たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

ひといき

2016年03月20日 21時42分18秒 | 日記
 夕方郵便局から書類を発送したあとスパで一息。すごく体が疲れていると感じます。それでも昨年、一昨年の疲弊した私よりは間違いなく元気になっています。一か月半程前にスパに来たときは、明日から二年ぶりに働くという前日で極度の緊張感の中にいました。肩をいからせていました。それから一か月半。まだまだ慣れないことばかりだし大変な仕事ですが、とりあえず一か月半やれたし、自分はこうしてまた働くことができるんだって確認できました。それはわたしにとってよかったはずです。ただこのままストレスのはけ口になり、怒りをぶつけられるような日々を続けていくことができるのかは、全く自信がありません。変なストレスばっかりたまって辛くって仕方ないです。それでも、雇用主が派遣会社っていうおかしな仕組みの中で働き続けた日々のストレスよりはマシなのかな。どうなんでしょう。時給がもう少し負荷に見合っていればマシだと安心して思えるのかもしれません。こんなに感情労働しているのにとにかく安すぎです。

 書類は問い合わせ番号で追跡できるような方法で出しました。窓口の職員が宛先を見てびっくらぽんっていう表情でした。普通に生活しているだけだったららこんな所に郵便物を出すことなどあり得ないような宛先なのでそりゃあそうでしょう。私自身がいちばんびっくらぽんです。ここまでくるとは思いもしませんでした。やるだけのことはやりました。疲れちゃっているのでこれがもう精一杯っていう書面を作成しました。心の血を流しながら働き続けた13年間の終わり。ひとつの決着。あまりにも哀しい決着。現況の社会の仕組みの中ではこうなるしかなかったのか、今も私の中で問いかけは続いています。七年あまりにわたって二人分労働の完全オーバーワークの日々が続いたことを思い出すと今も辛くなります。思い出しても吐き気を催しそうなほど自分に無理をさせてしまった辛い日々でした。辛い日々の終着点が今日の書類。直接大変だったいう言葉は使いませんでしたが、文章に大変さがにじみ出た書面になったようです。それだからといって何かを動かすことができるわけではありません。結論が変わることはたぶんあり得ません。時間がかかるだろうから結論を知らされる頃にはもう忘れているかもしれません。もう忘れたいなと思ったりもします。己に鞭を打って鞭を打って無理を重ねてがんばり続けた日々は私にとってなんだったのか、今もわかりません。あんなにおかしなストレスの中で私はよくがんばったし、ストレスをバネにプリンス・エドワード島に行くことができました。プリンス・エドワード島も含めてカナダには6回行ったかな。それでよしとしましょう。

 私の人生の時間はまだあるはずです。元気な体さえあればきっとまた北の空へ飛び立っていける時はやってくると信じましょう。あした上野の美術館に行く気力が出るかな。明日行かないともう時間はありません。一月からやっているのだから仕事始まる前に行っておけばよかったです。なんか本当に忙しくって大変で、次々と虫歯ができちゃう。職場で落ち着いて歯磨きできないの結構きつい。やれるところまでやってみるさの日々は続いていきます。こうなることを想定できずに、平日の昼間でチケットを4本もとってしまった『1789バスティーユの恋人たち』。ちゃんと行けるでしょうか。今はまだそこまで考えられません。一日ぐらい人に譲れるなら譲りたいなとか思ったりしています。ほんとにどうなっていくのか・・・。

写真は秋のプリンス・エドワード島。キングス地区(北の方)をドライブ中でした。

 

第1章性別職務分離の状況⑥係長が多い女性管理職

2016年03月20日 15時03分40秒 | 卒業論文
 1970年代以後、日本でも専門職や管理職に従事する女性を「キャリア・ウーマン」と呼ぶ用語法が定着した。女性の高学歴化を背景に、キャリア志向の女性たちも増加している。だが、女性管理職比率(管理職のうち女性管理職の占める割合)をみると、均等法施行後10年(1996年時点)を経ても、管理職総数に占める女性の割合は10%にも満たない。国際的にもきわめて低い水準である(図1-14)。

 前出の総務庁の1996(平成8)年4月から6月にかけての調査結果をここでも参照していきたいと思う。

 調査した企業239社における男女労働者の昇進に関する基本的な考え方をみると、表1-19のとおり、「能力や経験があれば、男女とも公平に昇進させている」とする企業が179社(74.9%)と多いが、「女性は能力や経験があっても一定レベル以上は昇進させていない」とする企業も17社(7.1%)みられる。

 239社のうち、係長以上の役職別に管理職数及び女性管理職総数を把握した231社について女性管理職比率をみると、表1-20のとおり、「係長相当職」では12.9%と比較的高いものの、「課長相当職」では1.1%、「部長相当職」では0.2%にとどまっている。これら231社のうち女性管理職が1人以上いる企業をみると、表1-21のとおり、「係長相当職」は61.4%と半数を超えているものの、上位の職階になるほど女性管理職のいる企業は少なくなり、「課長相当職」は25.7%、「部長相当職」は9.5%にすぎない。

 一方、女性労働者の側から、現在の職階に満足しているか否かについて、女子労働者調査の結果でみると、表1-22のとおり、満足している者の割合は約半数(48.9%)となっており、およそ4人に1人(24.0%)が不満をもっている。不満をもっている者の割合は、勤続年数が長い者ほど、職階が低い者ほど高くなっており、不満の理由をみると、「現在の査定の在り方に疑問がある」を挙げる女性労働者の割合が、54.9%と最も多く、また、「そもそも女性には昇進、昇格の道が開かれていない」を挙げる者も30.8%みられる。以上の結果から、勤続年数が10年を超えると職階についての不満が増えることがわかる。もともと女性には昇進の道は開かれていないと諦める向きもあるが、半分以上は査定のありかたに疑問を抱いているのだ。もちろん係長や課長になっている人の満足度は高い。

 女性の勤続年数は延びている。女性労働者の平均勤続年数の推移をみると、僅かながら伸びており、1986(昭和61)年には平均7.0年だったのが、1994(平成6)年には7.6年となっている。また、勤続10年以上の女性労働者も25.4%から27.1%へと増加している(表1-23,24)。1)

 男女同じ配置転換の実施が増加し、それを受ける女性比率も高まっている。働いている女性の転居を伴う事業間配置転換に関する意識について、労働省(現厚生労働省)の女子労働者調査(平成7年:1995年)と女子雇用調査(平成2年:1990年)の結果で比較してみると、表1-25のとおり、今後、このような配置転換を命ぜられたら「受ける」とする者の割合は、11.4%から25.9%へと増加している。昇進希望についても、女子労働者調査の結果と女子雇用調査の結果とで比較してみると、平成2年には「昇進したくない」とする者の割合(69.9%)が「昇進したい」とする者の割合(29.0%)を上回っているが、平成7年には、逆に、「昇進したい」(62.5%)が「昇進したくない」(35.4%)を上回っている(表1-25)。 

「昇進したくない」理由の中で、「家庭との両立困難」が25.1%から35.7%へ増加、「責任が重くなる」が37.8%から44.9%へと増加していることに注目したい。「家庭との両立困難」は、結婚し子どもを持ちながら働くことを希望する女性が増えた一方で、昇進を望まない理由に家庭との両立困難を指摘する比率が増えたことはすでに繰り返し見たように家庭責任を主に女性が担う現状をよく表わしている。

 男性は家庭責任を妻に完全に委ねることで、企業に「滅私奉公」してきた。これまでの企業社会では、命令一つでどこへでも飛んでいくことが会社員の倫理とされてきた。「命令一つ」で動く転勤が恒常化すれば、男性にとっても家庭生活の維持は難しくなる。この損失を補償するため、無理な転勤を引き受けられない社員は昇進を遅らせるな、などの格差をつける。こうした家族をどれだけ犠牲にできるかの競争が続いてきたのである。2)

 熊沢はこうした「能力」を日本的能力主義の特徴と指摘した。家事・育児役割を期待される女性は、このような「能力」が低い。そのために女性を短期勤続と捉えて「一般職」に従事させるのは企業の経営の論理を体現する男性の側からの見方だが、女性側から見ると、家庭責任を果たすために昇進を諦めざるを得ない女性も多いのではないだろうか。仕事以外のことを考えさせない企業の仕組みは、家庭責任を担う女性を排除しており、女性管理職が育ちにくくなっている。女性管理職が少ないのは、無理な転勤も引き受けなければ昇進できない企業内構造が存在するからであり、女性は「仕事を二の次に考える」3) からではない。

 女性が生活の全エネルギーを会社の業務に注ぎ込むことができないのは女性自身に問題があるからではないのである。男性が家庭生活を省みず働くことができるよう女性に家庭責任を担うことを求める。一方で、女性はそのために生活の全エネルギーを会社の業務に注ぎ込むことができないから短期勤続と捉え、昇進のない「一般職」に振り分ける。日本型企業社会にとって都合のよい矛盾である。

 また、女性自身も私生活を省みない男性並みの働き方を望んではいない。「責任が重くなる」から昇進したくない(44.9%)は、男性が望む献身の能力にそれなりに女性が適応した結果ではないだろうか。たとえば一般職OLはしばしば、あれほどの残業や転勤やノルマがあるのなら、「総合職なんてお断り」4) 「一般職の仕事はいくらやっても補助の域を出ない。面白くなくて当たり前だが、責任はないから楽といえば、楽」 5)と考えたりもするのだ。

1)「賃金構造基本統計調査」によれば、女性の平均勤続年数はさらに伸長傾向にある。平成12年(2000年)と平成11年(1999年)との比較で、女性労働者の平均勤続年数は8.8年で0.3年長くなっている。女性労働者を勤続年数階級別にみると、勤続10年以上の者の割合は32.7%であり、20年以上の長期勤続者だけでも11.0%である(表1-23)。

2)竹信三恵子『日本株式会社の女たち』112-114頁、朝日新聞社、1994年。

3)竹信、前掲書、112-114頁。

4)熊沢誠『女性労働と企業社会』129頁、岩波新書、2000年。

5)竹信、前掲書、33-35頁