「コリン・ローズの加速学習法実践テキスト」を見てみますと(昨日の今日ですよ。アマゾンさん仕事速いです)、
←どのグラフがどのくらいうさんくさいかって鼻が利くのも大事なこと
…ありました。「次の図は、テキサス大学のヴァーノン・マグネセン博士が行った、記憶に関する研究でわかったことをまとめたものです。」とあり、その図は、まさにネット上で流布しているものです。参照は、もちろんついていませんが、原書にもついていなかったかどうかまではわかりません。さすがにこのために(二万いくらとかでアマゾンにも出てましたが)原書買う気はしないし(^^;;
この本はずいぶん売れたもののようですから、「テキサス大学のヴァーノン・マグネセン博士」のソースはこれでしょう。それにしても、コリン・ローズさんが意図的に「博士」をくっつけちゃったのか、勘違いなのか「ちょっとだけ」気になりますが…
この本自体は、別にトンデモ本というわけではなく、学習を進めるためのノウハウ本としてとてもよくまとまっていて、ちゃんと役に立つことが書いてあります。ただ、科学的根拠を示すとかそういうノリの本ではないというだけのことです。
実際、この図を提示しておいて、「何かを学習することと記憶することは、同じではありませんが、その意味するところは明らかでしょう。」とさらっと流し、そしていろんな感覚を総動員した記憶方法の紹介に続いています。その後、「あなたに合った感覚を見つけよう」という項目があり、視覚・聴覚・身体のどの感覚優位でものごとに当たるタイプなのかを判断するための表や、それを活用する方法について述べられています。とってもまともです。
でもとにかく、コリン・ローズさんがまともな「使える」学習法を提唱してるにしても、ここにある怪しげな「学術データ?」は引用するほど信頼のおけるもんじゃなさそうです。そんなことはどうでもよさそうな本ですし。ところがそれが、ぐるぐるとコピペされて世の中を流れていくんですよね。ねぇマグネセン「博士」。
本国アメリカでも、このデータ(?)は、止めようのないほど流布しているのですが、でもそれはVernon Magnesenじゃないようです(この名前で検索しても出できませんからね)。
そのあたりのことについて参考になるページがありました:
「People remember 10%, 20%...Oh Really?」
この人は、例のあのグラフに出くわしたときに疑問を持ち、それがピッツバーグ大学のDr. Michelene Chiの研究となっていたので、その人に問い合わせたのです。そしたら、「そんなグラフは見たこともないわ」とのことで(笑)
どうやら1960年代後半からこのデータが出回っていて、人の名前やらデータにはいくつかのバリエーションがあるようですが、ともかく元となる研究は見つからないのです。「Where the Numbers Came From」以下で、この数字がそもそもどこから来たのかを追いかけているのですが、どうも定性的な学習モデル(実験結果ではなく)を誰かがどこかで数字に書き換えたみたい。
真相は今となっては誰にもわからないかも…
ま、とにかく。
水の結晶に教えてもらわなくたって、挨拶は気持ちよくしたらいいし、
ゲーム脳の実験をしなくたって、ゲームをしすぎないように家のルールを決めたらいいし、
ナントカ博士の実験結果がなくたって、自分に合った暗記法を探せばいいんです。
いいたいことは、えせ科学の力を借りずにいえばいい。
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…ありました。「次の図は、テキサス大学のヴァーノン・マグネセン博士が行った、記憶に関する研究でわかったことをまとめたものです。」とあり、その図は、まさにネット上で流布しているものです。参照は、もちろんついていませんが、原書にもついていなかったかどうかまではわかりません。さすがにこのために(二万いくらとかでアマゾンにも出てましたが)原書買う気はしないし(^^;;
この本はずいぶん売れたもののようですから、「テキサス大学のヴァーノン・マグネセン博士」のソースはこれでしょう。それにしても、コリン・ローズさんが意図的に「博士」をくっつけちゃったのか、勘違いなのか「ちょっとだけ」気になりますが…
この本自体は、別にトンデモ本というわけではなく、学習を進めるためのノウハウ本としてとてもよくまとまっていて、ちゃんと役に立つことが書いてあります。ただ、科学的根拠を示すとかそういうノリの本ではないというだけのことです。
実際、この図を提示しておいて、「何かを学習することと記憶することは、同じではありませんが、その意味するところは明らかでしょう。」とさらっと流し、そしていろんな感覚を総動員した記憶方法の紹介に続いています。その後、「あなたに合った感覚を見つけよう」という項目があり、視覚・聴覚・身体のどの感覚優位でものごとに当たるタイプなのかを判断するための表や、それを活用する方法について述べられています。とってもまともです。
でもとにかく、コリン・ローズさんがまともな「使える」学習法を提唱してるにしても、ここにある怪しげな「学術データ?」は引用するほど信頼のおけるもんじゃなさそうです。そんなことはどうでもよさそうな本ですし。ところがそれが、ぐるぐるとコピペされて世の中を流れていくんですよね。ねぇマグネセン「博士」。
本国アメリカでも、このデータ(?)は、止めようのないほど流布しているのですが、でもそれはVernon Magnesenじゃないようです(この名前で検索しても出できませんからね)。
そのあたりのことについて参考になるページがありました:
「People remember 10%, 20%...Oh Really?」
この人は、例のあのグラフに出くわしたときに疑問を持ち、それがピッツバーグ大学のDr. Michelene Chiの研究となっていたので、その人に問い合わせたのです。そしたら、「そんなグラフは見たこともないわ」とのことで(笑)
どうやら1960年代後半からこのデータが出回っていて、人の名前やらデータにはいくつかのバリエーションがあるようですが、ともかく元となる研究は見つからないのです。「Where the Numbers Came From」以下で、この数字がそもそもどこから来たのかを追いかけているのですが、どうも定性的な学習モデル(実験結果ではなく)を誰かがどこかで数字に書き換えたみたい。
真相は今となっては誰にもわからないかも…
ま、とにかく。
水の結晶に教えてもらわなくたって、挨拶は気持ちよくしたらいいし、
ゲーム脳の実験をしなくたって、ゲームをしすぎないように家のルールを決めたらいいし、
ナントカ博士の実験結果がなくたって、自分に合った暗記法を探せばいいんです。
いいたいことは、えせ科学の力を借りずにいえばいい。
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でも「ん?? そんなデータ、いったいどうやったら出るの??」とか「その研究怪しい~」とか、そういうことはいずれわかるようになってほしいものです。
> どのくらい関連するエピソードとかとっかかりを
> 持っているかに掛っていると思います。
関連するデータをからめるってことは、記憶には(特に大人の記憶には)非常に重要な役割を持っていると思いますが、たとえば無意味な数字列を暗記させるような実験に比べれば組みにくいでしょうね。
その根拠を追求してここまでたどり着いた行動力はすばらしい。
まあ、記憶術については、各自で自分に合った方法を見つけようという中受ブログの結論にならざるをえないと思います。
あることを知っているというのは、そのことに関するストーリーを語れるということだと思いますので、どのくらい関連するエピソードとかとっかかりを持っているかに掛っていると思います。特にある程度以上の年齢になれば。