行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

スペイン農業の底力

2011-06-14 17:28:26 | Weblog

欧州に来ると野菜不足になるとよく言われるが、スペインの食事で真っ先に出て来るサラダのボリュームには驚く、日本のレストランの3倍近い量だ。それでも実に美味しく平らげられる。マドリッドから荒れ地の中を1時間、アランフェスの宮殿を訪ねるとこの地は緑豊かなオアシスのようだ。昔より特産のイチゴをはじめアスパラガス、トマトなど野菜を首都に出荷している。

野菜の値段は日本の3分の1でしかも大ぶりだ。味が良いのはほとんど農薬なしで栽培できるからだ。乾燥した気候は害虫も育たないので、無農薬栽培ができ、コストも安い。超大規模農家(農家数のわずか1%に過ぎない200ha以上の農家が農地の50%を所有)が存在することもコストを安くしているのだろう。

ワインの栽培地の大きさは世界1、生産量は世界3番目というのも余裕で、良いワインができるわけだ。日本ではリオハ産が有名だが、今回訪れたバレンシアやラマンチャのワインも安くて美味しかった。生産量で世界一はオリーブとオレンジであることは言うまでもない。

アランフェスの宮殿は水が豊富な川に面し、森に囲まれ、フランスのロワール渓谷の古城のような雰囲気で、中に入ると、現国王一族の結婚式の衣装も公開されていたが、昔の国力のすごさを感じる内装や磁器類の華やかさを堪能した。

翌日はマドリッドの北西95Km、山越えをして、高原都市セゴビアを訪れ、接着剤を使わない建築美では傑作と思えるローマ時代の水道橋に見とれた。

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