昔はともかく、今は王都に続く街道も整備されている。
だから、一人旅もそれほど危険ではないと聞いていた。
ハリーは自分の進路、それに退路を塞ぐ男二人を確認しながら、そんなことを考える。
「とにかく小僧、お前が誰なのかはもうバレているんだ。大人しく出すものを出して貰おうか」
そんな台詞と共に、極めて偉そうな態度で右手を突き出してきたのは年の頃二十歳半ばほどの、一見すると優男だった。目付きも言動も荒いが元々の育ちは悪くないのかも知れないなどと、思わず場違いなことを考えてしまうハリー。
「ああ、ひょっとしてビビってるのか小僧?」
返事もせず、かと言って逃げようともしない態度に苛立ったのか男は声を荒げて凄んでくる。仕方ないのでハリーは口を開いた。
「私に一体、何の御用でしょうか」
「だから言ってるだろうが小僧!お前の持っている王都への召喚状を寄越せと言っているんだよ!」
素直に寄越せば手荒な真似はしないと続ける男に対して、極めて冷ややかな視線を向けるばかりのハリー。
だから、一人旅もそれほど危険ではないと聞いていた。
ハリーは自分の進路、それに退路を塞ぐ男二人を確認しながら、そんなことを考える。
「とにかく小僧、お前が誰なのかはもうバレているんだ。大人しく出すものを出して貰おうか」
そんな台詞と共に、極めて偉そうな態度で右手を突き出してきたのは年の頃二十歳半ばほどの、一見すると優男だった。目付きも言動も荒いが元々の育ちは悪くないのかも知れないなどと、思わず場違いなことを考えてしまうハリー。
「ああ、ひょっとしてビビってるのか小僧?」
返事もせず、かと言って逃げようともしない態度に苛立ったのか男は声を荒げて凄んでくる。仕方ないのでハリーは口を開いた。
「私に一体、何の御用でしょうか」
「だから言ってるだろうが小僧!お前の持っている王都への召喚状を寄越せと言っているんだよ!」
素直に寄越せば手荒な真似はしないと続ける男に対して、極めて冷ややかな視線を向けるばかりのハリー。