「焚き火とさびた観覧車」2011年に書いた旅雑文です。
友人の体験談に、「バイク旅のある日、夜遅く小さな町につき、宿もとれず、
その町外れの無人駅のベンチで寝て、朝、目が覚めたらそこは墓場だった」というのがある。
僕には、霊感ってヤツはまったくないけど、
それでもこれまでに、「ここはなんだかヤバイかも・・」と怪しい雰囲気の場所でキャンプし、
シュラフの中に入ってもざわざわした気配で、あまり眠れなかったことが何度かあります。
そのひとつはある年の、「年越し焚き火キャンプ」。
「話さない方がいいか・・・楽しそうだし・・・」
焚き火にあたりながら僕は、先程の廃墟探検のときにチラリ見えてしまった、
「観覧車の人影」の事については黙っていたほうが良いな、と思った。
その年の大晦日は、大雨のあとの強い風がブウブウと吹いていた。
予定していた海辺のキャンプサイトは、強風に天幕すら張れず予定変更。
日が暮れた暗い山の中に、やみくもに車を走らせた僕らは、
ややあせりつつつも、テントを張れそうな川沿いの広場を、やっと見つけた。
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