このところマスコミには各界からの「デフレ脱却、インフレ肯定論」がやたらと報じられている。根拠は価格転嫁が進み、賃金も上がっているということのようだ。そしてようやく日本経済も成長するとしている。
ほんとにそうなのか?検証してみよう。消費者物価は直近6月では3.3%増と聞いてそれほどインフレはひどくないと思い込んでいたが、買い物の度に細君がブツブツと上がった上がったと嘆く、それで中身を調べてみるとこの品物が何故こんなに上がったのか庶民には判らないものが多い。価格転嫁どころか最近はマスコミが追求しない便乗値上げのものがあるのではないか?とさえ思える急騰ぶりだ。
3.3%のうち、上げ幅に超がつくものを見ると、卵、鳥インフルエンザで35.7%アップは理解出来る。一方外食のハンバーガー17.1%、炭酸飲料17.4%は人件費が4%ぐらい増えているとは言え上げすぎなのでは?巷にあふれているスマホの19.3%は理解出来ない。洗濯用洗剤18.4%、食用油16.5%も便乗臭い。
結果、6月「家計調査報告」によると、二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は27万5,545円、実質で前年同月比4.2%減で、4ヵ月連続の減少となっている。節約生活がうかがえる。そういえば我が家も炭酸飲料は止めて昭島の水を飲んでるし、豚肉も国産から米国産に替えた。
政経労が自賛しているインフレ以上に賃金が上がっているかだが、6月の「毎月勤労統計調査」では消費者物価で調整した実質賃金では、前年同月比1.6%減。減少は15カ月連続、減少幅も前月(0.9%減)を上回った。
6月のボーナス込み収入を家計調査で見ると、勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、1世帯当たり89万8,984円、前年同月比で実質5.6%減も減っている。景気の良い賞与支給は一部の企業に偏っているようだ。
インフレ肯定論の価格転嫁で、つけが家計に回り、支出を抑えていることが判るし、賃金も上がってると言っても実態はボーナス月の6月でも実質5.6%減となっている。これで日本経済は成長するのだろうか?