行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

異例ずくめの全英オープン、愛の力でドイツ選手が初制覇

2020-08-25 23:06:49 | スポーツ

昨日はコロナ感染者が減少しつつあるという厚労相の発言があったが、昭島では8月に入って感染者がじわじわと増えつつある。ここのところ毎日2名ずつ増え、ついに38名になった。全英オープンの中継ですごすことにした。

全英女子オープンは、直前の米国予選でなんとか滑り込んだ世界ランキング304位のソフィア・ポポフ(ドイツ)がメジャー初制覇という偉業を遂げた。大会は新型コロナウイルスの感染予防により無観客で実施され、昨年の渋野が観客とハイタッチで優勝した普段の大舞台とは異なる強風と雨の音だけが聞こえる寂しい大会となった。

メディアの大半はリモート取材で、選手はホテルと会場の行き来しか許されなかった。表彰式での優勝カップ授与も手渡しでなく、机に置いてあるカップを優勝者ポポフが取り上げるという異例の表彰式、大観衆の拍手がほしかったろう。ポポフの優勝の要因は穴蔵のようなバンカーに入れない正確なショットと自らラインを読んだパットにある。しかし、名だたる名手が苦戦する中、ランキング304位の選手が難しいリンクスの中での正確なショットとパターは精神的に強固なものが無いと不可能だ。今回の大会ではコロナ対策で選手の帯同は1名キャディに限られていた。そしてポポフはキャディに劇団員のボーイフレンドを選択した。これが優勝の原動力、強い精神力、愛の力を生み出した。全てのゲームの組み立てはポポフ自身が迷い無く実行でき、一時1打差で迫ってきた世界ランキング8位のミンジー・リーを最終ラウンドで振り切った。

大会では通常、キャディ帯同が決められている。今回にかぎり、異例ではあるが、セルフカートも認められ、5人の選手はセルフで出場した。過去の大会で地元のキャディを雇うことが多かったリンジー・ウィーバー(米国)はセルフカートで19位と健闘したが、地元のキャディ帯同だったらもう少し良い結果になったかもしれない。

日本選手は渋野をはじめ強風とラフ、ポットバンカーに苦しめられたが、その中で上田桃子が最終ラウンド4バーディの67でまわり、この大会で自己最高の6位に入る健闘をした。ポポフは最終ラウンド68だったので、もう一ラウンドあれば追いつけたかもしれない。ベテラン上田の復活が唯一の収穫だ。上田は故郷熊本の復興へ賞金1584万円を寄付するという素晴らしい話も。

 


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