バルセロナを出て郊外を走ること1時間、妙義山のように奇妙な山並みが見えてくる。妙義山よりこちらの方は丸みを帯びた山塊で、その山中深くに聖地モンセラットがある。修道士、修道女が修行している修道院が海抜750mの処にあり、麓から登山電車、ケーブルカーでも登れる。
ここでは大聖堂(バシリカ)にある聖人像と黒いマリア様が信者の目的で、キリストを抱く黒いマリア様はこれまで見たマリア像の中では最も観音様の顔に似ている。礼拝堂が山中のあちこちに有り、日本で言えば比叡山のような聖地だ。
ガウディがモンセラットの山から影響を受けてサグラダファミリアをデザインしたといわれている。比較してみよう。
1890年、企業家グエルが繊維工場を中心とするコロニー(都市工業団地とも言うべきか)をバルセロナ郊外に造り、そこの教会の設計をガウディに依頼した。その建築途中の地下教会は世界遺産となり、それ以上の建築はガウディのデザインを変形させるとの理由でストップが掛かっている。コロニーは今普通の住宅地になっているが当時は炭鉱町のように地域の家族的繋がりのある町だったようで学校も病院も市場までワンセットになっていた。グエルはバルセロナの労働組合の影響を嫌って造った街のようだ。