行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

サステナビリティ、会社は永遠に続く

2017-03-07 22:14:35 | Weblog
今更という感じがしないでもないが、最近サステナビリティという言葉が企業経営の中で使われ出した。ユニクロがCSR部をサステナビリティ部に名前を変えたとういう報道があったが、企業は未来永劫に続くという願望を表したものだろう。私が金属労協事務局長の1990年代、日経連や経団連にCSR(corporate social responsibility)を要請した経緯がある。CSRは国際労働運動の主たる要求で「企業は利益を追求するだけでなく、企業活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)にも責任を持つ」ということで、特に下請けやサプライチェーン経営への責任を持つことを強調した。
 
サステナビリティは当然CSRを内包するものでなければサステインできない。日産自動車が昨年新たな役職としてチーフ サステナビリティ オフィサー(Chief Sustainability Officer)を設けたことはゴーン会長の慧眼だ。近年山一証券、日本航空、三洋電機が倒産し、最近ではシャープ、東芝が経営危機をむかえているが、要は経営者がサステナビリティを重視しなかった帰結だ。
 
このサステナビリティ、日本の商人魂の中に元々あって、特に目新しい概念ではない。近江商人の三方良しという行動基準はその典型だ。三方良しとは「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」で、売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならないというものだ。まさにCSRそのもので、これを心がけて長寿命の近江出身の企業は現在でも健在だ。

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