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ロベルト・デュランを彩った人々(1)「カルロス・エレタ氏」

2014年09月22日 | ボクシング
まず、最初にカルロス・エレタ氏。
1918年生まれのパナマ人実業家・富豪。
有望な自国選手をサポートするボクシング・マネージャー。

デビュー間もない若きデュランに可能性を見い出して契約。
連勝街道を失踪するデュランに、エレネスト・マルセルとの
国内ライバル戦を課し、堂々のNo.1ホープに押し上げた。
※マルセルは
 後のFe級世界王者で柴田国明やA・アルゲリョとも戦う事になる、
 これまた名選手。

さらに元Jrライト級世界王者・小林弘をパマナに呼び、
「実績ある選手との初対戦」を実現。
世界王座に挑む足掛かりを作った。



さらに世界挑戦が現実性を帯びるや、旧知の名トレーナーを
デュランに付ける。

何人もの世界王者を育てたレイ・アーセル。
そして、職人トレーナー、フレディ・ブラウン。

少し前の専門誌では
「自国のヒーローを育て国民の意気を向上させるための国家プロジェクトでもあった」なんて記述があった気がするが。
そうなると、もっと話はデカくなってくる。

まぁ、小林弘さんは空港でレッドカーペット敷いてもらい、夫妻で驚きながら
タラップを降りられたらしいが
そんな「国賓扱い」も国のバックアップが無きゃ出来ないよな・・・と。

実質デュランの全盛期を共にした人物=エレタ。
ただし、ノーマス事件の時は「理解に苦しむ」とコメントし
「どんな時でもファイターを守るのが我々の仕事じゃないのか!?」という
フレディ・ブラウンとの意見の相違が見て取れた。

落胆しつつも、ウィルフレド・ベニテス戦までは付き合ったが、
完封されたデュランを見て「引退」の二文字が頭に浮かび・・・。

まだまだ戦おうとするデュランとは気持ちが離れていった。
この頃になるとドン・キングの姿も見え隠れしてるし。

エレタ氏が言うには
「ロベルトのために貯めていた口座も、いつのまに引き出されていた」。

今回読んだ「石の拳一代記」では、「一部のパナマ・メディアでは
エレタがデュランから搾取していたという話が、まことしやかに
伝えられている」なんて記述があって驚かされたが

まぁ、「多角的なコメントを取って書いてこそ」のドキュメンタリーなんでしょうな。

エレタ氏本人はデュランと袂を分かったのを機会として
「もうボクシングはイイよ。馬の世界に戻る。馬は言い返して来ないしね」と
寂しいコメントを残しておいで・・・だった。

ああ、スイマセン。



「石の拳一代記」のネタバレやりまくってますね。

罪滅ぼしに言っとくと本当に凄い本なんで、とにかく買って読んで下さい。
デュラン・ファン、70年代ボクシング・ファンなら絶対にメチャメチャ面白く読めます!


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ギャビラン)
2015-09-11 21:49:14
はじめまして。
デュランの本が出ていたのは知っていたのですが未読でした。
早速読んでみたい気になりました。

マルセルとの試合の映像がよくもまぁ残っていたもんだと長年思っていましたが、このエレタ氏のようなバックがいたんですね。

あの試合レフェリーのストップが唐突だった記憶があるのですが、マルセルも抗議してなかったですね。

アーセルとA・カーン博士って何か似てないですかね?
返信する
コメント御礼&れす (ある@管理人)
2015-09-14 03:56:07
Toギャビランさん
はじめまして。
デュラン本は分厚くて本当に読み応えありです。
70年代の中南米ボクシングの色々な側面も伺えて
本当に興味深かったです。

>マルセルとの試合の映像がよくもまぁ残っていたもんだと
>長年思っていましたが、このエレタ氏のようなバックが
>いたんですね。
――私が見たのは白黒で輪郭がボヤけたような画像でした。
それでも見れて感激でしたねぇ。

>あの試合レフェリーのストップが唐突だった記憶があるのですが、
>マルセルも抗議してなかったですね。
――私は開始ゴングに応じなかったと受け止めました。
ただ、日本の感覚からすると他の試合も含め、海外ボクシングの
ストップは早いと感じました。

>アーセルとA・カーン博士って何か似てないですかね?
――ともにユダヤ系で、インテリジェンスを感じさせて
くれましたからね。
単純に鼻の形も似てると思います。
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