先日の参院議院運営委員会で、政府が日本銀行の次期総裁候補として提示した植田和男氏の所信聴取で自民党の世耕弘成参院幹事長は「アベノミクスは道半ばだ。継承していくのか」と問いただした。日銀の使命は金利や貨幣の流通量のコントロールでインフレにならないように、不景気にならないようにというのが第一で、明らかに破綻したアベノミクスを守ることではない。さすがに長らく教員をしてきた植田氏、学生に教えるように「現在の緩和路線を継続することが適切だ」と無難に答え、アベノミクスへの評価として「共同声明にある2%の物価安定目標を続けるという意味で踏襲する」と日銀の使命である物価にしぼり答え、世耕氏の顔も立てた。
アベノミクス3本の矢は①2%の物価上昇②財政再建③構造改革など、何も達成できてない。少子化対策も昨日の報道通り史上最小の出生数80万人に落ち込みアベノミクスに拘るのは「愚か者」だ。以前このブログでも書いたが、かつて安倍首相がことある毎に、「民主党政権時代は悪夢だった」と言ったが、実質GDP成長率で見ると、民主党時代2010年~12年3年間は平均1.87%伸びたが、アベノミクスになってからは2013年~18年平均1.15%と落ち込んだ。生活の豊かさを計る消費に焦点を当ててみると、民間の消費は民主党時代は平均年1.33%増に対して安倍政権になって0.45%へ落ち込み耐乏生活に入っている。どちらが悪夢の時代か明確だ。
鳩山民主党にも大きな問題があり、肩を持つ訳ではないが、アベノミクスは破綻しており、拘っていては前に進まない。政権党たる自民党、目覚めて欲しい。