カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

戦闘

2017-01-31 23:18:10 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『郵便局』を舞台に、『銀色』と『右手』と『首飾り』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 まだ鬼ごっこを続けるつもりかい?と近付いてきた銀色の蒸気装甲兵姿の奴に、やはり博士が用意した漆黒の装甲を纏った俺が攻撃を掛けると、一瞬だけ不意を突かれた奴は確かに笑った。それからの一騎打ちは暫くの間文字通り一進一退だったが、やがて操縦経験の差から奴が有利となり、俺の装甲は右腕が派手に吹き飛んで地に転がされる。
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作戦

2017-01-30 22:27:24 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『猫カフェ』を舞台に、『靴紐』と『短剣』と『数学』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 猫科の獣を思わせる敏捷な動きで追いかけてきた奴に向かって俺は煙幕弾を投げ付ける、時間稼ぎにしかならないのは承知の上だが今はその僅かな時間がどんな宝石より貴重なのだ。御嶽丸の追尾機能からアイツの居場所がある程度割り出せていた今回の突入に関しては、俺も出来うる限りに様々な準備を揃えているつもりだった。勿論、奴の狂気と装備の前では万端とは言い難かったのだが。
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決意

2017-01-27 20:33:36 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『殺人現場』を舞台に、『古本』と『オルガン』と『鳥籠』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 今更ながらに思い出すのは少年時代の奴。いつも儚く寂しげな雰囲気を纏いつつ、信じられない程に澄んだ手風琴の曲を奏でながら、同じ指で煩いと籠の中の小鳥を捻り潰していた姿。結局、その頃から俺を含めた誰一人として奴の歪みを正すことは出来なかったのだ。
 だからこそ、俺は覚悟を決めてその場から全力で走り出した。
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白紙

2017-01-26 22:52:59 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『真冬』を舞台に、『愛憎』と『奇術』と『靴下』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 もう一度仕切り直したら僕はようやく君になれる。そうて君は僕の最大の好敵手として帝都の闇を駆ける蒸気魔人となるんだと笑う奴に、あくまで念の為だが仕切り直しとはどういう意味だと俺が問うと、君と僕と、それにあの子を除いて舞台と登場人物を残らず初期化して物語をやり直すんだよと答えやがった。つまりコイツは突入した警官隊も、騙して雇い入れた挙げ句に薬漬けにした連中も一人残らず処分するつもりでいるのだ。
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酸鼻

2017-01-25 21:30:10 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『玄関』を舞台に、『コーヒー』と『刑事』と『キャベツ』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 一斉射撃をものともせずに悠々と警官隊に近付いた蒸気装甲兵は、極めて無造作な動きのまま次々と警官達を肉塊に変えていった。狂ったような発砲音と悲鳴混じりの怒号、そして飛び散る赤黒い飛沫で現場は地獄絵図と化す。そして奴は何も出来ぬまま呆然と立ち尽していた俺に向かって、大丈夫、君は殺さないよと笑って告げる。
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窮鼠

2017-01-24 21:29:35 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『大正時代』を舞台に、『復讐』と『大皿』と『大岩』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 頭のいかれた犯罪者に一人で立ち向かうほど馬鹿じゃないつもりだぞと俺が言い捨てると、警官隊に囲まれた奴はいかにも心外そうに周囲を見回してから仕方ないねと溜息を吐いた。直後に腕を縛っていたシャツを外した奴が何かを床に叩き付けると周囲は煙幕に覆われる。やがて現れたのは蒸気装甲を身に纏う奴の姿だった。
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介入

2017-01-23 23:03:06 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『病院』を舞台に、『味噌汁』と『張り紙』と『奪取』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 お前は俺の手に負える相手じゃ無いというのが判ったと言うと、奴はさも心外そうにそれじゃ困る、君には私の好敵手である蒸気魔人として帝都をいつまでも騒がせていて欲しいんだとぬかしやがった。奴から奪い取っておいた鍵でアイツの戒めを解きながら、俺は既に感情の失せ果てた口調で遊びは終わりだと宣言する。直後に邸内に響きわたる警笛と怒号。
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憔悴

2017-01-20 23:56:56 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『遺跡』を舞台に、『愛憎』と『火』と『窓』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。
  
 壁に鎖に繋がれ傍らの蒸気犬に爪と牙、それに吠え声によって絶えず脅かされ続けていたらしいアイツは俺の姿を見ても暫く反応しなかった。だから御嶽丸で蒸気犬を威嚇しながら思い切り大きな声で名を呼ぶと、ようやく気付いたように先生と掠れた声で呻く。怒りで表情をなくした俺に奴はこの子もボク達の物語には大切な駒だからねと嗤った。
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断絶

2017-01-19 21:48:57 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『荒野』を舞台に、『帽子』と『笑顔』と『運河』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 貴様の目的は何だと俺が叫ぶと奴は極めて心外そうに、だから言っただろう、君と僕が帝都を舞台に華々しく戦うんだ、そしていずれ蒸気魔人と名探偵の物語は伝説となるのさと答えた。この時点で俺は奴が完璧に俺とは違った世界に生きているのだと見切りを付けざるを得なない。俺は別に伝説を打ち立てたくて探偵をやっている訳では無いのだから。それに、そんな逝かれた世界にアイツを巻き込む訳にはいかない、絶対にだ。
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案内

2017-01-18 20:14:11 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『路面電車』を舞台に、『靴底』と『ペン』と『沸騰』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 その不愉快な笑顔を思い切り蹴り飛ばしてから靴底で踏みにじってやりたい衝動を何とか抑えつつ、アイツは何処にいると奴の襟首を掴んで激しく揺さぶると、奴は相変わらず大してダメージを受けた風も無く、知りたいなら案内するけど付いてくるかいと問うてきた。念のためにシャツで腕を縛ってから促すと、複雑な屋敷内の通路を迷い無く歩き出す。
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