カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

旅路その98・魚料理の理由

2019-10-31 19:41:39 | 旅人の記録
たかあきは花月の荘園に辿り着きました。名所は名刹、名物は魚料理だそうです。

 その土地にある名刹で修行するものは魚食が禁じらtれていない。何でも飢えて動けなくなっていた坊さんを見かねた土地のものが焼いた魚を分けてやった時に坊さんが生臭だからと遠慮すると、コレは木の葉だから坊さんでも食えると言い張って食べさせて以来の事だそうだが、色々と微笑ましい話ではある。
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骨董品に関する物語・オパールセントガラスの塩入れとボンボニエール

2019-10-31 19:22:49 | 旅人の記録

 錬金術課題でオパールの游色が煌めく優雅なガラス製の塩入れを完成させた友人が、容器に入れた塩まで虹色に輝くようになるのだが大丈夫だろうかと尋ねてきた。塩味のままなら大丈夫だろうと投げやりに答えると、実は菓子壺に入れた飴玉も虹色になったと言うので自分で処理しろと見捨てた。
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骨董品に関する物語・箱入りの祈祷書

2019-10-29 21:25:29 | 突発お題

 ずっと僕が憧れていた函入りの豪華な祈祷書は持ち主の彼の棺に入れられた。それなのに彼が僕に遺した形見分けの品は憧れていた祈祷書と全く同じもので、僕は呆然としながら品物を確かめる。どうも祈祷書は最初から二冊あったようだが、何故か彼はその二冊を毎日交代で一冊ずつ携えていたらしい。なお、残された方は記名のスペルが彼の名前と違っていた。
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旅路その97・不穏の林檎種(アップルシード)

2019-10-29 20:27:44 | 旅人の記録
たかあきは熱月の観光地に辿り着きました。名所は公園広場、名物は果物だそうです。
 
 駅前公園広場の至る所に植えられた林檎樹の背は高く、たわわに実る果実にはとても手が届かない。これじゃ林檎狩りも梯子に登ってするのかしらと不安がる彼女に、林檎狩り用の樹は背が低いから大丈夫だよと言うと、なら此処の樹も低くすればいいのにと言われてちょっとだけ二人の道行きに不安を覚えた。
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旅路その96・おしまいのはじまり

2019-10-28 21:20:10 | 旅人の記録
たかあきは風月の都会に辿り着きました。名所は特に無し、名物は貝料理だそうです。

 遠距離恋愛中の彼から話があるので此方に来てくれと言われ、確かに話をする必要があると思った私は新幹線と電車を乗り継いで彼の元に向かった。結局彼の用事とは寂しかったから会って話をしたかったのだと笑顔で言われ、嫌いだと何度も言った牡蠣尽くしの料理を勧められた直後、私は自分の話を始めた。

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旅路その95・畑の肉

2019-10-27 22:38:57 | 旅人の記録
たかあきは東国の観光地に辿り着きました。名所は名刹、名物は肉料理だそうです。

 でかくて歴史ある寺があるせいなのか、この街の名物は大豆肉料理なのだそうだ。肉より割高で肉より不味い偽肉料理は俺の口には合わなかったが、半ば嫌がらせで土産品として買ってきた大豆肉は健康に良さげだと言う理由で友人間で好評だった。ちなみにどいつもこいつも大量の肉と一緒に調理したらしい。
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秋の創作怪談・乗り換えた結果

2019-10-27 16:12:53 | 突発お題

 今まで使ってたヤツがマトモに働けないようになったからサッサと捨てて新しいのに乗り換えたら、ソイツの具合が良すぎて思う存分こき使っていたら、月末にスゲー額の請求書が届いた。

 いや洗濯機と水道料金の話だから。
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骨董品に関する物語・天文系のガラススライド

2019-10-26 20:50:19 | 突発お題

 画家の兄が冗談でガラススライドに描いた架空の惑星について、僕も冗談で名称や性質などの詳細をそれらしく捏造して講義の最後にあくまで架空のものとして受講生たちに話して聞かせたら、何故か発見を極秘にされている未知の惑星と勘違いされて一騒動になり、終いには天文台から詳細確認の連絡が入ってきた。
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旅路その94・角のない鬼と裂けた果実

2019-10-26 16:43:54 | 旅人の記録
たかあきは実月のド辺境に辿り着きました。名所は神社、名物は果物だそうです。

 実は一般的な母親という存在に心当たりが無いので、とりあえず鬼子母神を信仰している。ちなみに鬼子母神に捧げる果実と言えはザクロで血の味がするとも言われるが、むしろ肉が裂けて開き、その中身を覗かせる様が柘榴を思わせるのではないかと、嘗て自分が負わされた傷跡を見るたびに思うのだった。
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旅路その93・荒野の果実

2019-10-23 19:18:28 | 旅人の記録
たかあきは熱月の廃墟に辿り着きました。名所は個人の邸宅、名物は野菜料理だそうです。

 いずれはこんな場所で朽ち果てたいなどと物騒なことをぬかしながら廃墟に引っ越した奴は、意外に元気そうに見えた。何でもこの荒地の石と石の狭間から芽吹いて鮮やかな葉を茂らせ、小さな赤い実を実らせる植物を常食しているからだと俺にも勧めてきたが、奴の緑色の肌に気付かぬふりをして断った。
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