどにいた香川が、その右横のゴール正面35メートルほどにいた憲剛にボールを預ける。と同時に、するすると右斜方向のゴール正面へと走り込んでいく。初めはゆっくりと、そしていきなり全速力で、ゴール正面のDF数人の中へ走り込んでいく勢い、感じだった。そこへ憲剛のスルーパス。3~4人の敵DFの間を縫うような速く鋭い、長めの縦パス・アシストである。香川はスピードを落とさずにこれを、ワンタッチコントロールから右足シュート。
 憲剛の「表現」を聴こう。
「ああいうのは、センスだよね。実は真司が初めて代表に来たときから、2人で今回のようなプレーをしていたんだ。走っているあいつの足元にパスを出すっていうね。真司の特徴は、動きながらボールをコントロールできること」
「日本代表もパラグァイ戦のようなプレーができれば、もっと楽しくなるんじゃないかなと思う。あれだけ人が密集していても、2人で崩せちゃうんだから」

「あれだけ人が密集していても、2人で崩せちゃう」、憲剛は簡単に語っている。が、相手は世界15位。ブラジル、アルゼンチンの点取り屋を日頃の相手にしてきたDF陣である。上記の得点に二つの超難度技術が必須であったのは明白。一つは憲剛が述べているように「動きながらボールをコントロールできる」選手だが、その直ぐ後で憲剛は「まだ日本には(香川以外は)ほとんどいない」とも語っている。そしてこの必須要素の今一つは、上の表現で言えば、これ。「3~4人の敵DFの間を縫うような速く鋭い、長めの縦パス」。敵ゴール前にこのようなスルーパスを進められる選手は、憲剛の他には長谷部しか僕には名前が挙げられない。2人ともいないときの代表が「敵ゴール40メートルほどに迫ると、横パスばっか」となるのは、そういうことだと理解してきた。

 こうして、結論。これはナンバー同号同記事の冒頭の表現であって、憲剛・香川によるこの得点への評価として、僕も大賛成。木崎伸也の文なのであるが、分析力、表現力も含めて、断トツに優れたスポーツ記者だと思う。
「一瞬のプレーに、日本サッカーが目指すべき方向性が凝縮されていた」』 】

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この米軍駐留は、世界90%のアヘンのため  文科系

2021年04月29日 10時12分52秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

「マスコミに載らない海外記事」のサイト28日分にこんな記事があった。要約すれば「アメリカのアフガン駐留は、軍が退いた後も民間戦争会社請負で続いていく。国軍としては退いたがというその原因は、以下の通り」というものだ。全文をそのまま掲載する。


【 2021年4月28日 (水) ヘロインの政治学とアメリカのアフガニスタン撤退
2021年4月23日 F.William Engdahl New Eastern Outlook

 バイデン政権は、アフガニスタンからのアメリカ軍撤退期日を発表したが、象徴的に、形勢を一変させたニューヨークとワシントンでの911攻撃の、まさに20年後の2021年9月11日だ。だが、オサマ・ビン・ラディンという名の元CIA契約社員のエセ追跡以来、ワシントンを支配する権力者がアフガニスタンに居すわったままでいる主な理由の一つについて、国防総省もホワイトハウスも何も言っていない。

 明確なのは、アフガニスタンでの計画と、いわゆる撤退について、アメリカ政権が率直ではないことだ。以前に合意されていた5月1日の期日対 9月11日は、アメリカ納税者が2兆ドル以上の費用を負担した20年戦争の後、より優美な撤退をするのが狙いではないのは明らかだ。完全撤退は、女嫌いという残虐なタリバン文化で、アフガニスタン女性の権利を危険にさらすと、一部のアメリカ民主党議員が主張するが、それは明らかにアメリカとNATO兵士が、彼らの駐留で守っているものではない。すると何が危機にあるのだろう?

 民間傭兵による占領

 国防総省は、どんな直接の回答もしないよう狡猾だが、チーム・バイデン・ネオコンが計画しているのは「民営化」アメリカ軍事駐留に思われる。ジェレミー・クズマロフの報告によれば「18,000人以上の国防総省請負業者がアフガニスタンに留まっており、他方、公式兵士は2,500人だ。ジョー・バイデンは、この小集団を撤退させるが、アメリカ特殊部隊、傭兵や諜報工作要員を残し、戦争を民営化し、規模を縮小するが、終わらせない。」既にアフガニスタンには、アメリカ兵一人当たり、七人の民間軍事請負業者がいる。
 民間軍事請負業者を利用すると、国防総省と諜報機関は、議会による本格的な監督を避けられる。典型的に、彼らは民間警備請負業者や傭兵として、より大きい収入を得る特殊部隊兵役経験者だ。彼らの業務は全く秘密で、ほとんど説明責任がない。ニューヨーク・タイムズは、現職と元アメリカ当局者の言葉を引用して、ワシントンはアフガニスタンで作戦を行うため「秘密の特殊作戦部隊、国防総省請負業者や秘密諜報工作員の正体不明な組み合わせに頼る可能性が高い」と報じている。

 アシュラフ・ガニー率いる現在のアフガニスタン政府は、ハミド・カルザイ政権同様、アメリカの創作物だ。ガニーはカーブルでのワシントン代理であり続けよう。彼の軍は年間約40億ドルアメリカに資金供給される。何のためか?
 アフガニスタンでの軍隊駐留に関する公式議論で欠けているのは「極めて巨大な問題」だ。つまり麻薬、具体的にはヘロインだ。

 途方もなく巨大な問題

 金もうけのために働くこれら兵士の一部は、素晴らしいことをしているわけではない。ダインコープは最大請負業者の一社だ。2019年時点で、ダインコープは、アフガニスタンで、アフガニスタン軍を訓練し、軍事基地を管理する政府契約で70億ドル以上得ていた。アフガニスタンのダインコープや他のアメリカ傭兵の公表されている仕事の一つは、世界のヘロイン推定93%を供給するアフガニスタン・ケシ畑破壊を「監督する」ことだ。それでも、明確な証拠は、アヘンとその世界的流通は、アフガニスタン同様、キルギスタンの空軍基地から欧米ヘロイン市場への安全な航空輸送を保証する米軍、CIAの専門領域だということだ。ダインコープの麻薬絶滅実績はほとんど皆無で、それとも彼らは何か他のことをしていたのだろうか?

 CIA、ムジャヒディンとアフガニスタンのアヘン

 アメリカが、911アメリカ攻撃で、オサマ・ビンラディンを支援する上でのタリバンの役割のかどで懲罰を主張して、最初にアフガニスタンを占拠した時、タリバンの厳しい対アヘン方針で収穫をほぼゼロに下がっていた。アメリカ侵略直前の2001年10月までに、タリバンが、2000年の3300トンから、2001年に185トンまでアフガニスタンのアヘン生産を減らしたことを国連は認めている。カナダ人経済学者で歴史学者のミシェル・チョスドフスキーによれば、「2001年10月の侵略直後、アヘン市場が復活した。アヘン価格が連鎖的に変動した。2002年早々、アフガニスタンのアヘン国内価格(ドル/kgで)は2000年よりほぼ10倍高くなった。」英米のアフガニスタン侵略は、麻薬売買を成功裏に復活させた。「ガーディアン」は「2007年、アフガニスタンはコロンビア、ボリビアとペルーを合計したより麻薬を栽培する土地があった」と報じた。それはアメリカの軍事占領が始まって6年後のことだ。

 カルザイ下での数年のアメリカ占領中、アヘン収穫高は史上空前レベルだった。アフガニスタン最大のアヘン部族軍長の一人はカルザイの弟だった。2009年「ニューヨーク・タイムズ」は匿名アメリカ当局者を引用して「アフガニスタン大統領の弟で、アフガニスタンでブームの違法アヘン貿易の容疑者アフメド・ワリ・カルザイが、中央情報局CIAから定期的に給与を受け、過去8年の多くでも受けていた」と報じた。2011年、アフメド・カルザイは、ヘルマンドの自宅で、ボディーガードの一人に、射殺されたと書いた。ヘルマンドはアフガニスタン最大のアヘン州だ。もしヘルマンドが国だったら、それは世界最大のアヘン生産国だ。CIAが少なくとも8年間、カルザイに金を支払ったのは事故だったのか、それと、CIAはカルザイの事業に経済的利害関係があったのだろうか?

 ワシントンとCIAは、アフガニスタンの巨大アヘン取り引きを支援したことを否定しているが、ベトナム戦争以来、アヘン部族軍長とのCIAの歴史は違うことを示唆している。アルフレッド・W・マッコイがベトナム戦争中に書いた画期的著書、The Politics of Heroin in Southeast Asia(東南アジアのヘロイン政治)にあるように、アヘン貿易に関与していたラオスのモン族に、CIAは深く関係していた。彼らは支援を結び付ける必要があると主張した。後にCIAのエアアメリカが、黄金の三角地帯から密かにアヘンを搬出するのに関与していたことが発見された。

 1980年代のアメリカから資金を得たムジャヒディンによるアフガニスタンでのソ連赤軍に対する戦争中、CIAはオサマ・ビンラディンと彼が採用した何千人もの「アフガニスタン・アラブ人」を見て見ないふりをしていたとされている。グルブディン・ヘクマティアルのようなアフガニスタン人指揮官は、膨大な麻薬売買利益でパキスタン諜報機関ISIと共に私腹を肥やしていた。CIAや諜報機関に密接につながるダインコープのような民間傭兵部隊が、現在世界最大のアヘンやヘロインに関係していると想像するのに思い切った決断は不要だ。

 2018年、アルフレッド・マッコイは、アメリカのアフガニスタン戦争の決定的告発をした。彼は「世界唯一の超大国が、紛争の絶頂時に、100,000人以上の兵隊を派遣し、連続的に16年以上戦い、約2,300人の兵士の命を犠牲にして、軍事行動に一兆ドル以上使い、「国造り」に記録的な1000億ドルを惜しまず与え、350,000人の同盟国アフガニスタンン軍に資金供給し、訓練し、それでも依然、世界最貧困に陥った国の一つを鎮めることができないなどということが一体どうしてあり得るだろう?」と問うた。彼の答えは、アメリカの駐留は国造りや民主政治が狙いではなかったことだった。狙いはヘロインだった。「アフガニスタンでの30年間、中央アジアでのアヘン違法取り引きに合致した時だけ、ワシントンの軍事行動は成功した」と彼は非難した。「アヘン生産は侵略の一年後、2001年の約180トンから3,000トン以上に、2007年には、8,000トン以上に急増した。

 2017年までに、アヘン生産は記録的な9,000トンに達した。16年以上のアメリカ軍事占領後に。このどこかに非常に汚い犯罪の話があり、ダインコープのような関連民営軍事軍請負業者同様、CIAが中心にあるように思われる。おそらく、これが、ワシントンが、アフガニスタンから本当に撤退するのを拒否している本当の理由だ。タリバンがアフガニスタンのアヘン取り引きを支配しているという欧米メディアの言説に反して、ペペ・エスコバールが指摘するように「これはアフガニスタン・タリバンの活動ではない。大西洋主義者連中が決して問おうとしない鍵となる疑問は、誰がアヘン収穫を買うのか、それをヘロインに精製するのか、輸出経路を支配しているのか、それから、それを途方もなく大きな利益で売るのかだ」。彼は、NATOを指し示し、アメリカ人同様、ロシア国民もアフガニスタン・ヘロイン輸出経路の「巻き添え被害者」だと指摘している。「ロシア外務省は、大量の化学物質が、どのように、とりわけ「イタリア、フランスとオランダ」から違法にアフガニスタンに輸入されているか、アメリカとNATOが、ヘロイン輸出経路を封じ込めるため全く何もしていないか追跡している。」

 世界最大アヘン生産国アフガニスタンでのアメリカ作戦は終わりからは程遠い。それは姿を変えているに過ぎない。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/23/the-politics-of-heroin-and-the-afghan-us-pullout/ 】

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八十路ランナーの手記(351) 春の陽気に一休み   文科系

2021年04月28日 16時32分25秒 | スポーツ

 先回14日に書いて以来27日までの14日間で、ジム走り1回、外走り3回と走っている。つまり、平均して中2日以上置いて、3日に1回よりさぼったということだ。距離は8~9キロで、アップ・ダウン含めた外走りキロ平均が7分ジャストから6分40秒までだから、すべてLSDに徹したということ。これだけ間を置いて走ると、アップの時間が長く要るようになってくる。3~4キロ近く走ったころからやっと脚に快い「弾力」が感じられるようになって、調子が出て来る。そうなってやっと、このLSDはどこまでも続けられる感じになるなど、と。老人が走れなくなるのはきっと、どんどん長くなるアップの時間に耐えられなくなった時なのだろうかなどとも想像したりするのである。

 間遠に走るとここ1年半の走法変更以前の悪癖も出てきて、苦労する。最も大きいのは、左腰がやや後ろに引ける癖だ。すると、右脚の膝曲がりが増え着地時間が長目になって、リズムもタイムも悪くなり、そもそも疲れるので慌てて直したり。以前の膝や膝下を前に出しすぎる癖が、腿が弱い左脚では修正されているけれど右脚には残っていて、無意識に出てくるようだ。この年齢で走法を変えるって、どれだけ難しいことかをまたまた、改めて、痛感している。まー、根本的には若い頃の左脚付け根ヘルニア手術後遺症に年齢が重なって弱くなっている左脚の強化しか方法はないのかも知れない。僕のこの弱点は、走る日が少なくなるとよく顕れてくるようだ。 まー、近い内にまた回復させる積もりだけど。

 話は違うが、明日はJリーグの天王山、他から抜け出た1,2位の対決だ。わずか3失点から「楯の名古屋」、得点力断トツに目を付けて「矛の川崎」などと、ダゾーンの前宣伝も姦しい。この前宣伝番組を見たが、両チームの左ウイング対決に焦点が当たっていた。相馬と三苫なのだが、先発は相馬ではなく斉藤になるという説もある。齋藤学は、去年まで川崎に居たのだから話題にしやすいのは分かるが、ここは何としても相馬先発である。名古屋は残念ながら、相馬のクロスと稲垣の中長距離シュートしか優れた武器がないのだから、後で出すことなど考えず、相馬先発で最初から全開。もっとも、斉藤・柿谷・マテウスがやっと上手く噛み合うならばとは思うが、これはまだ残念ながら観たことが無い光景である。

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掌編小説  日本精神エレジー  文科系

2021年04月27日 09時49分05秒 | 文芸作品

この小説は何度目かの掲載ですが、また載せます。

 
「貴方、またー? 伊都国から邪馬台国への道筋だとか、倭の五王だとか・・・」
 連れ合いのこんな苦情も聞き流して、定年退職後五年ほどの彼、大和朝廷の淵源調べに余念がない。目下の大変な趣味なのだ。梅の花びらが風に流れてくる、広縁の日だまりの中で、いっぱいに資料を広げている真っ最中。
「そんな暇があったら、買い物ぐらいしてきてよ。外食ばっかりするくせにそんなことばっかりやってて」
「まぁそう言うな。俺やお前のルーツ探しなんだよ。農耕民族らしくもうちょっとおっとり構えて、和を持って尊しとなすというようにお願いしたいもんだな」

 この男性の趣味、一寸前まではもう少し下った時代が対象だった。源氏系統の家系図調べに血道を上げていたのだ。初老期に入った男などがよくやるいわゆる先祖調べというやつである。そんな頃のある時には、夫婦でこんな会話が交わされていたものだった。
男「 源氏は質実剛健でいい。平氏はどうもなよなよしていて、いかん」
対してつれあいさん、「質実剛健って、粗野とも言えるでしょう。なよなよしてるって、私たちと違って繊細で上品ということかも知れない。一郎のが貴方よりはるかに清潔だから、貴方も清潔にしてないと、孫に嫌われるわよ」
 こんな夫に業を煮やした奥さん、ある日、下調べを首尾良く終えて、一計を案じた。
「一郎の奥さんの家系を教えてもらったんだけど、どうも平氏らしいわよ」
男「いやいやDNAは男で伝わるから、全く問題はない。『世界にも得難い天皇制』は男で繋がっとるんだ。何にも知らん奴だな」
妻「どうせ先祖のあっちこっちで、源氏も平氏もごちゃごちゃになったに決まってるわよ。孫たちには男性の一郎のが大事だってことにも、昔みたいにはならないしさ」
 こんな日、一応の反論を男は試みてはみたものの、彼の『研究』がいつしか大和朝廷関連へと移って行ったという出来事があったのだった。

 広縁に桜の花びらが流れてくるころのある日曜日、この夫婦の会話はこんな風に変わった。
「馬鹿ねー、南方系でも、北方系でも、どうせ先祖は同じだわよ」
「お前こそ、馬鹿言え。ポリネシアとモンゴルは全く違うぞ。小錦と朝青龍のようなもんだ。小錦のがおっとりしとるかな。朝青龍はやっぱり騎馬民族だな。ちょっと猛々しい所がある。やっぱり、伝統と習慣というやつなんだな」
「おっとりしたモンゴルさんも、ポリネシアさんで猛々しい方もいらっしゃるでしょう。猛々しいとか、おっとりしたとかが何を指すのかも難しいし、きちんと定義してもそれと違う面も一緒に持ってるという人もいっぱいいるわよ。二重人格なんてのもあるしさ」
 ところでこの日は仲裁者がいた。長男の一郎である。読んでいた新聞を脇にずらして、おだやかに口を挟む。
一郎「母さんが正しいと思うな。そもそもなんで、南方、北方と分けた時点から始めるの」
男「自分にどんな『伝統や習慣』が植え付けられているかはやっぱり大事だろう。自分探しというやつだ」
一郎「世界の現世人類すべての先祖は、同じアフリカの一人の女性だという学説が有力みたいだよ。ミトコンドリアDNAの分析なんだけど、仮にイブという名前をつけておくと、このイブさんは二十万年から十二万年ほど前にサハラ以南の東アフリカで生まれた人らしい。まーアダムのお相手イヴとかイザナギの奥さんイザナミみたいなもんかな。自分探しやるなら、そこぐらいから初めて欲しいな」
男「えーっつ、たった一人の女? そのイブ・・、さんって、一体どんな人だったのかね?」
一郎「二本脚で歩いて、手を使ってみんなで一緒に働いてて、そこから言語を持つことができて、ちょっと心のようなものがあったと、まぁそんなところかな」
男、「心のようなもんってどんなもんよ?」
一郎「昔のことをちょっと思い出して、ぼんやりとかも知れないけどそれを振り返ることができて、それを将来に生かすのね。ネアンデルタール人とは別種だけど、生きていた時代が重なっているネアンデルタール人のように、仲間が死んだら悲しくって、葬式もやったかも知れない。家族愛もあっただろうね。右手が子どもほどに萎縮したままで四十歳まで生きたネアンデルタール人の化石もイラクから出たからね。こういう人が当時の平均年齢より長く生きられた。家族愛があったという証拠になるんだってさ」
妻「源氏だとか平氏だとか、農耕民族対狩猟民族だとか、南方系と北方系だとか、男はホントに自分の敵を探し出してきてはケンカするのが好きなんだから。イブさんが泣くわよホントに!」
男「そんな話は女が世間を知らんから言うことだ。『一歩家を出れば、男には七人の敵』、この厳しい国際情勢じゃ、誰が味方で誰が敵かをきちんと見極めんと、孫たちが生き残ってはいけんのだ。そもそも俺はなー、遺言を残すつもりで勉強しとるのに、女が横からごちゃごちゃ言うな。親心も分からん奴だ!」

 それから一ヶ月ほどたったある日曜日、一郎がふらりと訪ねてきた。いそいそと出された茶などを三人で啜りながら、意を決した感じで話を切り出す。二人っきりの兄妹のもう一方の話を始めた。
「ハナコに頼まれたんだけどさー、付き合ってる男性がいてさー、結婚したいんだって。大学時代の同級生なんだけど、ブラジルからの留学生だった人。どう思う?」
男「ブ、ブラジルっ!! 二世か三世かっ!?!」
一郎「いや、日系じゃないみたい」
男「そ、そんなのっつ、まったくだめだ、許せるはずがない!」
一郎「やっぱりねー。ハナコは諦めないと言ってたよ。絶縁ってことになるのかな」
妻「そんなこと言わずに、一度会ってみましょうよ。あちらの人にもいい人も多いにちがいないし」
男「アメリカから独立しとるとも言えんようなあんな国民、負け犬根性に決まっとる。留学生ならアメリカかぶれかも知れん。美意識も倫理観もこっちと合うわけがないっ!!」
妻「あっちは黒人とかインディオ系とかメスティーソとかいろいろいらっしゃるでしょう?どういう方?」
一郎「全くポルトガル系みたいだよ。すると父さんの嫌いな、白人、狩猟民族ということだし。やっぱり、まぁ難しいのかなぁ」
妻「私は本人さえ良い人なら、気にしないようにできると思うけど」
一郎「難しいもんだねぇ。二本脚で歩く人類は皆兄弟とは行かんもんかな。日本精神なんて、二本脚精神に宗旨替えすればいいんだよ。言いたくはないけど、天皇大好きもどうかと思ってたんだ」
男「馬鹿もんっ!!日本に生まれた恩恵だけ受けといて、勝手なことを言うな。天皇制否定もおかしい。神道への冒涜にもなるはずだ。マホメットを冒涜したデンマークの新聞は悪いに決まっとる!」
一郎「ドイツのウェルト紙だったかな『西洋では風刺が許されていて、冒涜する権利もある』と言った新聞。これは犯罪とはいえない道徳の問題と言ってるということね。ましてや税金使った一つの制度としての天皇制を否定するのは、誰にでも言えなきゃおかしいよ。国権の主権者が政治思想を表明するという自由の問題ね」
妻「私はその方にお会いしたいわ。今日の所はハナコにそう言っといて。会いもしないなんて、やっぱりイブさんが泣くわよねぇ」 
男「お前がそいつに会うことも、全く許さん! 全くどいつもこいつも、世界を知らんわ、親心が分からんわ、世の中一体どうなっとるんだ!!」
と、男は一升瓶を持ち出してコップになみなみと注ぐと、ぐいっと一杯一気に飲み干すのだった。


(当ブログ06年4月7日に初出。そのちょっと前に所属同人誌に載せたもの)
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随筆紹介 ある出会い     文科系

2021年04月27日 00時10分10秒 | Weblog

  ある出会い     H.Tさんの作品(僕の所属同人で最長老、九十歳半という方です)

 西日の射すバス停で時刻通りに来ないバスを、私はいらいらしながら待っていた。朝からクラス会の話で呼び出され、幹事も決まらず、立ち消えになり落ち込んだ帰りだった。その時おずおずと中年すぎの婦人が近寄ってきて、「お名前は忘れましたが、N団地にお住まいの方では・・・?」と。うなづく私に、
「失礼ですが、ずうっと以前に私お世話になったことがあります・・・覚えていて下さいませんか?」
「・・・・・」
「もうつぶれてしまいましたが、近くの市場で私、味噌と醤油屋をやっていました。そこでお目にかかりました」とゆっくりと話し出された。私は務めの帰りその市場でよく買い物をした。やっと一人暮らしにも慣れた頃。もう一世紀も前のことで、ショッピングという言葉もなく、今のように袋入りの味噌はなく、量り売り。醤油は小さな壜で売っていた。八百屋も、魚屋の店も並んでいた小さな市場。
 私は少しの味噌を買い、若い元気な夫婦が仲良く働いているのを見ながら帰ったものだ。

 その家族には六歳の女の子と四歳の男の子が居て、私を〝おばちゃん、おばちゃん〟と呼んでくれた。女の子には友達も居たが、男の子はひとりで店の奥で遊んでいた。私を見つけると、
「おばちゃんだー」と言って、市場の人にも「ぼくんちのおばちゃん」と話すようになった。その子が進(しん)くんと言って、店の出口の階段に座り、「カチカチ山」や「一寸法師」の話や歌を歌って、楽しんだ。
 五歳になったある日、
「おばちゃんちへいく」と言って、やって来た。
 二人で夕ご飯、風呂。そして、一緒に寝た。
 もう何年前になるだろう。
 やがて私は近くの集合住宅に住み、地下鉄も開通し、そして帰りは、駅近くのショッピング・センターを利用するようになった。市場は、いつの間にかそのセンターの品物置場になった。
 あの時の味噌・醤油屋は、威勢のいい魚屋はと思い出すことはあっても、自分のことだけで精一杯の毎日だった。

 話しかけたその人が、
「かわいがっていただいた進の母親です」と言われるまで全く思い出せなかった。
「私はよくあなたをお見かけしました。地下鉄の中で、ショッピングセンターでも、散歩しておられる時も・・・」
「どうして声をかけて・・・?!」とおどろく私に、
「私は昔とすっかり変わりました。娘は婚家先から出て、二人暮らしで子どもはありません。進は大阪で大学を出て働いていました。そして結婚しましたがすぐに別れて、職も換わったようで、時々電話しますがすぐ切ってしまいます。今何をしているか分かりません」
 私は涙でいっぱいの話に返事もできなかった。「主人は八年前に亡くなりました。六年間病み、あっちの病院、こちらの病院と換わり、貯えも全部使って逝きました」
「・・・・・」
「今は、台所だけがやっとのアパートにひとりで住んでいます。今日、進におばさんに会ったことを電話してやります」
 私は、あんなに精いっぱい働いていた人なのにと思っただけで、何も言えなかった。
 やがて、遅れたバスがやって来た。
「乗りませんか?」と言う私に、「近くですから・・・」と頭を下げて振り返り振り返り、歩いて行かれた。

〝年月は人を待たず〟と言うが、あんなに変わるものだろうか。
〈若い夫婦、笑顔いっぱいで働いていたあの頃は、経済大国、高度成長、豊かな日本。そういう言葉が乱れ飛んでいた時代だったのに・・・・〉
 私は、バスの中でそっとつぶやいていた。

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無能すぎて?人殺し国家??  文科系

2021年04月25日 21時16分20秒 | 国内政治・経済・社会問題

 日本政府はもう、あまりにも無能すぎるというのを通り越して、人殺し政府とさえ言えるのではないか。地方首長でその先頭に立っている大阪府知事も含めて。

 オリンピックを強行すると言い張り続けながら、未だに先進国数少ない「収まらぬ国」のままだ。それも、ここまで来るまでに収まる兆しは何回かあったのに、そのたびに規制を緩めてはここに至ってしまった。加えるに、ワクチンは金持ち国にしては徹底的に遅れていると来ている。それでも五輪をやると言い続けているのはもう、「老人殺し国家」と言えるんじゃないか。良くて、意思はなかったがそうなってしまったという未必の故意の人殺し。ワクチンがこんなに遅くなったままでゴールデンウイークを迎え、なお五輪をやるとあっては「殺人の意思あり」というようなものだ。それも、大量殺人といえることとて、太平洋戦争をなかなか止められなかった日本国家進路の前例と同じ罪のようによく語られるのも無理はないと言いたくなる。

 もう、五輪は止めろ。その理由も、人殺しを減らすためなのだから、これは当たり前、まっとう至極の判断というものだ。国民もいい加減、自公政府がこういう首相(安倍と管)を選んだということをよく覚えておかねばならぬ。「国民のため」なんて何も考えていず、自分らの権力維持だけを考えている人々と証明したようなもの。そういう「政治主導」でもって、前世紀までは結構有能だったはずの官僚までをみな、ただのヒラメにさせてしまった。そんな政治主導の結末までを今回のコロナ「殺人」が示してくれているのである。「五輪をやり切って、与党浮上を果たしたい」とは、ヒトラー、東條が自分の権力にあくまでもしがみついて国民を心中に引き込んだのと同じ事だろう。「老人が外出をいかに怖がって、その命を縮めているか」など、何も見えず、考えていないのである。

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根が深いサッカーUSL騒動  文科系

2021年04月24日 11時47分32秒 | スポーツ

 当ブログこの21日エントリーで、ヨーロッパスーパーリーグ頓挫のことを書いた。この計画が馬鹿馬鹿しすぎるというのは何よりも、サッカーの各国伝統大衆文化という側面を全く無視したものだからである。西欧各国のビッグチームだけを囲い込んだサッカー帝国ができたら、各国リーグは言わばその植民地になってしまう。そんな計画がここ20年も絶えず出て来ていたというのは、そういう野望をもった連中が存在するからなのだろう。

 表面的に今回の動きの筆頭にあげられているのはレアルとユーベの会長だが、スペインとイタリアという小さな力だけではこの計画の根深さはとうてい説明できない。なんせ今回は、伝統あるサッカー母国イングランドの6チームまで巻き込まれていたのだから。誰にこんな芸当ができたのか。この6チームのなかでマンCとリバプールの監督(グアルディオラもクロップもすぐに反対した)も素通りしたこの芸当が? この6チームのいくつかの持ち主たち、アメリカ金融や産油王国資本などと結びついた、ビッグチーム放映権が絡んでいるのである。これらのビッグチームを「西欧トップリーグ」という形で囲い込んでしまえば、西欧サッカーを各国から奪い取ったも同じというそんな芸当なのだと思う。だからこそ、イギリスは首相自ら先頭に立って、この計画を頓挫させたのだ。ドイツ、フランスのトップチーム、パリサンジェルマンとバイエルンが初めから参加しなかったのも、このことが分かっていたからだろう。

「世界サッカー界の帝国主義的再編」と呼んだのは以上のような意味を込めている。それにしても、イタリアとスペインのサッカーはもう駄目なのではないか。スペインのように放映権料を一部のチームが独占するに等しいような国は特に将来性がないはずだ。こんな計画に乗るというのは、そういうことをもう示しているのだと思う。イタリアもスペインもあのリーマンショックによってあちこちの小金がむしり取られて、まともな職場がなくなってしまった失業王国だ。ここ愛知県の二つの小金持ち大学が各百億前後の金を奪われたように。

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名古屋・ガンバが2対0  文科系

2021年04月23日 14時40分17秒 | スポーツ

 名古屋・ガンバ戦を観た。2対0で、また名古屋の0行進が続いていくのかと楽しみになるような試合だった。この試合はなによりも、名古屋が今季初めて敗れた鳥栖の戦い方を逆にガンバ相手に演じたとそんな印象が第一。「ボールは持っているのだけれど、実は持たされているだけ、得点狙いの肝腎なところでは止められていた」と鳥栖にされたことを、今度は名古屋がガンバにやったと、そんな試合だったのである。これができた理由、立役者は、鳥栖戦では先発ではなかった、相馬勇紀。その次第は以下の通りだ。

 名古屋の2得点には、いずれも相馬が1G1A(1ゴール1アシスト)で千両役者というところ。これは手前味噌になるが、鳥栖に敗れたゲーム総括でこう書いた僕自身の文章を再掲しておきたい。
『なお、名古屋の敗因の一つに、これもあったと思う。相馬を先発にすべきだった。得点力がリーグ8位と低い名古屋に、「綺麗に繋いで得点」は失点の少ない今季の鳥栖相手には特に望み薄くなるから、何度も走れて確率も高く、カウンター反撃も喰いにくい相馬のクロスをもっと多用すべきだった』

 1得点目は、相馬の左クロスにファーの山崎が胸トラップ落としからシュートを悠々と決めたもの。2得点目は、同じく敵ゴールの右コーナー近くの左マイナスクロスの位置にまで猛烈なスピードで持ち込んでから中へ入って、立ち塞がるマーカーを左に行くと見せかけて右に切り返して外し、シュート。キーパーが一杯に伸ばした左手先を抜いたファーポスト側に見事決めて見せた。相馬にこんなシュート技術もあるのかと、びっくりするような見事な切り返しシュート力だった。この相馬、どうもクロスのみか、シュートにも目覚めたようで、恐ろしい選手になった。
 なお、このゲームでも稲垣の距離と勢いのある押さえたシュートがみられた。惜しくもゴールに向かって左ポスト外に外れたが、ガンバは肝を冷やした瞬間だったろう。

 そしてもう一つ、気づいた点がある。FW山崎凌吾のことだ。この選手のクロス受け・シュートなどを観て思ったことだが、187センチと背がある割りに非常に柔らかい技術を持っていると思った。家長とか柿谷とかと似通ったものを感じた。調べてみたら、今話題の鳥栖の育成で育った人らしい。流石の「前からプレスの鬼のはず」とばかりに、自分で勝手に、今後是非注目していこうと思ったところだ。
 

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「この国は大丈夫なのか」と、ある人文系学者   文科系

2021年04月23日 13時27分47秒 | 国内政治・経済・社会問題

 朝日新聞本日23日13面に、神里達博(千葉大学大学院教授・科学史、科学技術社会論)が日本のコロナ惨禍に関わって、『国産ワクチンない日本 「国家」を合理的に使い倒そう』という論説を載せた。コロナ下でその正体がよく顕れたこういう日本政権だからこそ、いまだに「日本学術会議を」圧殺しようとし続けているのだとも読めるものだ。そう、国家は、国民がその幸せのために使い倒すべき国民の手段に過ぎない。それを現政権はどこでどう勘違いしたのか、「国家とは、国民を『善導』すべきもの」と考えているらしい。そうでなければ、人文社会系学問・学者の取捨選択を政府がするなどということは、思いつくわけもないはずだ。学術会議・人文社会系学問圧殺はいまだにその野望を捨てないのだし、天皇制とか憲法とかのなし崩し変更にはえらく熱心なのである。こういう政権の下の国民は、結局その一生を台無しにされるばかりだったというのが、世界史の大きな教訓ではなかったか。
 と、そんなことを考えつつ読んだこの論説、以下半分程に抜粋してお伝えしたい。

『(前略)
 事態が少し良くなると、すぐ対応を緩め、悪化すると遅れてブレーキを踏む。これを繰り返せば振動してしまうのは、直観的にも明らかだ。
 思い返してみれば、感染者数の山は「波」が来るたびに大きくなっている。今回は、いわゆる「変異株」の影響も無視できないだろうが、やはりこの国は事態をコントロールできていないと考えた方がよかろう。
 これまでも何度か言及している通り、欧米と比べるとなぜか日本のダメージはかなり小さいのだが、東アジアで比べれば、むしろ拙劣だ。
 たとえば台湾は今現在も、ほぼ完全にこの病気を抑え込んでいる。人口は日本の約5分の1で、社会経済的な条件や市民の価値観、自然的・地理的条件も似通っている。しかし、死者の総数は11人である。日本では1万人に迫ろうとしている。要するに人口比で約200倍、日本は状況が悪い。しかも台湾は、経済を犠牲にして健康を守ったのではない。政府を中心とした合理的で非常に素早い対応が幅広い信頼を獲得し、総合的に奏功しているのである。
 一方、被害が大きい主要国は持てる力を結集してワクチンを開発し、まさに今、その効果を見極めようという段階にある。目下、接種率の高い英国やイスラエルでは急速に新規感染者数が減ったが、同じく接種の多い米国では下げ止まり、チリではまだ効果がよく見えない。他の要因の影響も大きいのだろう。
 ただ少なくとも、それぞれの国情に応じて、政府は打てる手段は全て講じるというのが、諸外国の基本的な姿勢であろうと思う。

 (中略)

 トランプ前大統領には批判も多かっなが、早期に「ワープスピード作戦」を開始し、有望なワクチン候補に1兆円規模の支援を決定したことは、少なくとも評価すべきだろう。もちろん、基盤的な研究はパンデミックより前から始まっていたので、この予算だけで驚異的に速い開発を達成したわけではない。しかし政府によるワクチンの購入保証を製薬会社が得たことで、リスクを気にせずに開発に集中できたのは確かだろう。
 ちなみに同じ頃、日本政府は例の「GOToキャンペーン」に2兆七千億円という巨額の予算を組んだ。そのお金は医療やワクチンのために使うべきではなかったのか。国産ワクチンが無いということは、税金で外国企業から買うことを意味する。当然、その分の国富が海外に流出する。2億回分のワクチンの代金は、いったいいくらになるのだろうか。
 このように、彼我の差を知れば知るほど、率直に言って、この国は大丈夫なのか、という気持ちが募る。
 おそらく最大の問題は、責任ある立場の人たちが、この危機をできるだけ「自然現象」として処理したいと考えていることではないか。つまり「仕方が無かった」と言いたいのだ。だが、冒頭で触れた通り、今回の第4波は予想し得たものだ。また、十分な国力があり、諸外国と比べても感染者数が顕著に多いわけでもないのに、発生から1年以上が経った今、医療崩壊が起こるというのは、国の総合的なマネジメントに問題があるとしか言いようがない。
 むろん、ここで古い国家主義を称揚したいのではない。逆である。この列島に住む人々の幸福を増やすために「国家という仕組み」を合理的に使い倒すことが、まさに死活的に重要になっているのだ。そのために何をすべきか。根本から考えたい。 』

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「先進国民」の政治意識もこんなもの  文科系

2021年04月22日 12時13分14秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 標記のことを今力説したい。一国の税金をできるだけ有効に使えば国民をかなり幸せにできるという政治の本質を日米国民は何も知らないで、今やネットも含めたマスコミ報道に誘導されてだけ投票しているのではないか。このことで思い出し、かつ実証しているのは、何よりも先ずこれらのこと。

「令和おじさん」を首相にしたのは、安倍の陰謀。無能な自分の子分、管を後継者にしておけばまた自分が復活しやすいという陰謀画策である。自分の力では到底手に負えず、ただ傷を負うだけと観たコロナ難関を自分は避けて子分に任せるべく、一時敵前逃亡したのは安倍が一期目の終わりで味を占めた同じやり口である。
 そう言えば、「平成おじさん」というのもあったな。「平成」と大書された紙を掲げたお人が次の首相になった。さらには、初期のコロナ惨禍下のテレビで名を売った厚労相は、たちどころに次期首相候補として名前が挙がってきたものだし。

 どうだろう、なんか大事な場面でテレビによく出た政治家が出世していく。これでは、橋下や吉村が「テレビ向けヤッテル感」を演じ回って来たのも当然なわけである。東京都知事も同じ事で、このヤッテル感戦術でもって、近く総理をも狙っているのだ。

 こんなマスコミ威力が分かってこの通りにやっているポピュリズム政治家たちが、今の先進国政治の中心に座っているのである。小泉、安倍、橋下、ベルルスコーニ、トランプ、ジョンソン、エルドアン・・・・みんなそうだ。かくして、弱肉強食化世界はどんどん進んでいくばかり。国連の多国間主義という世界政治の民主主義には関心が薄い内に、これが後退の一途を辿らされていくのである。今の一例、世界の貧困・格差問題でさえが、国連レベルでしか解決できないのであるから。 

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サッカー、欧州スーパーリーグ(USL)は頓挫する  文科系

2021年04月21日 12時45分26秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 標記の事件が世界サッカー界を大騒ぎさせているが、この動きは不発に終わること確実だ。イングランド6、スペイン、イタリア各3の強豪、合計12チームでこれを作って、欧州チャンピオンズリーグに代えるという構想なのだそうだ。この12チームはそれぞれの国のリーグに籍を置いたままで毎年ここに参加できて、これ以外の前年各国強豪代表を入れてチャンピオンズリーグを勝手に実施していくという構想らしい。

 この計画には、FIFAなど既存サッカー組織は、各国組織も含めて全部猛反対している。国として特に強硬反対しているのが、ドイツとフランス。この両国はどうやら、それぞれ自国の最強チーム、バイエルンとパリサンジェルマンとを不参加説得したようだ。かくして、ここ2年の世界最強チーム(CL優勝チーム?)が参加しない欧州スーパーリーグ?? フランス、ドイツは、国もそのサッカー界も、世界に対して素晴らしい良識を示した。

 これがどう馬鹿げた計画なのか。言うならば世界巨大チーム談合による、サッカー帝国主義というものだからである。アメリカ、石油王国などのビッグチーム「資本」が音頭を取った、各国サッカー組織やその参加チームやを全く無視した「自分さえよければ良い」というサッカー版新自由主義の利己的計画なのである。この計画の背後には、このUSLの放映権独占を狙う放送局資本なども存在するに違いないのだ。もしこんなものができたら、各国リーグがその下請け機関になっていくのは必定。まるで、帝国主義と植民地のようなもんである。  

  この計画、おそらく、6チームが参加すると言っているイギリスから崩壊していくだろう。リバプールのクロップ、マンCのグアルディオラなどがその程度の良識を持っていないわけはないから、監督無視で進められることになるからだし、そもそもイギリス政府が、独仏と同様に不参加画策に邁進していくはずだから。英首相がこれに成功すれば、国民の支持が凄まじく増えることだろう。

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「日本売り」なら、暴露すればよい  文科系

2021年04月21日 08時25分14秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 五輪中止の可能性が増している。無能政府頼みのワクチンがなぜかこれだけ遅れたら、やれるわけがない。そしてはて、中止なら日本売りが始まることは必定。その際には日本政府に是非勧めたいことがある。
「日本売りを、これによって日本がどれだけ莫大な損をしたかを、世界に向かって暴露せよ。それがこれからの世界の世のため、人のため」

 世界の株や通貨の投機的空売りなどというものが当たり前になった世界経済こそが、世界のこの慢性的不況、官製バブルで隠している世界恐慌状況の根本原因であり続けてきたのである。ここを直さぬ事には、世界庶民の生活は落ちていくだけ、それもやがては動物並みの生活になのであるから。

 通貨危機という言葉がある。現在のグローバル新自由主義経済では経済の弱い国が強い国によるこのような通貨の空売りに合うなどは、当たり前に起こることなのだ。それはもう、失政でもなんでもない。でも為政者はこれを隠す。隠すからいつまでたっても世界庶民が自分を不幸にしている世界の元凶を認識できず、改善されないのである。
 日本でさえ空売りに遭うなら、中国以外の他の国がこれを逃れる術などないのは当たり前だ。かくして世界各国やその法人の小金がどんどん世界金融の元に集まっていくと言うだけの21世紀にますますなってきている。

 日本が他国にやってきたことを、アメリカが日本にやるというのはまー日本にとっては自業自得かも知れないが、せめてもの罪滅ぼしのこの暴露、是非おすすめしたい。こんなとんでもない世を一刻も早く終わらせるためにこそ。それが、官製バブルを作るだけの権力願望似非政治のそれこそまっとうな責任の取り方というものである。

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サッカーライター、西部謙司の慧眼   文科系

2021年04月20日 00時21分25秒 | スポーツ

 サッカーダイジェストにあった識者30人による順位予想において、西部謙司の慧眼を指摘しておきたい。ただし、今のところはという条件を付けて。

 西部は、名古屋を2位に上げ、鳥栖を5位に上げているのである。名古屋については、1位が1人、2位が4人いるからまだ分かるとしても、鳥栖の5位はちょっと凄くて、よく観ていたというよりも調べていたと評するほかはない。識者の予想ならば、何よりもよく調べてみることだと思う。あとの29人の鳥栖評価は良くて10~12位が各1人ずつだったから、彼らは鳥栖については何も調べていなかったということになる。鳥栖の現状からすれば、今後も結構「地力を発揮して」、5位前後にはなっていくと、今なら僕も思うからだ。このオフに新たに取った選手、酒井、飯野がぴったり嵌まりすぎているのは、予想外のJ2新潟独走に名古屋から来たばかりの千葉和彦が嵌まりすぎているのと同一の現象だろう。

 ただこの鳥栖の強化については、一つ著しい特徴がある。昨年において鳥栖のU15、U18が全国制覇を果たしていると知ることができた。川崎や鹿島と同様に育成がとても良いのである。育成コーチでもあった金明輝トップチーム現監督の手腕と並んで、鳥栖というこの地方クラブの力は、どうみても本物なのである。あの名古屋ボールへの組織的寄せの鋭さと、林、酒井の「嵌まり具合」から観て今年5位以内には入るだろうが、今後まだまだ強くなると思う。ただし、この監督が強豪チームに引き抜かれず残っていてくれる限りにおいてはということである。

 この鳥栖を観ていると、僕はなにか、過去にずっと追いかけて行った岡崎慎司を通じてその1年間を見守ることになったレスターのプレミア優勝奇跡を幾分か思い出すのである。2部常連だったチームが起こしたあの奇跡が、2~3年後の鳥栖でも起こらないかなーなどと。レスターのあの奇跡も、監督と、岡崎などチーム組織への適材適所を実現したフロントとの協働の産物であった。
 因みに、この金監督はジェフ千葉時代の阿部勇樹の同僚で、2011年から鳥栖の指導者を始めているとあった。そして、奇しくも鳥栖監督時代のフィッカデンテ現名古屋監督にも仕えていた。

 それにしても、サッカー解説者らの不勉強を、今年の鳥栖ほど晒したものはないのであって、このことはよーく覚えておきたい。今こんな事を言うのは結果論にすぎぬとしても、西部謙司のような人もいるのだから。

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豪「対中外交」変更が警告する日本の「明日」  文科系

2021年04月19日 09時14分48秒 | Weblog

 「マスコミに載らない海外記事」サイトの昨18日、標記内容の記事が載った。もう少し詳論すると、こういうもの。豪がアメリカに要求された対中外交変更が豪経済を疲弊させ、豪軍事を増強させてきたが、中国は豪から中への輸入物をアフリカから輸入へと換えただけというもの。重要な文章とて、以下全文を掲載する

【 自ら課したオーストラリアの経済的苦境は続く 2021年4月14日 ジョセフ・トーマス New Eastern Outlook

 最近まで、オーストラリアは、中国の台頭と共に経済成長を享受していた。キャンベラが、中国の反感を買って、ワシントンの指示に従い始めた時、このすべては変化し、手痛い自ら課した経済危機が、雪だるま式にふくれあがりつつある。現在、オーストラリアは、オーストラリアの組織的敵意に応じて、増大する貿易障壁が中国に築かれるのに直面しているだけでなく、一時的な貿易紛争だったものが、ゆっくりとオーストラリア輸入への依存を永久に排除する北京戦略に変わるのを見ているのだ。いったん始まってしまった後、オーストラリアが前の水準の儲かる中国貿易に戻る能力はありそうにない。

 オーストラリアが自ら課した経済破産

 2018年、中国の巨大通信企業ファーウェイを全国的な5Gインフラ契約を禁止しろというアメリカの圧力の下、オーストラリアは依然根拠がない「国家安全保障の懸念」を口実にあきらめた。「ファーウェイとZTEは、オーストラリアで5Gネットワークを禁じられた」という題名の記事でBBCがこう主張している。

「オーストラリア政府は、通信会社に適用される国家安全保障規則は、装置メーカーにも典型的に適用されると述べた。

「外国政府から司法管轄外の指示を受けかねない」企業は安全保障上のリスクになりかねないと当局は言う。

 BBCとオーストラリア政府は、「なりかねない」という単語をはっきり使っているが、MITテクノロジー・レビューのような欧米メディア自身の記事で、下記のように「NSA自身のハードウェアのバックドアは、依然「地獄からの問題」かもしれない」と暴露されたアメリカ製ハードウェアの安全保障上の確実な危険があるのだ。

2011年、以前、国家安全保障局と中央情報局両方の長官をつとめたマイケル・ヘイデン大将が、隠された「バックドア」があるコンピュータ・ハードウェアが敵に仕掛けられるという考えを「地獄からの問題」だと表現した。今月、漏洩文書に基づいたニュース報道が、NSA自身が監視の取り組みに資するため、アメリカ企業と協力して、秘密のバックドアを、チップや他のハードウェアに挿入して、この戦術を使ったと述べた。

 類似の禁止令が、アメリカ製ハードウェアに標的を定めるのには使われないのだから、不正アクセス可能なハードウェアの脅威は、中国企業に禁止令が突きつけられた本当の理由ではないのは実に明白だ。そうではなく、最もありそうな動機は、経済発展を鈍らせることを含め、中国を包囲し、制圧するワシントンのより広範な戦略と、欧米の競争相手を追い越す態勢にある個別中国企業を妨害することと一致する。

 最近、オーストラリアは、世界的なCovid-19問題の責任を中国のせいにする、アメリカが率いるプロパガンダ攻勢の先例に続いた。

 「アフリカの鉱夫とワイン生産者は、オーストラリアと中国のいざこざに乾杯」という題のロイター記事は、中国のこの動きを、オーストラリアとの、この増大する論争を永久に解決するため、より頼りになる友好的な貿易相手国を見いだそうとしていると指摘するだけでなく、キャンベラが「武漢でのCovid-19流行発生源の調査の呼びかけを率いた」時、この貿易摩擦が、最近どのようにエスカレートしたか説明しようと試みている。もちろん、これは中国がCovid-19流行に責任があるとほのめかし、結果として生じている世界的な問題にも責任があると、ほのめかすのを意図した政治的動機の調査だった。論理的に、たとえ中国が流行を発見し、隔離し、封じ込めそこね、国内中のCovid-19流行に責任があったにせよ、中国が、どうして、オーストラリアや、アメリカでの流行に責任があるか理解するのは困難だ。

 オーストラリアやアメリカ政府が、自身の国境内で、検出し、隔離し、ウイルスを封じ込めるのを、一体何が阻止したのか、中国がそうしなかった事実に関し、どれほど彼らが責められるべきだろう? この調査のプロパガンダ価値は、ここにあり、まさに中国がオーストラリア輸入に対して追加関税で報復した理由だ。貿易戦争は、北京と素早く和解しない限り克服不可能な形でオーストラリアを傷つけている。オーストラリアから中国に輸出される鉄鉱石の量は他国に変えることができない。どの国に同じ規模の産業基盤や、このような鉱石の需要があるだろう? どんな国もないというのが答えだ。

 更に悪いのは、下落する経済状態を埋め合わせるため、オーストラリアが探究している「経済対策」だ。オーストラリア国営メディアABCの「10億ドルの防衛製造計画の一環として、自国製誘導ミサイルを製造するオーストラリア」という題の記事は、こう主張する。

スコット・モリソン首相は今日遅く、計画を発表するが、「変化する地球環境」が主権能力を作り出す必要性を強調していると警告している。

 記事はこうも言う。

国防省は、製造設備運営の契約をする「戦略提携事業者」を選ぶ予定だ。

可能性がある業者には、レイセオン・オーストラリア、ロッキード・マーティン・オーストラリア、コングスバーグとBAEシステムズ・オーストラリアがある。

 兵器は、オーストラリアの税金を使って、アメリカや西欧を本拠とする武器製造業者のオーストラリア子会社に作られるから、武器製造の領域外では、現実的に、ほとんど技術を使わないか、全く使わないので、その過程で生み出される雇用は最小で、「主権能力」は全く発展しない。ミサイルは完成すれば、オーストラリアが中国に向けるか、同じく中国に、それらを向けるたろう、この地域の国々に売られる可能性が最も高い。武器への出費を正当化するために、中国に対し増大するオーストラリアの敵意に拍車をかけ、オーストラリア大衆の恐れを引き起こすプロパガンダ攻勢は、しばしばオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)などの政策シンクタンクから生み出されている。そのASPIは、まさに上に述べた、直接増大する危機から利益を得る武器製造企業レイセオンやロッキードから資金供給されているのは驚くべきことではない。

 もし貿易摩擦が十分ひどくなかったら、オーストラリア外交政策を動かす既得権益集団は、北京に対し、オーストラリアは信頼できるパートナーではなかったし、そうではなく、おそらく未来もそうではないという信号を出す、摩擦を拡大するだけの「解決」(や、より広範な紛争)を強化するのだ。

 中国は、オーストラリアなしで前進するのか?

 逆に、中国は選べる多数の選択肢を持っており、経済不安に対する防衛策として、何年も、それらを醸成してきた。だが、オーストラリアの敵意が今示している類の政治不安に直面して、北京に役立ったのは戦略だった。

 オーストラリアの中国-Covid-19調査を論じる同じロイター記事は、こう書いている。

だが、鉱業部門では、これまで10年間、中国は巨大な製造産業への原材料の流れを確保するため、アフリカでのプロジェクトを増やしてきた。

それら投資は今成果をあげており、オーストラリアを犠牲に、世界で二番目に大きい経済への輸出の後押しを得て、アフリカ原産諸国はロイヤリティを懐に入れている。

 記事は、広範な鉱石や鉱物や、中国がアフリカのパートナーのために、オーストラリアに対する依存から離れて多様化しようと努めている他の商品を報じている。記事は、わずか数年で、オーストラリアを犠牲に、アフリカ輸出業者が恩恵を受けるよう、既に、どれほど勢いが変わり始めているか述べている。この過程が終わってしまえば、オーストラリア政府にとって、自分が作り出した政治的損害の修復や、今や政治的に当てにならないと証明されたオーストラリア貿易に復帰するため、新しいパートナーをあきらめるよう北京を説得するのも非常に困難になる。

 オーストラリアが、その指揮に従っているアメリカ同様、オーストラリアは新たに出現している世界のパワー・バランスを受け入れ、世界の他の国々を犠牲にした欧米諸国の手中への不当な権力と富の集中を修正する基本能力のなさのため、自身を不必要に見当違いにしているのだ。インド-太平洋地域諸国間で建設的な役職を見いだし、中国の台頭を、この地域とグローバル大国として認めるオーストラリアの能力のなさ、逆に、地域における欧米の優位を再度主張する作戦で、ワシントンと組むのは、オーストラリアの没落を"もたらそうとしている"のではなく、既にオーストラリアの没落だ。オーストラリアがどこまで落ちるのか、また深みに落ちた後、完全に戻ることができるのかどうかは、キャンベラ次第だ。

 ジョセフ・トーマスはタイを本拠とする地政学誌The New Atlas編集長で、オンライン誌New Eastern Outlook寄稿者。】

 

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