行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

インドとEPA(経済連携協定)へ

2010-10-26 10:43:29 | Weblog
昨日はインドのシン首相が来日し、経済界の大物も帯同で日印間でEPAの締結に合意した。久しぶりに日本の外交での成功例というか新たな歴史への動きが出てきたという明るいニュースだ。近年、日本のあちらこちらにインド人経営のカレーハウスができインドはようやく日本人にとって身近になってナンはスーパーの棚に並んでいる。

インドは12億人の人口を有し、いくつあるか判らないほどの民族と言語があり、なかなかつかみづらい国だ。米国の最先端ソフト産業を衛星回線で支えているIT産業があれば一方で、採石場では児童労働が行われている。カースト制度以外にも身分格差が依然として存在している。

数年前、バンガロールでの国際会議に出席したが、ハイテクタウンにしてはまだブロードバンドが充分普及してなかったし、空港は狭く大混雑だった。その原因の一つはチケットの処理をするコンピュータの遅さだった。街中の市場へ行くとものすごい人で、大部分が裸足で圧倒された。

牛を神と崇める伝統ある寺院に行くと、若者が下足番をし、チップを稼いでいた。昔のその地を支配した王族は城を開放してその観光収入で細々と生活をしていた。一方、ラクシュミー・ミッタルは1989年に創業し、その後世界の鉄鋼メーカーを次々と買収することによって世界最大の鉄鋼メーカー世界の鉄鋼王になっている。

最近ではタタ財閥が国民車製造に進出し、10万ルピー(約27万円)のナノを発売したことは記憶に新しいが、その自動車新工場が農民の反対で建設できなかったことも事実だ。世界最大の民主国家と言うだけあってその透明性は中国の比ではないが、大きすぎてつかみ所のない国だ。

今後、日印間での民間の交流やインド文学の紹介などを通じ、理解を深めることが必要だ。私のインド人の友人(上級クラスに属するが)と付き合っていて思えたのは、プライドは高いということだ。何しろ世界の文明の発祥地で、アレキサンダー大王を撃退した歴史を持つ国で、仏教発祥の地でもあるからだ。

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