昨日は中曽根元総理の逝去でマスコミは高成長バブル期での中曽根時代の特集といった感がした。中でも民営化とロンヤス日米親密外交への評価が高かった。私はちょうど電機連合で政策を担当しており、当時の全電通労組(現NTT労組)での民間企業労使関係研修会に招かれ、北海道地本と兵庫地本で労使協議のあり方を中心に話をした記憶がある。そうした関係から全電通山岸章委員長とは何回となく民営化の話をしたが、後に民間連合の会長になるだけあって、大局を見る能力に優れていた。
中曽根内閣も国鉄民営化で勢いに乗り、電電公社民営化に矛先を向けてきたが、山岸さんは「国鉄のように分割をしてしまうと地方の会社はやっていけないだろう。電電公社の民営化はユニバーサルサービスを前提に地方が取り残されないように民営化をしなければならない」として東西2社に分割をした経緯がある。
当に慧眼で、JRは東海や東、西は黒字でしかも駅の不動産価値が高くなり、商業施設にまで経営を拡大しているがJR北海道やJR四国は経営が苦しい。合理化のため廃線が続き、地域の住民は取り残されている。北海道は今も廃線を続けており、地球温暖化に逆行している。国鉄は労働組合も複数あり、民営化反対、賛成で複雑だったが、中曽根内閣は地方を犠牲にした罪は大きい。
NTT民営化では国民が宝くじを買うごとく、新規公開に殺到し、1986年10月最初の売りだし価格は119万7000円で翌年の4月には318万円(NTT1社の時価総額だけで西ドイツの株式市場を上回った)までバブった。多くの人がNTT株を売って車を買ったといった狂騒があり、国民に株を持たせるきっかけを作った。
小泉内閣の郵政民営化も成功したが、小泉自身が最も反対した官僚の天下りが跋扈し、せっかくの優良会社も経営者に恵まれずどうなることか?
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