6月23日に行方不明となった12人の少年と一人のコーチ、10日後に英国ダイバーにより発見されてから、世界各国の協力で8日後に無事救出された。毎日各国のメディアは報道していたが、ニューヨークタイムスでは、海軍潜水部隊の経験のある記者を派遣し、毎日の救出対策、状況を克明に伝えた。
各国の特殊部隊でも潜水の訓練でも洞窟での潜水は未経験で、少年救出には急遽知恵を出し合ったようだ。最も安全なのは小型潜水艇に少年を入れて救出ということでプールで実験までしたが、洞窟の狭隘で断念せざるを得なかった。通常の潜水道具では危険すぎるので、頭から顔をすっぽり覆う用具を使い、救出途中で脱げない工夫をし、酸素ボンベも背中に背負うと危険なので脇に抱えるように工夫した。タイの子供は泳ぎを知らない(子供の溺死が多く、川には近づかないように教育したため)ので、ダイバー2人が確実に身柄を確保して、休憩を取りながら命綱に沿って救出し、水から出てからはタンカーで運んだ。
主役の救出ダイバーはタイ海軍の特殊部隊が行ったが、上記のサポートは沖縄からの米軍特殊部隊や各国の専門家が行い当にグローバル協力体制の成果と言えよう。ボランティアで参加していた前タイ海軍特殊部隊出身者38歳が作業中に死亡したのが残念だったが、貿易戦争だとか、中東危機など、政治面では対立が激しい中、このグローバル協力は素晴らしい成果で、トランプ大統領をはじめ政治家は見習ってほしいものだ。
これからは、閉じ込められた少年達の精神ケアが重要だが、これもグローバルな協力体制がバックアップする。10日間暗闇の中で過ごした彼らの精神的な負担は計り知れない。引率者のコーチはミャンマーからの移住者で地元の僧院で修行を積んでいるので、瞑想などで少年達をケアしていたようだ。少年の中にもミャンマーからの移住者で国籍を持たない少年が複数いる。その内の一人14歳は英語、中国語、などで意思疎通が出来て、当初発見した英国人ダイバーは驚いたと語っている。
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