高度成長期日本に最も影響力を与えた堺屋太一氏逝く
私がこれまで最も印象を受けた「油断」の作家堺屋太一氏が亡くなった。あまりにも石油ショックが大きかったせいかもしれないが、日本のエネルギー問題に警鐘を鳴らし、その後私自身エネルギー問......
堺屋太一氏が亡くなって1年、日本は石炭火力に固執する先進国として、気候変動会議では二回も金メダルに輝き、氏は天国で嘆いているだろう。一方、ホルムズ海峡が日本のエネルギーの首根っこであることは1973年当時と変わっていない。自衛艦を派遣して日本のタンカーの安全確保をしなくてはならない事態になっている。トランプに気兼ねしてイランと航行安全協定も結べない。
問題の原発政策も安全確保が完結しないまま稼働して、地元住民から差し止め裁判を起こされている。なら再生エネルギーに本腰を入れているかと思えば九州地区のように太陽光発電エネルギーを利用しきれず、操業をストップする事態になっている。先年の千葉県での台風被害で停電が大きな問題となるや、慌てて自家発電装置を買って公共施設に配置している。金持ち東京都は各家庭に蓄電池設置を促そうと60万円もの補助金を支給しだした。先日は1日に何回もパナソニックから60万の補助だ出るので、如何という電話が掛かってきて、最後はどなってしまった。100万以上もする蓄電池をそれならと設置できる家庭がどれほどあるのだろうか?停電中に自分の家だけが煌々と灯りをつけられるのだろうか?
ライフラインの電気をとっても電線の地中化の方が蓄電池の補助よりも公共的だろう。エネルギー政策は国の基本なのにふらふらしている。決めるべきことも先延ばしでお茶を濁し、その場しのぎだ。その典型がMOX燃料(再処理でできたプルトニウムをウラン原料と混ぜて使っている)の再処理が何も決まってないことだ。玄海原発からはMOX燃料の燃えかすが日本で初めて出て来るが、この高放射能を持つ物質の処分をどうするのか、トイレなきマンションと言われても仕方ない無責任状態だ。