古道具市で月のランプを買った。今は稀少となった月齢一巡り分の月光を浴びせた月晶石を加工したという、淡い銀色の光を放つ純正品だ。ただし、純正品であるが故に新月時には真っ暗になるので太陽のランプも一緒に買うように勧められた。これも夜光石を使った稀少品だが、日の入りから日の出まで橙色の灯りを消すことが出来ない。
自然の力を利用し、自然のままに輝く光と人間が共存できなくなった時代となって久しいと、古道具屋は言った。
自然の力を利用し、自然のままに輝く光と人間が共存できなくなった時代となって久しいと、古道具屋は言った。