のち
ときどき
最高気温31度。
水面に浮かんだカヤックから、グィーンと背をそらせて、雨上がりの空をのぞきました。
空の高いところで幾重にもかかる雲、そのスキマから澄んだ青い空も見えています。
やがて晩夏の太陽が、雨に濡れた川べを照らしはじめました。
その光はまだ強く、大気には真夏のけだるい午後をホーフツとさせる暑さがある。
でもそこには、キッパリした涼しい風も時々混じってきます。
それは僕に「真夏の四万十川のぬくい水の中で泳いでいた時に、
岸近くで、突然予期せぬヒンヤリ冷たい水に巻かれて、
うわわっ、ひゃっこい!とビックリした」というデキゴトを思い出させました。
そのスルドク冷たい水は、山から流れこむ伏流水です。
夏の終わりの四万十川は、おだやかにゆったりと流れています。
川の水温も高く、天気が良ければ、まだザブザブと泳げます。
産卵のため川を下るツガニ。
ツガニを捕るカニカゴの浮きが水面でフラフラ揺れています。
夏のユリの花のあとに岸辺をひっそりと彩るのは、オオバギボウシの白い花。
夏のあいだはツヤツヤと緑あざやかだった山々も、今は少し色あせて見えます。
夏が長い南国土佐にも、本格的な秋が少しづつ近づいてきています。