カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

幻の英雄

2016-03-31 00:25:20 | 依頼です、物書きさん。
泣き方を忘れたネトゲ廃人と金髪碧眼の幼子が、人生を賭けたゲームをする話

 現実世界に何一つ面白い事がないのでネトゲの世界に癒やしを求めた俺は、自分が作った金髪碧眼の少年キャラで世界を渡り歩き、数々の伝説を造り上げた。そうやって英雄となった俺のキャラは様々なプレイヤーに慕われ、或いは憎まれ、伝説は更に深く広く語り継がれてていく。しかし、ログアウトして現実世界に戻った俺は、誰にも顧みられない無能な一般人でしかなくなるのだ。
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必然の騒動は突然に

2016-03-30 01:21:54 | 依頼です、物書きさん。
大切な事に限って間違ってしまう学生と異常に人目を気にするチンピラと、出所不明の「血塗れた札束」の話

 ぶつかった相手と鞄を取り違えてしまったと気付いた僕は、とにかく持ち主の身元を確認しようと開いた鞄の中に赤黒く染まった札束が入っていて、コレは警察案件かと悩んでいるとスマホが鳴った。非通知だったが出てみると鞄を拾ったので渡したいと場所を指定された。

 当然ながら、その後は凄いことになった。
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懲りない男

2016-03-29 23:14:11 | 依頼です、物書きさん。
悪趣味な浮気男と自称「サンタクロース」の男とのハートフルボッコな物語

 彼女に振られたと友人に泣きついたら、お前は顔は良いけど性格とプレゼントのセンスが最悪だからなと笑われた。大体同じサークルの女を二股掛けておいて「いずれ本物をプレゼントするよ」と全く同じおもちゃの指輪を贈って問題にならないと思ったのかと呆れられた。せめて別のデザインにするべきだったかと答えたら、いっそ刺されてしまえと殴られた。
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仮面の男

2016-03-28 00:26:28 | 依頼です、物書きさん。
顔を隠して生活する画家と健康的でいやに行動力のあるニートが別れるまでの話

 ある漫画で主人公が産まれる前に顔を怪我して以降、仮面を被って生活していた亡父を持つ少年と母親に纏わるがあるが、僕と叔父は最近までそれに近い関係だった。火傷の治療が終わるまで仮面姿で生活する画家の叔父の代わりに買い物をしたりするのが、当時ちょうど学校にも仕事にも縁の無い生活をしていた僕の役目で、それは叔父の治療が終わるまで続いた。
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一か八かにも程がある

2016-03-25 20:09:00 | 依頼です、物書きさん。
信心深い教師と過剰に責任感のあるギャンブラーが、強制的に運命共同体になってしまう話

 彼の借金は私が払いますと断言した恩師に、借金取りがアンタそんなに金を持ってるのかと尋ねると、現在の持ち合わせは乏しいですが私には神のご加護がありますと真顔で胸を張り、自分を賭場に連れて行くよう要求してきた。

 そんなわけで俺は自分の借金だけでなく恩師の身柄の安全に関わる心労まで抱え込んで賭けに臨むことになった。
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さよならの前に

2016-03-24 18:54:36 | 依頼です、物書きさん。
泣き方を忘れた霊感男と迷子の青年との365分の1日の物語

 人は死なない。ただ、手の届かない世界に行ってしまうだけだ。
 子どもの頃から幾多の死者が旅立っていくのを見送って来た結果、いつしかそう思うようになっていた俺も、流石に兄貴の突然死には平静でいられなかった。ましてや兄貴がどういう理由か現世に留まっていると知っては放置しておくわけにもいかず、俺は死んだ兄貴の成仏を賭けて幽霊になった当の兄貴と一緒にあちらこちらを駈けずり回ることになった。なお、タイムリミットは四十九日が終わるまで、つまり明日だ。
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幸せを探して

2016-03-23 00:53:12 | 依頼です、物書きさん。
下らないことだけに異常に熱心なチャラ男と我がままだけど頼りになる野良が泣けるほど愛し愛される話

 子どもの頃から四つ葉を集めるのが好きでクローバーの茂みが在るとつい覗き込んでしまう俺だが、最近職質を受けて以来さすがに人目が気になるようになって来た。そんなある日、猫の鳴き声に顔を向けると、そこにはクローバーの茂みに座った野良と思しき薄汚い猫がいて、以来そいつは俺の四つ葉のクローバー探しの相棒になった。
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猶予期間という蜜月

2016-03-22 00:24:26 | 依頼です、物書きさん。
生きることに不真面目な受験生と自ら首輪に繋がれることを望んだ男、二人にとって余りにも短かった数年間のお話

 借金のカタに働くことになりましたと自己紹介してきた家庭教師を気に入ったオレは、従業を真面目に受けて模試で好成績をマークしながら受験に失敗することを繰り返した。結果としてオレの両親から散々突き上げられたヤツが私のせいですと首を括ろうとしたので、慌てたオレは今度はちゃんと合格して、だからオレと彼の時間はその年で終わった。
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ひとりぼっちの兄さん

2016-03-21 01:06:17 | 依頼です、物書きさん。
自分勝手に生きている子どもと血の繋がりのない弟の「もしも」が現実になる話

 突然の訃報が理由で遊びに行くという約束を反故にされたと起こった兄さんは、母さんを庇った僕に向かってみんないなくなってしまえば良いんだと叫んだ。だから僕は『兄さんが望むならそうなるよ』と答えた。そして僕は母さんと一緒に泊まりがけでお婆ちゃんの葬式に行き、父さんは仕事に行ってしまって兄さんは一人になった。
 一人になった兄さんが何を思ったのか、僕は知らない。
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レストラン・カルフォルニア

2016-03-18 00:24:22 | 依頼です、物書きさん。
平等主義の料理人と嫌味で心配性で粘着質な幼馴染み、二人の「エゴ」が愛になる話

 あいつが料理人として働く店に通い詰めながら料理の味や値段について思い付くまま文句を言い続けたら、安くても旨い物は作れるが味のレベルを上げたければ良い素材を厳選しないと不可能で良い素材は大概高価だ、大体私は貴方の為に料理している訳じゃないと答えが返ってきたので、それならこれからは俺の為だけに料理を作ってくれと指輪を差し出してやった。
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