行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ラトビア便り

2019-06-12 03:55:37 | 海外
高い山がないけど森は至る所にある。穀倉地帯では宏大な畑と森がどこまでも続く。人々はハイキングを兼ね、ブルーベリーやキノコ狩りで短い夏を楽しむ。公有、私有関係なく森に入ることが法で可能となっている。これはフィンランド、スエーデンも同じた。
エストニアへ向かう途中に「ラトビアのスイス」があると聞いた。EUの中では珍しい洞穴があり、たしかに山で渓谷美は素晴らしい。しかし高さ300mもないので、スイス人は驚くだろう。

ラトビアは、スエーデン、ポーランド、ロシアから侵略された苦難の歴史があり、国旗は血の色にし、苦難の独立を子孫に伝えている。
ミニベルサイユとも思えるルンダーレ宮殿はその歴史に翻弄された。


ロシア皇帝アンナに愛されたクールランド公ビロンが建設したが、アンナの死後はシベリア流刑となり、ロシア皇帝の夏宮殿となった。その後、ロシア革命でソ連は宮殿を接収、小学校や幼稚園に利用、荒れ果てた。1972年から修復が開始された、1991年独立後加速し、現在もりんご畑など周囲を整備している。

首都リーガはバルト3国のなかで最大の都市だ。ハンザ同盟に加わった豊かな時代を象徴するアール・ヌーヴォーの住居街はEUのなかでも出色だ。


ダウカバ川の港を臨むハンザ同盟の豪華な建物


バルト3国に共通の現象だがEUに加盟して、賃金の高い西欧へ労働力が流出、政府は懸命にIターンインセンティブを打ち出し、人口減少に歯止めをかけようとしており、戻ってくる人もいるようだ。
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リトアニア便り

2019-06-11 03:08:24 | 海外
バルト3国は南へ行くほど物価が安いと聞いたが、スーパーで買い物してなるほどと思った。イタリアのパルミジャーノチーズと同じ味の地元産が3.9ユーロ、ワインはダブルッツオが4ユーロ、森で採れるせいか、マッシュルームは1キロ2ユーロ、21%の消費税こみでこれだ。地元民は「賃金が安いからさ」と素っ気ない。

ビリニュス郊外の湖に浮かぶ古城は、珍しく天気が続くので、家族連れや観光客で賑わっていた。リトアニアは雨の国という意味で、雨量は多いとガイドは言ったが、旅行中は幸い良い天気が続くようだ。
トゥラカイ城


ビリニュス市内には、各宗派、宗教の教会が多く、複雑な歴史を感じる。




ロシア、ソ連の侵略に執拗に抵抗したのがリトアニアだった。戦いで多くの死者が出た。葬いの十字架を捧げた丘があり、私も世界平和を祈願し小さな十字架を奉納してきた。
シャウレイ郊外、十字架の丘


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リトアニア、杉原千畝の軌跡

2019-06-10 03:16:00 | 海外
ストックホルムからラトビアの首都リガへは一泊の船旅、そこからリトアニアの首都ビリニュスへの長いバス旅、森と遥かに続く畑と牧草地、豊かな穀倉地帯でロシア、ソ連が何回も侵略した理由が解る。
ビリニュスの 郊外、ホテルの近所に日本大使館がある。これから訪れるカナウスの杉原千畝元領事館の時代とは違い特に問題もなく、大使館の仕事ものどかなものだろう。

ビリニュスから100キロ、杉原千畝記念館は第二の都市、カナウスの郊外にある。建て替えられかつての領事館とは違うが、領事執務室は再現されている。映画の方がバルコニーのあるセットで再現されている。ヘルシンキ行きのJAL便ては、杉原千畝の映画をみることができる。杉原千畝を唐澤が奥様の幸子を小雪が演じている。


ソ連がリトアニアを占領したため、領事館からの退去を要求されても、退去の日までメトロポリスホテルでビザを発行し続けた。そのホテルは今も営業してる。そのことは肖像レリーフと共にホテルの壁に顕彰されている。


本国外務省からノーと言われながらも、人道を貫き合計1600人のビザを発行した。ユダヤ人の大部分はオランダ国籍でシベリア鉄道経由で中米キユーラソー[オランダ領]を目指して日本の通過ビザを必要としていた。
あらためて、杉原千畝は日本人の誇りと確信した。
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続スエーデン便り

2019-06-09 02:38:35 | 海外
スエーデンの存在感はノーベル賞があるからでもある。スカンディナヴィア半島は堅い岩石で、トンネルや道路工事は困難を極めた。必要は発明の母、ノーベルのダイナマイトは大いなる技術革新だった。

ノーベルは平和賞はオスロでその他の賞はストックホルムで授与するよう遺言、旧市内ガムラスタンの広場にノーベル財団博物館がある。入ると、椅子が高くぶら下がっていて、目を凝らすと山中伸弥というサインが椅子の底に書かれている。ノーベル賞メダルチョコを買えば財団に貢献できるのではと、博物館で求めた。


大勢の観光客で賑わうガムラスタン広場、ノーベル賞はストックホルムの観光資源になっている。


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スエーデン便り

2019-06-08 15:00:17 | 海外
北欧とバルトをかつて支配したスウェーデン、今や人口1千万人強の小さな国となっているが、この国の技術力は世界のトップを行っている。30年前この国を訪れた時はサーブ、ボルボ、といった自動車メーカーはその生産方法、品質の良さで世界のトップ水準であった。しかし今やスウェーデンの自動車メーカーはすべて外資に買われるか、潰れてしまった。

その後IT先進国となり、現金を持たなくても済む先進的な国となっている。一杯のコーヒーを飲むにもクレジットカードが必要だ。最初、暗唱番号を押すのが面倒だったが、慣れると財布を出さなくて済むし、お釣りの確認もしなくて済む便利なものだ。
30年前のクローネがあったので、持参したが、既に使えなくなっていた。

通勤手段での自転車使用は30年前と変わらないが、割って入ったのが電気スケーターで、自転車専用道路をスイスイと走っている。
スエーデンの全盛期、17世紀に建てられたドロットニングホルム宮殿


それにしても消費税の高さには驚く、ランチのグラスワインでも1300円にはびっくりする。所得税も3割ぐらいとられている。そのかわり老後の生活を含め、国民の安心感は抜群で、絶えず政治へ目を向ける。選挙投票率は7割、3%の消費税増税すら難しい日本の政治に対する不信感とは対をなす。
教育費は全て無料で、人口は日本の1割だが優秀な人材を育て、技術の進歩に貢献している。
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フィンランド便り

2019-06-07 02:56:55 | 海外
ヘルシンキから50分、ポルボーは小さな港町だが、1809年長いスエーデンの支配下からロシア帝国支配下に引き継ぐ調印式がこの田舎風の小さな大聖堂で行われた。それから100年間ロシアの支配が続く。
ポルボー大聖堂


この白亜の大聖堂は、ロシア支配下だったが、カソリック、プロテスタントの聖堂としてドイツ人の設計で建設された。
前にはアレキサンドル二世ロシア皇帝の像が立ってる。
フィンランド独立時に撤去されず残されているのは不思議だ。


消費税24%だと、カヘェでも高いので外食しづらい。マーケットのホットドッグが3.5ユーロ、このくらいを買って公園でランチを済ませる人々が多い。マック、スタバ、サブウエイのような店では14%に消費税は軽減されており、人気がある。
フィンランドはキャシュレスで先端を行ってる、カードでなんでも支払える。ユーロに替える必要はなかったようだ。
スエーデンまでこの船で一夜を明かす。
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北欧へ

2019-06-06 02:36:07 | 海外
今日は欧州へ最短で到達する玄関口、ヘルシンキへ、10時間弱の飛行で、確かに楽だ。この直行便は人気が出ているようで、満席の状態だった。
10時でも明るく、人々は仕事を済ませて日光浴やプールで楽しみ、カフェで一杯やっている。

珍しい礼拝堂を、発見した。楕円形をした木製の礼拝堂で、中に入ってさらに驚いたのは柱が1本もない。卵型に曲げた木材を積み上げて巨大な空間としている。こうした建築物に初めて遭遇した。さすがは森の国フィンランドである。
カンピ礼拝堂


こちらは伝統のあるウスペンスキー大聖堂


ヘルシンキ湾


高級カフェも、深夜まで賑わう。

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昭島の蛍

2019-06-04 14:45:53 | 昭島
この季節の風物詩、蛍が舞い始めた。場所は多摩川べりの大神水辺の散歩道(バス停大神下車)、友人がリーダーシップを取り、昭和59年から手掛けてきた蛍復活の成果で、幻想的な体験が出来る。ここの蛍人間を怖がること無く、近づいてくるので感激する。
 
大神水辺の散歩道は平成17年の3月に市制50周年の記念事業の一環として、立川崖線の豊かな緑と立川堀の水が存在する自然環境に恵まれた散歩道が整備された。それを機に「大神水辺の散歩道の会」を竹村茂己さんが立ち上げ、ホタルの保護育成活動を引き継いだ。ホタル、特に源氏ボタルにとって住みやすい環境作りの為の川の清掃や草刈り、餌になるカワニナの保護(鯉などを近づけないなど)毎年苦労の連続とのことです。4月上旬に蛍の幼虫(この時点で既にお尻が光る)が上陸を確認すると、今年も蛍が飛ぶことが確認出来るので1年間で一番ホットする瞬間と嬉しそうに竹村さんは語る。
 
かつて昭和30年代は玉川上水で育った蛍が蚊帳の外まで飛んできて感激したものですが、そういった風景は消えてしまい、蛍を見たことがないという方もおられ、「教えてと言われ」この時期になると「蛍出てます」と電話をしている。
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理想の椅子を求めて

2019-06-02 23:12:33 | 生活
本日、私が会長を務める高校の昭島支部同窓会があり、同窓の後輩竹野節子さん(昭島市拝島町でく工房社長)より講演していただいた。1974年創業のでく工房、身障者や高齢者が寝たきりにならない特殊な椅子を開発してきた。当初は受注個別生産のため十数万もコストがかかり、親の負担が大変だったが今では国の補助が受けられ、身障者は1割負担で求められる。車いす用のものも含め、かなりの種類を受注生産している。
 
社長の夫が急逝してからは竹野さんが社長となり、苦労の連続だった。身障者用の椅子の技術を応用し、理想の椅子を追求し、健常者も腰痛予防に開発したのがペルチェアだ。骨盤矯正にも役立ちこちらはもっぱら高齢者用の椅子となっている。各個人のサイズに合わせるのでやや面倒だが、総会参加者も座ってみてそのフィット感を確かめていた。
正しい姿勢が良いというのは解っていても、いつの間にか背中が反ってしまうか、猫背になってしまう。それを椅子によって防ぐところがみそだ。
 
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