じゃ、僕の話をします。

『本気食聡咲』の記事は「居酒屋・和食」カテゴリーよりご覧下さい。/※各掲載店の閉店情報等は基本的に追記しておりません。

最近の「聡咲」〜2020・初冬〜

2020-11-24 | 居酒屋・和食
彼は、ジッと真っ直ぐ窓を見つめる。



その目に映るのは、夜のススキノの街並み。

これまでの眺めと変わらない筈なのに、違って見えるのだろうか。

果たして彼は、その景色に何を思う………

…そんな叙情的な光景が、今、お店のドアを開けると最初に目に入ります。

お店のブログにも書いてましたが、この度、模様替えをした「聡咲」。

これまで、入り口から入ってすぐのテーブル席は対面式でしたが、そこをご覧の通り、横に並べて全てカウンター席状態になりました。

コレが結構いい雰囲気でしてね。

玄関辺りのスペースも広くなりましたし。

ふと、横を見れば、ワンちゃんのぬいぐるみが、身を挺してソーシャルな何かしらを保ちつつ、優しくもてなしてくれますし。

何だか物憂げに背中で語ってるのが良いですね。それでいて背もたれから飛び出した尻尾からは、何か強い意気込みも感じます。

そんな訳で。


こんな状況です。


今回の「自粛」は、諸々の対策を「していない」お店には行かないように、というものですし、あくまでも「リスクの高い環境」に自分自身を置くことが無いよう、個人個人が今一度、しっかり考えて行動しましょう、ということでしょうから。

なので、僕も手洗いと消毒をしすぎてカサカサになった、アカギレが出来まくりの手で「聡咲」の扉を堂々と開く訳です。


そして、冬ならではの味覚、ハタハタの飯寿司を噛み締める訳です。


あ、最近は伝説の「なっとろろ揚げ」がメニューによくお目見えします。

長芋と納豆で作った、サクサクのパイのような食感のおつまみですね。



個人的に、メニューにあると外せない、ポークピカタもしっかりと頂きましたし…


あのバルナバハムのベーコンを使った、贅沢な牡蠣ベーコンは酒がどんどん進みます。


やたらとフレンドリーなお値段だった、カニの甲羅揚げ。

昔はオードブルと言えばコレが入ってましたね。何か、コレをつまみながら日本酒とか飲んだら止まらない感じです。


何やら、やたらと魅力的なウスターソースがカウンターに燦然と輝いていたので、思わずソレを使った焼きそばをお願いしてしまいました。

香りの芳醇さが違いましたね。

そして、今年は本当に一瞬で終わってしまった…

柳葉魚の刺身。上品過ぎる白身のお刺身。これを食べてウットリしないお客さんを、僕はまだ見かけた事がありません。



ヒレカツですが、付け合わせのポテサラも逸品。あの高級食材(!)シャウエッセンがふんだんに入ってるんですね。贅沢。


柳葉魚のエスカベッシュも、冬のお楽しみ。南蛮漬けですね、所謂。程よい酸味でサッパリと食べられます。染み染みする味。


そして、これが噂のローストポーク。

この厚み。だけど豚とは思えない柔らかさ。これを使って、チャーハンを作って頂いてるお客さんもおられましたが、それは反則に近い味だったでしょうね…本当。

ちなみに、製作には「とある器具」を使ってるそうなのですが、それを調理に使ってるお店は世界的にも此処だけでしょうね。


ビーフシチュー。これまたトロトロ。煮込まれた様々な旨味が、渾然一体となって舌を襲う。手間暇を感じる味です。

横にあるマフィンがこれまた秀逸。外側のカリカリ感と、内側のしっとり感が見事な仕上がり。残ったソースを付けて食べれば、それはもうまさに言う事なしです。

秀逸なのは、付け合わせの野菜も同様。特にカボチャは「ベイクドパンプキン」とも言えるような、サクッとした軽やかな仕上がり。でも、中はカボチャならではのホクホク感。

腹に余裕が有れば、二皿食べたいくらい。



世の中は混沌とする一方ですが、一人一人がやれる事をしっかりやるしかありませんね。

そしてこちらのお店で栄養つけて、免疫力を上げて行きましょう。

あ。

そう言えば。

冒頭のワンちゃんが見つめてた窓からは、あの「夜のK点超え!」的な看板が見えていて、ある意味、名所的な眺めだったのですが、最近、気がつくと無くなってました。残念。



鰻を食べてる間の記憶は、その後、幻になる、と言う現象を「二葉」にて再確認。

2020-11-08 | 居酒屋・和食
きも焼きを齧りつつ、ビールを飲んでいたら…


やって参りました。


美しいツヤです。


鰻屋さんの鰻重など、何年ぶりなのかも分かりません。

でも、何だか急に食べたくなり。

それにしても、鰻というものは美味しいですね、やはり。

そして、鰻を食べてる最中は夢心地というか、別次元に魂を持っていかれると言うか。

食べてる最中も食べてる実感が無いんですね。何となく。気持ちもフワフワしてる。

で、気がつくとお重は空になってる。

まさしく夢中で食べてる、と言うことでしょうか。

どのお店だろうと、鰻を食べてるとこうなってしまいます。

だからいつも、以前いつ鰻を食べたか、記憶が朧げなんですよ。

毎日食べてりゃ、そうもならんのでしょうけど、予算的に無理ですわな。



新札幌「とり久」が大好きなのです…が。

2020-10-03 | 居酒屋・和食
中々、と言うか。

いよいよ、と言うか。

「ひとりでフラリと立ち寄って一杯飲る」のが、こちらのお店では難しくなって参りました。

まぁ、曜日や時間にもよるんでしょうけど。

ちょっとココで飲みたいなぁ…と、暖簾越しにカウンターを見ると、お客さんでぎっしり。

空席があったので、意気揚々とお店に入ると…「予約の席で…」と。

やはり、一人だろうと予約した方が確実な、新札幌「とり久」さんです。

トマトもオシャレな感じで出てきます。


この時は、名物の半身焼きは我慢して、串モノを。

ササミの梅。



季節限定の南蛮つくね。辛さが爽やか。(たぶん、現時点で今年は終売してるような気がします。)



カリカリの皮。噛むとフンワリしてるのが良いです。



ポテサラも、「とり久」のご主人が作ると、何やら小粋で味わい深い酒肴になります。



これも名物の黒豆チーズ。いぶりがっこと共に。幾何学模様がクール。


たまに、渾身の力でこの黒豆チーズを練り上げてるご主人の後姿を拝見するのですが、まさに職人の背中です。はい。


締めはあっさり鶏出汁のラーメン。この上ない。



個人的に恒例の、「とり久」での一人忘年会の予約を…来月にはしておかないとダメですね…たぶん。

最近の「聡咲」〜2020・晩夏〜

2020-09-06 | 居酒屋・和食
気になっていた方も多かったのでは無いでしょうか。

お店のブログに載っていた、要予約の「アレ」。

コレです。しっかりこのメニューも予約してから伺いました。

この食材が今年は高騰していて、値段的にも品質的にも、色々例年とは違うと言われる状況の中…

ご存知、ススキノ「聡咲」が確固たる自信を持って提供(要予約)する…



ウニ丼。

何故か、タラバ蟹のほぐし身まで入ってました。これについては、恐らくマスターの気まぐれです。ありがたや。

味わいにつきましては…言わずもがなです。

あとはですね…





なんか、ずっと牛肉ばかり食べてました。

別海牛ですね。

食材ばかり見てると、セレブの食卓みたいですが、そこは「聡咲」。

色々含めて安心の「適正価格」。

最近は、前日までのメール予約による、完全事前予約制が徹底され、例の新型のアレの対策についても、とある公的組織からの査察があり、「お墨付き」も受けたそうです。

窓も全開で、風が吹き抜けまくり。外で飲んでる気分です(笑)。ビアガーデンも行けませんでしたからね。ちょうど良いです。

あとは、本州組の皆さんも、気楽に北海道にお越しになれる状況が来るのを待つばかり…

今行くと、本当に札幌&道内組の、顔見知りのお客様とお会いしまくりです。

これはこれで久しぶりというか…新鮮な光景(笑)。


最近の「聡咲」〜2020・天涯比隣〜

2020-07-12 | 居酒屋・和食
しばらく、前ですが。

モモヤビルに入り、エレベーターの四階のボタンを指先…ではなく、折り曲げて尖らせた、人差し指の第二関節で押し、やがて扉が開くと、目の前に現れるスナックの入り口二つにはシャッターが下されたまま。(現在は営業を再開なさってます。)

それを横目に、灯りのついた美容室の前を通りつつ、奥の開け放たれた入り口へ。

店内の窓も開けられていて風が吹き抜ける中、ふとカウンターに目をやると、用意されている箸置きとコースターは2組分。

そして奥の席に座ると、あの手書きのメニューが。

本当に久しぶりにここに座ったなと、実感…したのが、およそ1ヶ月ほど前。

諸々がようやく、一応、落ち着いてきた頃でしょうかね。

その頃はまだ世の中が何というか、お互いについて疑心暗鬼と言うか、掴み所の無い不安にかなりギスギスしてる感じで。

とは言え。

無事に再び、ここに辿り着けたし、生き抜く事ができましたよー、なんてマスターと話しつつ、久しぶりのカウンターの座り心地が嬉しかったりしまして。

で、メニューにあった「別海牛のカツレツ」が気になり、早速オーダーを。



フライパンで少ない油を使い、言わば「揚げ焼き」するから「カツレツ」。フレンチやイタリアンの手法ですね。カリカリに揚がってます。

デミグラスソースが染み込んだ部分は、旨味がジュワッと溢れる。

そしてひたすらに柔らかい。噛んだ前歯にしっとり絡みつくような食感。

…別海牛と言えば、北海道産の牛肉でも特にお高い部類だったような…別海町って人より牛の方が多い町だし…

なんて事を、ボーッと考えつつも、別海牛なのにこのフレンドリーなお値段、お肉自体の味わいや柔らかさを考えると、何かかなり上等なモモ肉だろうか、と。

それに確か、牛のカツレツには叩いて薄くしたモモ肉を使うのが一般的だと聞いたかもしれんし。

そんな訳で、マスターに「これ、モモ肉っすか?やっぱり」と伺ったら…

「シャトーブリアンです」と。

…。

……。

しゃとぉぶりあん??

牛一頭から少ししかとれない、ヒレ肉の中でも特に上質な部分で、鉄板焼き屋さんのコースで2万くらいのをお願いしたら、150グラムくらいのステーキが最後に後光を放ちつつ恭しくやんごとなき感じで現れる、アレ。

ブランドによっては、なんかもう、150グラムくらいで5、6万するなんて話も聞いたことがある、アレ。

それが、ファミレスの一番高いメニューぐらいのお値段。

久しぶりに追加注文。

今度はシンプルに、パン粉にバジルや粉チーズを混ぜてカツレツにしていただきました。


こうなるとお肉の旨さがダイレクトに。レモンを絞ると、更にさっぱり爽やかに頂ける。

メニューには一切、「シャトーブリアン」なんて書いてなくてですね(笑)。

時々、こうした驚きの献立が隠されてることがあるので、毎回メニューを隅々まで注意深く読み込まないといけません。こちらのお店では。

諸々のタイミングもあったようですが、恐らく、こんな機会は二度と無いかと。

そして。

ご存知の方も多いかと思いますが、現在、聡咲ではお客様の受け入れ人数を制限して営業中。

カウンターには、社会的な距離感を保つための熊のぬいぐるみがひと席ごとに鎮座してたりします。

そして完全予約制。当日六時までのメール予約が必要。(※追記:R2.8時点では、前日までのメール予約が必要となりました。)

そんな新体制にも慣れてきて、徐々に、再び伺う機会も増えてきた昨今です。

オムライスも健在であります。

かかってるソースもデミソースに見えますが、実は違ってたりしてまして。野菜の甘味がとことんまで引き出された、ミネストローネのようなソースでした。

マグロ納豆ですとか…


カツとじなどの酒肴で一杯やりつつ…




また無理なお願いとかしてしまい。



聡咲のカレーと言えば、工程がいくつも重なり、手間暇がこれでもかとかかってる訳ですが…

今回は玉ねぎと肉を炒めて出汁を注ぎ、カレー粉と水溶き片栗粉で仕上げたカレーを。お蕎麦屋さんのカレーのイメージですね。

案の定、マスターに再び「亡き母親の作った豚のケチャップ炒めオーダー事件」の話をされてしまいました。

オーダーの仕方に、多少なりともめんどくささを感じさせてしまった証拠です。多分(笑)。

あっさりしたカレーが食べたかったんです。すみません。

そんな訳で、コロナ渦でも変わらずメニューに無いものも可能な範囲で応えてくださる、札幌ススキノ「本気食聡咲」であります。

マスターは、本州在住のお客様のことをいつも気にかけていらっしゃる様子でして。

あの「玉手箱」にしても、これまで何度となく本州から遥々、札幌の聡咲まで足を運んでくださった方々に、せめてご自宅で聡咲にいるのと変わらない食事を楽しんでいただきたい、それで少しでも元気になっていただきたい、という思いから始まったんでしょうから。

販売の仕方に制限があったのは、そんな思いからだったんではないかと。

そもそも、詰め込みなどでヘルプの方が居たとは言え、実質、ほぼマスターお一人で仕込む訳で、作ることが可能な数にも限りがありますし。

聡咲を再び体験したくとも、札幌には行けない。

ならば、「聡咲」を本州に送り込む。

そして、札幌に来た時と同じ体験をして欲しい。「聡咲」に実際、足を運んだ方々に届けて、食べてもらうからこそ、あの「玉手箱」の真価が分かる。

…と、いう意図なのかなと、途中からようやく地元民にも解禁された「玉手箱」を注文して、実際食べた時に、そう思いましたね。

タンシチューなんて、お店と全く同じ味でしたし…



電子レンジで温めるだけでこれですから。



時知らずのチャンチャン焼きにイクラを散らすなんていう、食の変態ぶりも健在でしたし(笑)。

食べてる最中、これが届くんなら、お店の味を知ってる方はそりゃ喜びますよね、なんてメールをついついマスターに出してしまいました。

言わば究極の「アフターケア」と言いますか、ここまでお客さんを想うお店も正直無いですよね。

売り上げが少ないから、それを補完するために通販を始めた訳ではなく、聡咲を知る方々が来たくても来られない状況をなんとかしたい、というのが通販開始の理由なのではないかと。

だから、たぶん「玉手箱」は儲けなんて度外視。食べれば、その素材の良さが分かります。

僕も自宅で食べつつ、その想いを噛み締めておりました。

そしてお店のカウンターに座りつつ、また本州各地からの顔見知りのお客様と乾杯できたら嬉しいなと、思っておりました。

まだまだ、予断を許さない状況ですので、皆様もどうかお身体をお大事にして下さい。

そしてまた、北海道に、聡咲にお越しいただけたなら。