平成26年度版「子ども・若者白書」によれば、日本は「子どもの相対的貧困率はOECD加盟国34カ国中10番目に高く、OECD平均を上回っている。子どもがいる現役世帯のうち大人が1人の世帯の相対的貧困率は50.8%に達し、OECD加盟国中最も高い」との報道で、格差社会はここまで来たかと思っていた。
先日、昭島で「子供食堂」を運営するO氏の話を聞く機会があって、身近に子供たちが食事をとる姿が目に浮かんだ。最初副題が「あきしまこどもクッキング」だったので、料理教室の話かと早とちりしたが、聞く内に子供の貧困率を思い出し、身が引き締まった。対象の子供はいろいろな事情できちんとした食事が取れない子供で、必ずしも貧困家庭とは限らないとのこと、子供からは費用は取らないが付いてきた親からは300円程度徴収している。この運動は単に食事を提供するだけでなく、子供の居場所をつくる活動で、勉強の支援をしたり、遊んだりしている。O氏自身は子育て専業主夫をこなしながら子供食堂を主催し、大学生のボランティアなど20名のスタッフが活動している。幸いお米とか野菜は寄付で充分賄え、肉類も業者の方から賞味期限前のものを提供してもらっている。多くの人達の善意と若い人達の活動に頭が下がる。
昭島市では子供の6人に1人が貧困状態で、やはり1人親家庭が多く、現在一箇所の子供食堂を18年度中に13の学校区毎につくり、子供たちを地域で見守り育てる体勢が必要と訴えていた。このNPOの狙いは貧困家庭の子供に食事を提供するだけでなく、居場所を与え社会的孤立を防ぎ、学習支援により将来子供が貧困からの脱却を可能とすることにある。人口減少社会の中で、日本の国を維持発展させる最も重要な活動をしていると感銘を受けた。
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