レターフロムS 番外 仁淀川純情? 後編 期間限定公開終了
後編
(前置きが長くなったけど)ようやくパドルを仁淀川の水の流れに入れる。
川面の水温25、5度。
気持ちが高ぶっているのだろう。漕ぎ方がなんとなく、ぎくしゃくしている。
おおきく深呼吸をし、あらためて周囲の景色を見わたす。川からは越知の家並み、学校などが見えた。
周囲の山々より頭ひとつ抜けだしているのは横倉山。
学校の体育の時間かな?橋の上をジャージ姿の高校生が駆けてゆく。
川のうえから「ヤッホー」と声を掛けると、ちよっと驚いた様子で、でも手をふって応えてくれた。
スタートしてしばらくは、川幅がせまく水深が浅い区間が続いた。
水の透明度は高くとてもキレイだ。
「カンゲキ!!」
あまり漕がず、川に手をつけたりロールを繰り返してキレイな水と戯れる。
(ロール:ひっくり返って起き上がって来ること)
残念なのは、水中眼鏡をカヌーに積むのを忘れたこと。 ビールとつまみを忘れたこと。
上流にダムがあり、周囲に小さいとはいえ町があるのに、なんでこんなに川の水がキレイなのか?
あれこれ考えながら下ってゆく。
下ってしまうのがもったいない?
鮎をしゃくるおんちゃん
川は越知町を抜けると、山々の間を縫うように流れて行った。
周囲を山に囲まれた家々が、山肌にへばりつく様に点在している。
山には、ヒノキやスギの植林の濃い緑。シイやカシなど広葉樹の枯れたような緑が混在している。
町のざわめきを離れれば、川は自然のにおいが濃厚になってきた。
瀬があるところには、ポツリ、ポツリと鮎釣り師の姿があった。
下り始めの頃は、川幅も狭く、釣り師に声を掛けたり、話をしたりした。
しかし川幅が広くなってきてからは、大きく流れを迂回したり、
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