あるBOX(改)

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「遙かなるデュラン」

2014年09月20日 | ボクシング
やはりROCKもボクシングも、かの時代は燃えますなぁ。

「石の拳一代記」も4回にも分けて書く有り様だし、
ついついデュランがハーンズに負けて引退を発表した時に
ボクシングマガジンが出した「遙かなるデュラン」なんていう
(1984年11月号の)増刊号にまで思いを馳せてしまった。



そのちょっと前に「華麗なるレナード」って増刊号が出たのよ。
そしたらファンから「デュランのも出して欲しい」という要望が
集まったというのよ。



そして「遙かなるデュラン」が刊行されたのよ。
主要試合全解説みたいな項もあったのよ。
我らが小林弘さんやガッツさん、高山将孝さんとの試合も。



「デュランと対戦した選手対談」には高山将孝さんも参加されてたよな。
ガッツさんと引き分けた試合を「自分も打ち疲れてましたよ」と語る高山さん、
オリンピアンから日本王者となったテクニシャンがデュランに初回KOで
敗れた光景は、ファンには物凄い衝撃だった事でしょう。



TV解説の柴田国明さんも
「あ、あ、あ~なんて言ってるうちに倒されちゃうんですよね」と
述べておられた。両者の黄色いグラブ、デュランのオカッパ髪、ヒゲが
強烈にカッコ良かった印象あり。



試合グラビアもデヘスス第3戦から米国の華々しい雰囲気あるし、
白黒写真でも中南米のコロシアムで戦うデュランは雰囲気タップリ。

インタビューも、当然ながらロベルト節が満載なのよ。
パナマまで飛んで本人達から話を聞いてるし。

本人コメントも、全対戦相手を「楽な相手なんて一人も居なかったよ」
「タフな試合ばかりだった」みたいな事を言ったかと思えば
デービー・ムーアの事を「王者として何もないヤツだった」と
コキ下ろしたりしてるし。

「みなオレのことを太ってると言うが、トニー・アヤラはどうなんだ?」とか
どっちもどっちな発言してるし。

ハーンズのパンチで最初ダウンした時の事を、
「アゴへのパンチをダックしようとしたらテンプルに食ってしまった」と
解説したり、KO負けした心情を
「無性に寂しい、なんとも言えない気分だった。俺に倒された奴も
同じ気持だったんだろうなと思ったよ」などという言葉で表現している。
※いみじくも日本のKO仕掛け人=ロイヤル小林さんも同様のコメントしてたよな・・・



驚異の3階級制覇を果たし、ハグラーに敗れ、ハーンズに倒されて
売り物のタフさにも限界が見えたデュラン。
引退は当然の選択だったし、本書でも完全に「戦士に休息の時が訪れた」のノリ。

しかし
その後、税金未払いなどで金に困って再起、ミドル級でハグラーの弟=
ロビー・シムズに判定負けしたりしながらも、しぶとく試合を重ね
とうとうバークレーに勝って4階級制覇を達成。
※「石の拳一代記」では微妙な判定のように書かれていたが
私は完全に勝ったと思いましたよ

レナードとの第3戦やビニー・パジエンザ戦、ホルヘ・カストロとの「合計200戦」対決
・・・など、最晩年もライバル的な相手と試合を重ねたのには頭が下がる。
※パジエンザからは、しっかりナチュラルな右カウンターでダウン奪ったしねぇ



本当に凄い怪物で、しかも人間臭い内面も持ったボクサーでしたよ。
自分の感情に正直というか、感性で生きてきたというか・・・。

晩年はマチズモ臭はだいぶ消え、「金が目的」の雰囲気が目立ったが
「貧困出身のオレが金に拘ってなにが悪い」と言わんばかりの居直りぶりだった。

そういう意味では、ロベルト・デュランの全容は、これだけ書籍が著されても
まだ解明されていない・・・そんな気さえしてきました。

「ノーマスの真実」も、結局は明かされていないしね。


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