行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

テレビ敗退,PanasonicまでTV委託生産

2021-12-12 22:50:04 | 企業

我が家のテレビは3台、三菱、シャープ、パナソニックで、いずれも10年以上使用している。液晶画面も明るく性能には不満はないが、最近のテレビは4Kとか8Kと更に綺麗な画面になり、そろそろ買い換え時か?と思っていたところ、16日パナソニックが中国の家電メーカーTCLにテレビを委託生産するというニュース。三菱は今年撤退を決めたようだし、東芝は分割過程で2018年 に中国のハイセンスにテレビ事業ごと売ってしまい、シャープは会社もろとも台湾企業に買収されている。

かつては世界一の生産2000万台を生産したパナソニックもついに撤退への道を選択した。1980年代日本のカラーテレビは世界の市場に流れ、米国との貿易摩擦は激しさを増していた。当時の米国のテレビメーカーは日本メーカーに買収されるか、生産撤退を余儀なくされた。いまや日本メーカーはソニーのみ、しかもソニーの世界シェアは5%にもならず、サムスン、LGの韓国メーカーが35%を超え、もはや対抗する術もなく、シェアー10%を超え、躍進するTCLに生産を委託することになったようだ。

1989年4月、電機産業労使(団長は日立の柏木副社長で私は事務局を担当)が中国へ招かれ、日本の技術移転で中国の経済発展を促進することを約束した。すでにパナソニックは北京郊外にブラウン管工場を建設、操業に入っていた。三洋は深センに家電工場を、三菱は上海郊外にエレベーター工場を操業していた。各工場を視察し、更なる投資計画の説明を受けた。中国政府も大歓迎で私達代表団の移動はパトカー先導という扱い、人民大会堂では当時の田紀雲副首相が歓迎してくれた。パナソニックはその後、多くの生産工場を中国に建設したが、生産技術は徐々に中国メーカーに追いつかれ、抜かれた結果がテレビの委託生産ということになったのだろう。

 

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