カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

嘲笑

2017-01-17 21:04:48 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『殺人現場』を舞台に、『仇』と『釣り』と『反逆』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 自分で自分を焼かせた背中の傷を痛がる風も見せない奴に苛立ちと不気味さを感じながら、俺は奴を邪魔が入らない部屋に引きずり込んだ。扉の鍵を掛けてから長年の疑問、つまり何故俺の家族を殺したのかと奴に問う。すると奴は僕の人生を仕切り直そうとしただけだよ、君に邪魔されて実行が遅れたけどねと答え、俺が怒りのあまり銃を向けると、僕が今ここで死んだらあの子も死ぬよと囁いて嗤った。
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反撃

2017-01-16 23:08:47 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『猫カフェ』を舞台に、『渡り鳥』と『眼鏡』と『司書』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 俺の頬に鉤爪を当てた直後、いきなり部屋に飛び込んできて激しく吠え立ててきた蒸気犬の姿に奴は眉を顰める。そして吠えるのを止めろ黒雪丸と奴が命令するのと殆ど同時に俺は蒸気犬に向かって合図を送り、蒸気犬は迷わず奴に飛びかかって奴を引き倒す。そのまま俺を押さえていた男達に体当たりを仕掛ける蒸気犬御嶽丸。普段は猫好きの俺だが、こう言う時は蒸気犬の戦闘の雨量が頼もしい限りだ。
「お前がアイツを御岳丸そっくりの蒸気犬で騙したのなら、同じ手でお前を騙そうとする相手のことを想定するべきだったな!」
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創傷

2017-01-13 22:38:38 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『図書室』を舞台に、『自転車』と『楽譜』と『呼吸』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 だからきちんと準備をしないと、奴が笑顔のままそう続けると俺はいきなり現れた眼に光の無い男達に数人がかりで押さえ付けられ、無理矢理シャツを剥がされた。奴は露わになった背中の火傷を見ながら結構大きく跡が残っているねと呟いて自分もシャツを脱ぎ、傍らの男に暖炉の火掻き棒を取らせ、指示通りに自分の背中に押し付けさせる。更に肉の焼ける音と匂いに愕然とする俺に向かって鉤爪を向けてくると、今度は君の顔の傷だと笑った。
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幻想

2017-01-12 22:05:43 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『真冬』を舞台に、『靴紐』と『火』と『錯覚』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 どうしてコイツの笑顔は邪気も無いのにここまで冷たいのだろう。そんな事を考える俺の前で奴は笑顔を崩さぬまま、でも君が自分から来てくれて良かった、これで準備に取りかかれると言葉を続けた。何をするつもりだと尋ねると、君と僕以外は何も変わらないよ。そして名探偵と彼を助ける探偵助手、そして名探偵の宿敵である蒸気魔人は帝都を舞台に何度でも戦いを繰り広げるのさと言い切った。
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散華

2017-01-11 21:58:13 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『桜の下』を舞台に、『茶碗』と『水玉』と『独立』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 家の庭にあった桜が咲いて散るのを繰り返す中、奴はじわじわとアイツを支配しようとして、それは半ば成功した。もし俺が気付かずにいたら完全に成功しただろう。だがそれでも俺以外の家族は奴が危険だと声を張り上げる俺を柔らかく窘めながら奴を長い間信じ続け、特に姉夫婦は恐らく最期の最期まで奴を疑う事無く接し続け、最後には殺されてしまったのだ。
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物語

2017-01-10 23:55:31 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『本の中』を舞台に、『外套』と『縞模様』と『おでん』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 僕には小さい頃からささやかな夢があってね、そんな事を言いながら珈琲カップを片手に奴は微笑む。
 あの雨の日、両親に疎まれ俺の家に連れてこられた外套姿の奴は冷たい雨に濡れながら自らも両親を見限ることを誓い、代わりに俺の家庭に久遠の平穏を求めた。が、どうにも理想とは違うものを感じながら歳月は流れ俺の姉が結婚してアイツが生まれ、その時点で「仕切り直し」の必要を感じたと言う。
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突入

2017-01-09 23:42:45 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『坂道』を舞台に、『竜』と『斜面』と『キャベツ』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 なるべく気付かれずに行動したつもりだったが孤島上陸早々に一番警備が厳重な場所にぶち当たったらしく、あっさり発見された俺は奴の部下と思しき奇妙な程眼に光を感じられない連中によって奴の元に連れて行かれた。どうやら俺を待ち受けていたらしい奴は心から嬉しそうに俺を歓迎したが、アイツの事を訊ねると事も無げに謹慎中だよと答える。それよりお茶でもどうだいと笑う奴の誘いに俺は頷いてみせた。
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本性

2017-01-06 00:54:20 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『地下鉄』を舞台に、『真紅』と『鞄』と『城壁』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 傷のある素顔を晒された後も男の笑顔は変わらなかった。変わらない笑顔のままで私を血が出るまで殴り、そのまま私は容赦のない力で地下室まで引きずって行かれて鎖に繋がれる。良い子に出来ないなら暫くそこで反省するんだと言い残して男が出ていった後、私はようやくあの男が昔から私に躾と称して何度も酷い事を繰り返していたのを思い出していた。

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素顔

2017-01-05 18:19:07 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『汽水域』を舞台に、『レインコート』と『謎解き』と『強風』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 どうして今まで忘れていたのか、どうして今まで思い出す事が出来なかったのか。その答えも私は既に手に入れていた。そのまま足元も荒く邸内を駆け回って見つけたあの男は自室でお茶を飲んでいたが、君もどうだいと笑顔で誘う男に無言のまま駆け寄った私は男の顔に手を掛け、被っていた精巧なマスクをはぎ取った。現れたのは先生とは似ても似つかぬ端正な、でも頬に酷い傷が刻まれた素顔。
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追撃

2017-01-04 01:00:22 | 字書きさんにお題出してみったー
たかあきさん、『青空』を舞台に、『渡り鳥』と『オルガン』と『荒波』の内二つをテーマにして話を書いてみませんか。

 万策尽きた俺が悪魔に魂を売り渡す覚悟で博士の元を尋ねると、何故もっと早く来なかったと怒られた。こちらはこんな事もあろうかと色々開発を進めておったのだぞと言われ、だから来たくなかったんですよという言葉を何とか飲み込む。結局幾つかの目眩を起こしそうな開発品、それに色々と機能を増やした御嶽丸と共に、俺は決戦の地に向かう事になった。
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