トレドを後にして、オリーブ畑の中を走り、マドリッドに入へ、7時頃だが陽がまだ高いのでソフィア美術館でピカソのゲルニカを鑑賞した。大昔、大学1年の時、上野で見て以来の再会だ。この絵はワシントンのナショナルギャラリーからこの故郷へ戻っていた。ピカソの「スペインに民主政権ができたら返還を」と言う遺言が実行されたのだ。この絵は1937年、フランコ将軍を支援する独空軍によりゲルニカが爆撃された折りの悲惨な叫びを訴えている反戦の絵だ。
首都に来て気になっていたのがこの国の失業率の高さで、5月6日の統計局の発表では1~3月期の失業率は21.29%となっている。日本との比較では統計の取り方の違いも有り一概に言えないが、失業率推移から見ても21世紀に入り最悪であることは間違いない。マドリッド市内では車が止まる交差点ではガラスを拭こうと屈強の大人がいるがそれ以外に失業者があふれているという感じはなかった。
雇用が日本に比べ短期化(解雇しやすい)しているせいか、景気の波に大きく作用される。失業率は遅行指数といわれるがここでは一致指数のようで、失業者は南イタリアのように家族の中で囲われているのだろう。
日本も非正規労働者の比率が4割近くになり、1年以上の失業者が増えているが、このままではスペイン化する可能性がある。