カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

竜飼いその61・焦茶色の秘かな報復

2020-08-10 20:22:41 | 幻想世界の竜飼い
たかあきの竜は焦茶色の鉱石オールドドラゴンという品種名です。気性は少し意地悪で、用途は子守りです。

 うちの子守り竜は結構性格が悪い。とは言ってもうちの子供に対してではなく、うちの子供に対して無遠慮に振舞う輩に対してかなり微妙な仕返しをする。はじめは気のせいだと思ったが、度重なる「偶然」に不安を覚えて友人に相談すると、それで結局お前はどうしたいんだという質問に答えられずうやむやになった。
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呪われた王子は過去に蝕まれる

2020-08-09 23:18:10 | 突発お題

 国の式典中に暗殺されかけた王子は傷付けられた剣の呪いで人格破綻を起こし、徐々に野蛮で凶暴な性格に取って代わられるようになった。学友である近衛騎士は師匠の魔導士と共に王子に掛けられた呪いを解くべく旅に出る事にしたが、何故かその旅に王子が強引に同行する。
 時の経過と主に言動の荒い時間が増えていく王子に戸惑いつつも、本質的な部分は変わっていないと信じる近衛騎士と魔導士は、やがて王子暗殺の黒幕、またその真の狙いを知ることになり、更に王子と共に『ある選択』を迫られることになった。
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竜飼いその60・碧空の沈黙

2020-08-08 21:58:31 | 幻想世界の竜飼い
たかあきの竜は碧空の流水竜という品種名です。気性は聡明で、用途はペットです。

 竜は品種によって知能や会話能力に大きな差異がある。うちの竜は飼い主の贔屓目を抜きにしても聡明な個体だと思うが人間の言葉は喋れない。ただ、碧空色の身体をしたうちの竜が水色の瞳をこちらに向ける時、何だか遥かな天空が人の営みを全て見下ろしているのと同じように、こちらの全てを見透かされているのではないかと思う時は、確かにある。
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竜飼いその59・水の廃墟と水の竜

2020-08-02 14:10:07 | 幻想世界の竜飼い
たかあきの竜は紫暗の流水ドラゴンという品種名です。気性は聡明で、用途は仕事の相棒です。

 俺の相棒は何故か人間なのに竜である俺の言葉を理解できる。だから、それを利用して旨い儲け話は無いかと常に考えている様子だが何しろ俺は水竜、水場でなければ大した能力を発揮できない。だが、ある日怪しげな連中から、とある水中建築物に遺された財宝探索を依頼され、その日から俺たちは厄介極まりない面倒事に巻き込まれることになった。
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竜飼いその58・深紅の解体業者

2020-08-01 12:10:51 | 幻想世界の竜飼い
たかあきの竜は真紅色の共鳴ムカシトカゲという品種名です。気性はお調子もので、用途は仕事の相棒です。

 数は少ないが、二足歩行竜の中には人間が手を使うように前脚を操れる個体も存在する。俺の相棒もそうだが、そういう竜は訓練次第で非常に器用な仕事をこなせるようになる。ただし性格が悪戯好きだったりお調子者だったりすると、たまにとんでもない事をやらかそうとする時があるので目は離せない。
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骨董品に関する物語・ヴィクトリア朝初期の遺髪のブローチ

2020-08-01 00:40:35 | 突発お題

 姉は何時だって私より良い物を手に入れて、私がずるいと文句を言うと困ったように笑いながら取り換えてくれた。だから大人になって私が告白した人が私より亜麻色の髪の姉が好きだと断って来た時も私は姉を責め、その結果として一房の髪だけを残して姉を永遠に失うなど考えもしなかった。
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