新年はユーロ金融危機だけでなく多くのややこしい問題が次から次へと出て来る可能性が予想され、考えるだけでも鬱陶しい。ここへ来てイランの核開発に絡む経済制裁強化が米国やEUから提起され、これにイランが反発、ホルムズ海峡閉鎖まで言い出した。
米国の軍事予算削減方向で、イラクとアフガンからの米軍の撤退でオバマ政権を弱腰と見てのことなのだろうが、米国のネオコンはイランへの侵攻を主張している。今なら米国はイランの宿敵はイスラエルなのでイスラエルの電撃作戦を黙認する可能性が高い。
ホルムズ海峡閉鎖となると、1973年の石油ショックを思い出す。日本の石油の輸入の8割はホルムズ海峡を通る中東産石油に依存している。ここで国際紛争が起きると日本経済に大きな影響が出て来る。紛争勃発でガソリンスタンドに並ぶ事態が生じる。
1973年の時と違い、経済規模が日本より大きくなった中国が輸入石油の半分を中東産石油に依存し、高成長を続けているだけに中国経済成長にブレーキが掛かる。更に、他のアジア諸国の中東産石油依存も下記のごとく大きくなっているので日本と成長を必要としているアジア新興国にショックを与えることになる。
2009年中東石油輸出の地域比率
米国 欧州 アフリカ 中国 インド 日本 シンガポール その他アジア大洋州
9.5 12.8 3.7 11.3 12 19.6 5.3 25.8
日本政府はアジア諸国と連繋してイランショックを防ぐことに全力をあげよ!