カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

「水」「砂時計」「人工の大学」ジャンル「大衆小説」より・かみさまを捜して(嘘予告編)

2014-11-27 21:13:23 | 三題噺
 遙か未来。
 人類がとうに滅び、地上の覇権は人類が作り上げた機械生命体に取って代わられた時代。

 機械の体を持つ少年は、かつては人間達の教育施設だったらしい遺跡で一人の少女に出会う。
 だが、少女は血の通った柔らかい肉体の持ち主だった。


「わたしの名前はニアよ、貴方はなんて言うの?」


 神のいるという地を目指すニアと共に都市部を離れ、危険な『外界(アウター)』を旅することになった少年は、やがてその旅がニアという少女のみならず、世界の秘密を探る旅であることに気付く。


「ニア、この干涸らびた死体は君に似ていないかい?」


 そして辿り着いた『神の地』で二人が見つけたのは、残酷すぎる現実と逃れようのない運命だった。


「教えてやろう、その娘の正体を」




 かみさまを捜して、近日公開(嘘です)。

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「赤色」「狼」「壊れた城」ジャンル「恋愛小説」より・三人寄ればComing Soon

2014-11-26 19:28:28 | 三題噺
 付近住民に懇願され、荒れ果てた古城に棲みついた吸血鬼を退治しようと現れたバンパイアハンター。
 その美貌に一目惚れした吸血鬼に対して、当の美女はせせら笑いながら眼前で狼に変身してみせる。だが狼と化した元美女を暫くの間声もなく見詰めたあと、吸血鬼は絞り出すように呟いた。
「なんと美しい」

 結局、心優しいフランケンシュタインが現れるまで、その地方は吸血鬼と狼に支配され、人々は苦難と忍従の日々を強いられることになった。

 問題
 文中に登場するミイラを指摘せよ(10点)。
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「サンタ」「団体」「イメージ」より・レインボー戦隊サンタ

2014-11-24 15:22:35 | 突発お題
 数年前、ギフトブリンガー(意味は「贈り物をもたらすもの」)の最大手であらせられる、初代サンタクロースこと聖ニコラウスがお召しになっていた司祭服は別に赤い色とは限らないと知った若い衆が『それならアリだろう』と好き勝手な色のサンタ服を仕立てた事が配送の当日に判明して大騒ぎになった。

 どうしたものかと最長老にお伺いを立てると、サンタにとって第一に考えることはプレゼントの定時配送だと仰った後、『それに……』と何かを言い淀まれたが、とにかく時間が差し迫っていたので、その年は色とりどりのサンタが世界各地を回ることになった。

 そして、人々が見慣れた赤いサンタ以外は不審者とされ、プレゼントの受け取り拒否をされるもの有り、ニンニクをぶつけられるもの有り、甚だしいケースでは対空砲で狙撃されそうになったりと散々な目に遭ったらしい。実はかつて現在のサンタの制服が決まる以前は頻繁に似たような騒動が発生していて、識別しやすい赤い制服も誤認防止のためにに制定されたのだが、それを若い衆は知らなかったのだ。

 さすがに懲りたらしい若い衆はそれ以降仕事で赤い色以外の仕事服を着ることは無かったが、次の年から配送終了後に行われる忘年会の宴会において、色とりどりのサンタ服に身を包んだ集団がポーズを付けながら名乗りを上げるのが定番芸となった。
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「業者」「山際」「和解」より・ホントにあった薄ら寒い話

2014-11-23 21:05:50 | 突発お題
 むかしむかし、友人の伝手でこの町に引っ越すことになったとき。
 ○○○(地名)付近は部屋を借りるなと忠告を受けた。

 地元民が断言するならと心に留め置いて不動産業者に赴き、住居希望地区と予算を告げると、業者は渋い顔をしてから「その地区でその予算はキツい、場所も近いし○○○にしないか?」と言ってきた。友人の忠告を忘れていなかった私は当然却下したのだが、とにかくしつこく勧めてくる。その態度で更に危機感を覚えた私が相当に強硬な口調で断ると、今度は「どうしてそこまで○○○が駄目なんですか?」と、相手が相手なら即刻契約破棄ものの地雷発言をしてきたので、つい目だけは笑わぬ笑顔でこう答えた。

「嫌だなー、そんなの私よりも不動産業者さんの方が良く理由を判っている筈じゃないですかー」

 単なるはったりだったのだが、以降は担当業者も無駄口を慎むかのように黙り込み、私が暮らす新しい部屋は○○○地区以外の場所に決まった。後に自分で確認したところ、○○○地区は駅に近い割に道路事情が良くない上、イロイロと怪しい噂がある場所だった。

 なお、安さ重視で借りた新居では白黒取り混ぜた蟻にえらい目に遭わされた上、酒盛りで騒いだり借金を申し込んできたり夜中に絶叫するような隣人達に悩まされることになったのだが、コレはまた別の話。

 
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「願い」「星」「天使」より・天の星は地上の標

2014-11-08 22:11:17 | 突発お題
 天使たちを構成する物質ががそうであるように、人が抱く純粋な願いはとても澄んでいて軽いので、その軽さ故に天に昇っていく。
 やがて、白い雲の高さでも消えずにたゆたう願いを天使たちが結晶化して宙に放してやると、星となった願いは闇の只中で様々な光を放ちながら煌めき、神様を喜ばせる。
 そして人は、星となった願いを標に地上を進みながら、時折決して手の届かない高さの輝きに涙するのだ。
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