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パリ五輪観戦記   文科系

2024年08月04日 11時22分09秒 | スポーツ
 テレビでいろんな種類をかってないほどに見た。面白かったもの、その訳などを描いてみたい。やはり球技が面白い。バレー、バスケット、バドミントン、サッカー、卓球などを観たが、意外に面白かったのがバドミントンで、特にダブルスが「凄いっ!」とさえ感じた。
 羽根のついたシャトルコックは打球直後は猛烈に速いが、その後急に速度が落ちるせいか、レシーブの有効性、有効範囲がとても広いのだ。地面すれすれで間に合って返球したり、コートの端から端までの返球になんとか脚が間に合ったり、さらには、短い打ち合いの反応速度、返球フォームの速いことまるで手品でも観ているようだった。このゲームは相手の手前から最後方まで、その四隅を対角線で狙うもので、それに備えて返球後の立ち位置、構えをコート中央に戻って取るようで、打球後に定位置に戻る瞬間移動のフットワークがすさまじいのである。特にダブルスは二人でコートをカバーするから、判断、フットワークの絶妙さに全く驚嘆してしまった。

 次は、バレーボール。驚いたのは、男子のサウスポー・西田選手の凄さ。背丈が186センチで、国代表サイドアタッカーとしてはとても低い。なのに、2mの相手ミドルブロッカーらをぶち抜いていくのである。これは部外者には分かりにくいことだが、背丈が15センチ違えばその腕の長さもちがうので、最高到達点では30センチ差があることもあるのだ。西田の配偶者である女子キャプテン古賀選手が夫の第一印象をこう評したのがとてもよく分かったのである。
「とてもよく跳ぶ、ゴリラ」
 昔の強豪ソ連バレーにブガエンコフ・イバンというよく跳ぶ選手が居たが、ゴリラとは対照的な190センチほどの細い選手で、高い打点を生かして相手の上から鋭く打ち抜く運動神経の塊。対するに西田は、早い話が相手を打ち抜くために何でもやる。ブロックの内と外とを狙っていく(クロスとストレートとの極端な打ち分け)のはもちろん、ブロックに思いっきりたたき付ける豪快なブロックアウトが多く、完全に3ブロックが揃ったときなどは両手で軽くブロックの手の下の肘か頭周辺にボールを押し込むことも多かった。背の低さを様々な技術で補っているわけだが、なんと言っても目立ったのはその馬力。相手を弾き飛ばす事が多くて、古賀選手が「ゴリラ」と言ったのが、体つきの話だけではなくて、まさにぴったり。この選手、人一倍とてもよく考えてきたのだろう。古賀紗理那夫人よりも4歳ばかり若いと聞いたが、西田選手が話してきた「古賀(を)ストーカー(した)時代のサッカー談義」が猛烈だったらしい。高いブラジル・ブロッカーを唯一ほとんど打ち抜いていた古賀の技術も、西田との間で改良した点、鍛え上げられていったところが多いのではないか。「バレーボール談義を始めたらきりがなかった」(古賀さん談)そうだから。
 なお、僕は180センチそこそこで後に早稲田のエースになった名古屋出身のSという名選手の高校時代をこの目で見続けてきたから、ジャンプの高さでいろんな事ができるという事はよく知っている。こういう選手は本当に魅力的だと思ってきたものだ。 
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