あるBOX(改)

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ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バッドカンパニーのアルバム・レビュー(12)

2005年11月28日 | CD紹介(バドカン)
70年代も中期に入ると。ベテラン・バンドは大半が過渡期を迎え。
マンネリか、イメチェン図って失敗か・・・のパターンに落ち込むのだが。

バドカンも例に漏れず・・・だな。
77年に発表された「バーニング・スカイ」。

「バッ・ドカ~ン」と雷鳴の轟音が響いて始まるオープニングのタイトル曲は、いかにもHRなリフで迫ってくるし。ギターソロもアグレッシヴだし。通しで聴くと、やっぱ曲に大外れないし(余興の「ナップサック」は、ともかく)。

やはり「無難な」作りのバドカン・アルバムなのでありました。その「無難さ」が、だんだん定着していって。曲のスケールが、アルバム毎に少しずつ小さくなっていく・・・。

それがバッド・カンパニーの宿命だったのか?



【バーニング・スカイ Burnin' Sky】

1.バーニング・スカイ
2.モーニング・サン
3.リーヴィング・ユー
4.ライク・ウォーター
5.ナップサック
6.エヴリシング・アイ・ニード
7.ハートビート
8.ピース・オブ・マインド
9.パッシング・タイム
10.トゥー・バッド
11.マン・ニード・ウーマン
12.マスター・オブ・セレモニー

――いくつかの曲は72年頃にロジャース先生が作っていたもの。

フリー解散後に、他のミュージシャンとのセッションで出来た曲だから、ほとぼり冷めるまで待ってたんですかねぇ・・・。
「無難」で「安定した」バドカン・サウンドだが。

英国的な「湿気」は後退し、アメリカナイズされた印象あり。つ~か、アクが抜けたかんじか。
「声の安定感」って意味でも抜群だが。(今にして思えば)青かったフリー時代に較べれば「大人の声」だし。
振り絞る歌い方やめたのか、声に滑らかさがあるんだすわ。



まぁ、この辺じゃタバコとか止めてるんだろうな。Freeの頃は吸ってる写真とかあるが。
その頃は、ブルースやR&Bに憧れて「バーボンやタバコで声を荒らせて一人前」みたいに考えてたのかも知れないし・・・。

とにかく。バドカン後期では、歌声が真っ当になり過ぎてるんですよね。
無茶しないというか。後先考えないシャウトとか殆んど無いし。

彼を彼たらしめた、ウィルソン・ピケットやオーティス・レディング直系の「黒っぽさ」も後退したような・・・。

「ウッ」とか「ハッ」とかの「掛け声」も激減。それが大好きな私を悲しませてくれますわ。

――で、思い出されるのが80年代だったかの記事。
スティーヴィー・ワンダーの引退騒動が70年代に一度あったのだが。
それを質問されたロジャース先生、それまでジョークばっかりでご機嫌だったのが、急に真顔になって
「そんな事は有り得ない。かれは音楽なしじゃ生きていけない」と語り出した・・・って話。

――で、このバーニング・スカイですよ。
改めて聴くと、8曲目の「ピース・オブ・マインド」、9曲目の「パッシング・タイム」なんて、モロにS・ワンダーみたいですよ!

しかも、モータウンから飛び出して「ポピュラー音楽の大家」になったスティーヴィーの影響大・・・で。

なんか、いまさらS・ワンダーの影響受けなくって良いじゃん!・・・と、釈然としない思いは募ったのでした。

音楽家としての格は言うまでも無くスティービーが上ってのは分かるのだが。
だからと言っても、当時のロジャースさんは、既にヴォーカリストとして絶大な評価を得ていた筈・・・、なんで歌唱にスリルが欠ける時期のS・ワンダーの影響受けなきゃならんの?
なんで、同時期のポピュラー歌手の影響なんぞを・・・(S・ワンダーの功績が凄いとは言え)と空しい。

結局は、誰か影響を与えてくれる相手が必要なミュージシャンなんですな、ロジャースさんは。
「無から有を生み出すタイプでは無い」・・・と言うか。

自分が影響与える側に回ったら、与えてくれる相手が無くなっちゃって精彩失った・・・そんな感じ。



――で、この「バーニング・スカイ」ですが。
結局は、私に取っちゃ「地味なアルバム」の範囲を越える物ではありませんなぁ・・・。
ブルース・フォームの「マン・ニード・ウーマン」も白人ブルースに拘り過ぎた歌唱だし。

「単なる黒人ソウル歌唱の模倣」から脱皮したかったのかも知れないが。
「模倣してるけど、ある意味マネしきれてなくて独自のモノが出来ちゃった」的なイレギュラー的な突然変異・・・
それがロジャース先生の歌唱の凄さだったと思うワタクシからすれば、ヴォーカル面でも寂しいアルバムでもあったのでした・・・。