行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

消費不振の原因は

2016-10-05 18:24:09 | Weblog

ようやく国会が開かれ、来年度予算等の審議がされている。安倍首相は懸命に失業率も減った、有効求人倍率も改善した、就業者数も増えたとアベノミクスの成果を強調するが、民が豊かになり、その象徴である世帯の消費支出が増えたのかというと右肩下がりに減少しているのが実態だ。
下の表は最近の家計調査の内、二人以上の世帯の統計だが、14年、15年と年間で減少し、今年に入って8月はついにこの4か月間で最も悪化し、前年同月比で名目で5.1%、実質で4.6%の減少となった。

この主たる原因は実収入が減少していることが大きいと思われるが、安倍首相はこうした負の部分には一切触れない。それどころか国会の質疑で次々と明らかにされているのはこれからの負担増に繋がることばかりだ。社会保障や医療費の削減は今後の負担がどの程度増えるのか漠然としている。10月からの厚生年金保険料の負担増は実行され、今後物価が上がっても賃金減だと年金も切り下げると年金生活世帯を震撼させた。安倍首相は現役世代と同じ痛みを分かち合うと言うデフレスパイラルをどう考えるのだろうか、また配偶者控除の廃止を言いだし、これは6000億円の増税になる。医療費改革では病院に行きにくくさせるため,かかりつけ医制度を設けると言うが、目の前の病院に行くとペナルティをかけるということは高齢者にとって大きな負担となるケースもある。病気の症状によりかかりつけ医そして病院とまわされると費用もよけいかかり手遅れになる可能性さえある。

アベノミクスで消費が不振なのは、よかれと思う政策なり、改革が国民の負担増になってるか,将来不安を招いているからなのだ。

家計調査(二人以上の世帯)平成28年(2016年)8月分速報 (平成28年9月30日公表)

 年平均(前年比 %)月次(前年同月比,【  】内は前月比(季節調整値)  %)
2013年2014年2015年2016年5月6月7月8月
【二人以上の世帯】
      消費支出(実質)
1.0 ▲2.9 ▲2.3 ▲1.1
【▲1.4】
▲2.3
【▲1.3】
▲0.5
【2.5】
▲4.6
【▲3.7】
      消費支出(除く住居等※)(実質) 1.0 ▲2.5 ▲2.0 ▲0.9
【▲1.9】
▲0.4
【0.2】
▲0.8
【0.3】
▲3.1
【▲2.3】

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