行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

さらばダイエー、苦悩するソニー

2014-10-01 23:38:32 | Weblog

イオン傘下に入ったダイエー、2016年にはダイエーという名前が消えるという。1960年代、主婦の店ダイエーという小さなスーパーが中内功という流通革命児がみるみる巨大なスーパーダイエーへと発展、72年には東証に上場し、百貨店を上回る小売業初の1兆円企業へとのし上がった。当時自分は大阪で家電流通業の一線にいたが、まだ新米で中内社長の価格決定権を小売りがいかにして獲得するかという講義を拝聴した。当時の家電の雄、松下電器との価格決定権争いは耳目を集めた。ダイエーの勢いは巨大メーカーといえども逆らえず、まさに日の出の勢いで現在のユニクロとソフトバンクを合わせたようなもので上場したら1500円の高値がつき、社員は家を建てた人が続出した。
それが、阪神・淡路大震災で旗艦店が被害に遭い、それがきっかけとなり、再建を果たせず、中内社長の退陣、2004年には産業再生機構への支援を求める事態となった。栄枯盛衰を地でいっている。

まさかと思うダイエーの凋落は何故だろう。ハーバード・ビジネス・スクール教授、クレイトン・クリステンセンがいう「イノベーションのジレンマ」陥ったのではないか、イノベーションのジレンマとは、顧客の声に耳を傾け、製品・サービスの向上を持続的に続ける優良企業が、既存の事業構造を破壊するような新興企業の新技術・新サービスの成長に直面し、衰退してしまうという考え方で、コンビニを抱え、モールという新しい形態の巨大小売業を発展させたセブン-イレブン・ジャパンや、イオンという新興勢力にのまれてしまったのだ。

私はもう一つの原因として、中内功という偉大な経営者の下、後継者が育たなかったということではないかと思う。
ソニーもイノベーションのジレンマに陥り、アップルやサムソンという新興勢力に直面して衰退した例で、かつ取っ替え引っ替え内外から経営者を招いてみてもかつての盛田さんのような偉大な経営者の代わりにはなれなかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする