行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

直嶋経産相から新成長戦略を聞く

2010-09-11 18:09:28 | Weblog
菅首相が雇用雇用雇用と言っている。ある研究会でその具体的な戦略を制作元でかつ責任者であるかつての同志直嶋経産相から2時間にわたり聞いた。久しぶりに会ったが以前と変わらない様子、1日12時間労働、就任後15回に渡る海外出張等、激務にも拘わらず体重は変わらないとのこと、頼もしい限りだ。

6月22日にできた「新成長戦略と産業構造ビジョン10」は経産省のホームページにアップされてるので細かいことはそちらをのぞいて貰うことにして、大まかに紹介するが、直嶋大臣が作成委員会に昨年末、最初指示した3つの点は
①アジアの成長をどう取り込むか
②温暖化対策をチャンスとして成長、例えばCO2削減をコストとして捉えず、成長へのチャンスとして捉えよ
③成長の成果が実感できるように

数字の目標は名目3%、実質2%の成長率で失業率は完全雇用水準である3%。今後、「日本は、何で稼ぎ、雇用していくのか」を明確にすることが基本だ。

戦略産業分野ではこれまで日本は自動車とエレクトロニクスに偏りすぎていた構造をもっと多くの産業に依存することによって雇用を生み出す。アジアの消費の伸びは凄まじいのでそれに対応したファッション、食、観光、文化といった分野を伸ばす。グリーンイノベーションとエネルギー問題はコインの裏表で日本の先端技術をビジネスにつなげる。高齢化社会における医療や介護をコストとしてでなく産業として伸ばす。地方の疲弊が問題になっているがこれも農業を産業として伸ばす

この中で特に大臣が強調したのは、アジアや新興国では、80年代以来の得意商品の売り込みと大きく違う点だ。アブダビでの原発を韓国に持って行かれたことが象徴しているようにこれまではメーカーや商社の対応で原発を引き渡せば良かったが韓国は60年保証と運転技術移転を付けた。日本でいえば、日立、東芝、三菱のメーカーと運転技術の電力会社が加わらないと勝負にならないということだ。鉄道で新幹線受注を狙うのであれば、メーカーとJRが組むことが必要だ。

またFTAをやらないと韓国、台湾とは競争に負けるとFTAの重要性を強調した。漫画や映画に象徴されるようにコンテンツの輸出は有望だがそれを推進する人材が不足しているので教育も必要でそこにも雇用は生み出される。パリでの日本博は成功したが、企画はフランス人だった。

いずれにせよ雇用を守り、創出することは内閣一丸となって施策しないとできないことが多いと感じた。このビジョンはこれまでの文章でなく、わかりやすく図絵になっており、4の今後の産業構造転換の方向性(五つの戦略産業分野)だけでもおもしろいのでダウンロードを推薦したい。

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