たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

入江杏『悲しみを生きる力に』_「「負の感情」の取り扱い方

2015年10月13日 18時22分43秒 | 本あれこれ
「「負の感情」にはどんあものがあるでしょうか。悲しみ、苦しみ、辛さなどが、まず浮かびます。また、怒りや悔しいという気持ち、劣等感、妬み(ねたみ)、嫉み(そねみ)、恥ずかしいという気持ちなども、「負の感情」といえるでしょう。ここで大切なことは、「負の感情」と呼んでいますが、この感情自体がけっして悪いという意味ではないということです。感情そのものに善悪はありません。そうした感情が起こること自体、自然なことなのです。

 ところが、学校という場所では、とにかく「負の感情」をもってはいけないとされ、
「負の感情」をなかったことにしがちだ、と副島(そえじま)先生はおっしゃいます。そうすると、「負の感情」が起きた時、子どもたちはどうすればよいのかわからず、苦しむことになります。副島先生は、だからこそ、「負の感情」の扱い方、向き合い方を教えたいと話します。

 悲しみや苦しみをそっと掌に暖めるようにして向き合うことで、自分が本当に求めているものに気づくことにもなると思います。また、自分の周囲に、同じように悲しんでいる人や困っている人がいる時には、その人の悲しみに気づくことができるようになるでしょう。気づくということは、とても大切です。」

(入江杏著『悲しみを生きる力に』岩波ジュニア新書、166-167頁より)

 企業社会の中でも負の感情をもつことは許されません。誰もが自然にもつ感情を押し殺すように過ごさなければならない日々は、私には苦しすぎました。どう表現していくのかむずかしいですが自然な感情。それをないもののようにしなければならないのはすごく息苦しかったです。



悲しみを生きる力に――被害者遺族からあなたへ (岩波ジュニア新書)
クリエーター情報なし
岩波書店