じゃ、僕の話をします。

『本気食聡咲』の記事は「居酒屋・和食」カテゴリーよりご覧下さい。/※各掲載店の閉店情報等は基本的に追記しておりません。

最近の「聡咲」~2016・穀雨~

2016-04-30 | 居酒屋・和食
先日、こちらのお店のブログにマスターの若く(恐らく)ギラギラしていた頃の、とあるエピソードが書かれていまして。

とあるお店のヘルプに入り、(恐らく)トンガっていた(であろう)マスターが、かなり厳しい環境のなかご苦労を重ねられ、そんな四面楚歌の状況でも挫けず、最終的にはそのお店の料理長との料理を通じた感動的なひと時が訪れる…

と、ここまで書き綴られた上で「実はこの後すごい展開に…続きはカウンターで!」的な締めに。

「続きはウェブで!」はよく聞きますが(笑)。

しかもこの作戦、なかなか成功したようです。
(^_^;)

僕も「続き」を教えていただきましたが…

あまりにテレビドラマのような展開。

ドラマチックすぎて絶句して、後はもう笑うしかなく(失礼いたしました)。

マスターはひと昔前まで「電波(ネット)は嫌い」と公言していたのですが。

今や、IT戦略も駆使する札幌ススキノ「本気食聡咲(まじしょく・そうさく)」であります。

「続き」が気になる方は是非聡咲のカウンターへ。マスターは「色んなお客さんに話しすぎて、もういい」とは仰ってましたが(笑)。

では、今回もこちらでいただいたお料理をご紹介。

と、言いますか。

その「エピソード」に繋がる一皿。

ハンバーグです。マスター自ら包丁で叩いた粗めの挽肉で作る、噛み応えあるハンバーグ。料理長の教えが活きているひと皿とのこと。野菜ローストも添えられ、今回はトマトソース仕立て。

…切ない味がしました。
(^_^;)




ポークカツチーズ焼きです。揚げたてのカツにチーズを載せて炙ったハイカロリーな禁断の味。カリッ、ジュワッ、トロッと来ます。黒胡椒がポイント。



再び今野商店の蒲鉾を炙りで。皿の奥の酢味噌が合うんです。


ポークチャップですが、今回は焼きそばが添えられてます。マスターは「この組み合わせは合わない!」と言いつつ出したのですが、僕は合うと思います(笑)。


博多風焼きラーメン。これはかなり研究し尽くした一皿だとマスターが。確かに煮詰めるとしよっぱいだけに。これぐらいの汁気が残るくらいが一番いい塩梅に。確かに食べて納得。具沢山なのもありがたい。



ホッキ刺し。貝の中では僕はホッキが一番好きですね。北海道の隠れた名産品。



豚新生姜巻き。鮮烈な生姜の風味と豚の脂身の旨さが絶妙。さっぱりといただけます。



聡咲流まぜそば。この頃は先ほどの焼きラーメンのような、麺料理の新機軸が次々とメニューに載ってました。こちらのまぜそばも素敵な味わい。甘辛な肉味噌に温玉、魚粉がモチモチの麺の上に。これでもかと混ぜてから食べて、最後は残った肉味噌にご飯を投入していただきました。



グリュイエールチーズ入りのハンバーグ。普段の聡咲のハンバーグは、挽肉が粗挽きと言うか、マスターが自ら肉の塊を包丁でたたいたものなのですが、この時は逆にかなりしっかり細かく挽かれた肉。

中にチーズを入れて焼き上げた時、中からチーズが出てこないようにするためだそうで、確かに割った時にたっぷりの肉汁とともに、トロトロのチーズが飛び出してきました。誰もがウットリする瞬間ですね。

成形するのもかなり難しいらしく「二度と作らない!」とマスターは断言してました(笑)。手間と旨さが比例することを実感する一皿。


カツサンド。聡咲の至高の逸品。ご覧の通り、誰もが魅了されることは必至。運良くメニューで見かけたら是非一度は食べてみていただきたい。

肉の厚みといい、その表面の艶といい、たっぷりのキャベツといい…ウットリします。



アスパラを炙りで。アスパラはやはり天ぷらか炙りで食べるのがオススメ。その栄養を逃さずに、シャキシャキの歯応えと弾ける瑞々しさを存分に楽しめます。


厚岸産「カキえもん」のバターソテー。北海道における牡蠣の名産地のひとつ、厚岸の大ぶりな牡蠣を使い、その旨味をギュッと閉じ込めて焼き上げられてます。海の栄養を濃縮したような牡蠣と、陸の栄養の塊であるバターの素敵な出会い。

ハマボウフウの酢味噌和え。

最近はあまり出回らなくなったらしく、すっかり高級品になってしまった感じのある春の山菜。獲れなくなってきたんでしょうかね。

この鮮烈な苦味と鼻に抜ける爽やかな風味は、冬に鈍ってしまった身体を、中からシャキッと目覚めさせます。春の息吹を体に取り込む感覚。春に山菜を食べるのは理にかなってるんですね。

カワハギ刺し。

肝が載ってます。これがもう濃厚で。日本酒を頼まざるを得ません。鯨さえずりのベーコンと毛蟹がオマケで付いてました。

ズワイガニクリームコロッケ。

相変わらず蟹の身の量が半端なく。酸味も爽やかなトマトソースがよく合います。

ロールキャベツ。

味付けは具材のひとつ、パンチェッタの塩気のみ。後は、肉の旨味と野菜の甘みですね。素材の良さをとことん引き立てることで、とても柔らかで豊かな優しい味わいに。

これまた手間がかかる料理ですが、その手間の先には何にも代え難い旨さが。

それを体験した一皿。筍などの旬の食材も使われていて、これまた嬉しい。そして、横にある葱の甘みが素晴らしかったです。

酢豚。

二種類の肉が入ってました。たぶん、揚げた豚と焼豚的な豚のような。豚好きにはたまらないです。

グラタントースト。

メニューにグラタンがあったので、それをアレンジしていただきました。パンがこれまたしっとりしていて、香り高き食パン。具材の旨味が溶け込んだベシャメルソースが、程よくパンに染み込んでましてね。

そしてパンの外側はカリカリで、表面はチーズがトロリ。その焦げた香ばしさも素晴らしい。そんな、あらゆる素敵な要素が渾然一体となって口の中に拡がります。



北海道の一部では雪も降ってるのですが、こんな寒いゴールデンウィークもあまり記憶にありません。

でも、聡咲はゴールデンウィーク中も休業日もなく熱く情熱的に営業しております。

北海道に旅行でお越しになる道外の方にも、是非、春の聡咲のメニューを体験してみていただきたいです。
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水曜日の銀星食堂。

2016-04-20 | 食堂


昨夜、とあるススキノのお店でも話題になっていた銀星食堂。

水曜日のA定食は餡掛けのかかったハンバーグ。

…このハンバーグには、とあるお店のマスターの如きドラマチックなバックストーリーは無いはずですが(笑)…

ハンバーグのバックに隠れてるナポリタンが、実は影の主役ではないかと。
コメント (3)
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夜の「ASSE」でピザと日本酒を。

2016-04-05 | イタリアン・フレンチ
以前はランチの時間にお邪魔した「ASSE」。

札幌テレビ塔の東側、二条市場北側の「M's イースト」にお店はあります。

ランチでもすっかり満足したのですが、やはり夜にも伺わなくては。

そして、店主自慢の秋田の地酒と、イタリアンや薪釜で焼き上げたピザとの組み合わせをじっくり堪能したい。

…と、思いたつのは自然な流れで、とある日、それはもう意気揚々とお店に向かったわけです。

大柄な体格のご主人が温かく迎えて下さいました。体型的にはとても親近感が湧きます(笑)。

こちらのご主人、いわゆる「美味しいものを作る人オーラ」が凄い。タレントの石塚英彦さんがよく番組でお話ししてるアレです。

実際、ご自分で秋田の蔵元まで出向き仕入れた日本酒と、ご自身が作る料理を楽しんでもらいたいと言う意気込みが体から溢れ出るように感じます。

そしてお店の入口横には、ご主人の相棒たる薪釜が。ここから様々なお料理が産まれて来ます。カウンターに座ると薪の燃える炎も見えて、何かキャンプファイアーを眺めてるような安心感が。
(^_^;)

では。

参りましょう。

イタリア四種豆のサラダレジャーノチーズ風味。


クリームチーズ三升漬けをカリッと焼き上げたバゲットに。


これにはこの日本酒を。

豆のドッシリした滋味、滑らかなクリームチーズに潜む三升漬けの爽快な辛さ。そしてどちらも濃厚な旨味。舌に絡みつくが如く。

それをすっきり、心地良く解いてくれるような、スッとした喉越しの日本酒。

こんな組み合わせは、本当に楽しい。

日本酒にしてもチーズにしても、発酵させた食品同士だから合うのも道理。アテにはこの上ないです。特に、クリームチーズに三升漬け、と言うのは素晴らしい大発明なのではないかと。食べる度にウットリ。

豚肩ロース薪釜焼き。

ピザを焼き上げる釜でこんな肉料理も焼いてくださいます。


下には長芋が。表面はカリッと焼かれながらも、中心部は半生に近いシャキッとした食感。バルサミコ酢の風味が素敵。

そしてピザを。

「マンダリーノ」と言うピザ。季節限定らしく、金柑とスモークチキン、マスカルポーネのピザです。マスカルポーネがトロトロで濃厚。そこへ金柑の爽やかな酸味と香りが。スモークチキンの風味も鼻に抜けていきます。

そしてやはり、最高にパリパリな生地が嬉しい。極薄。

このピザには…

新政酒造の日本酒。ラベルがオシャレです。

すっきりしていて、風味が鋭い。本当に不思議なくらいピザと合います。

そして、後日再訪。間を空けずに同じお店に通うのは久しぶり。「聡咲」以来ですね(笑)。

道産ウニと道産リコッタチーズ 。

贅沢な前菜ですよ。こんなん、酒呑みにはたまりませんて。

合わせて下さったのはこの日本酒。

飲み応えのある純米酒。ウニの風味を心地良く膨らませてくれます。海のものにはやはり日本酒ですよね。

続いて、鶏レバーのムース。

バルサミコ酢の甘味がアクセント。これまた酒呑みのツボを突き抜くアテですね。

これには…

この純米吟醸を。華やかな香り。

再び肉料理。

仔羊の薪釜焼き。この中心部の色合い。絶妙な焼き加減なのは見た目だけでもわかります。

この日のピザはマルゲリータフレスコ。

フレッシュトマトを使ったマルゲリータ。酸味が利いてて、通常のマルゲリータより僕は好きですね。

そして…

またまた再訪(笑)。

タコとセロリ、キュウリのマリネ。

まさに酒肴ですね。味付けも柔らかなので、日本酒とともにいただくにはもってこい。

で、この日本酒が凄かった。

オススメの日本酒を、とお願いしたら、「普段飲めないような日本酒が良いですよね」とご主人が出してくださったのがコレ。

白神山地の湧水で酒米を育て、同じ水で仕込んだ一本。

これまで飲んできた日本酒の中で、僕はこれが最高の日本酒です。

米の旨味を感じる味わい。

いわゆる、甘口・辛口・濃酵・淡麗と呼ばれるような日本酒の味の表現には当てはまらないですね。

手間暇かけて育てた酒米の旨味が凝縮されたような、杜氏さんの情熱を感じる日本酒。大地の恵みを煮詰めたフォンドボーみたいなもんですね。こうなると。
(^_^;)

実際、裏側のラベルを見ると…

どれだけ手間をかけたのかが伝わってきます。

これはもう、ずっと飲んでいられるお酒です。アテすら要らない。ちょっと塩があれば充分。

日本酒の「旨さ」とは、こう言うものかと思い知りました。

…こんな日本酒がイタリアンで出るのも凄いですが。
(^_^;)

あ、もちろん、メニューにはビールとかワインもありますよ。でも、多くのお客さんは、やはり日本酒を楽しんでらっしゃいました。

この日は他にも、希少価値の高いお酒が続出。

これも独自の製法で作られた日本酒だとか。「櫂入れ」をしていないらしく。これまた美味かったですね。

お洒落なラベルのこんな日本酒も。

酸味が際立ったような口当たりでしたが、とても柔らかでスッとした喉越し。

すっかり堪能しました。素晴らしい。

そしてこの日は「ブッファラ」というピザを。

水牛のモッツァレラにバジルとトマト。素材の良さをストレートに感じる、シンプルなピザ。


こちらのお店のピザはどれも薪の風味を纏って、軽いスモークのような感じになるのが素敵です。

「石釜」のピザを謳う店にはよく見たら石釜の中にガスの炎が見えたりして、そうなるとオーブンで焼くのとあんまり変わらないんですよね。

しっかり薪を使って焼き上げると、生地のパリッとした食感が違いますし、焦げた所からは薪の香りがして何とも食欲を刺激してくれます。

ピザ以外の酒肴も、酒呑みのツボを的確に突くものばかり。突き詰めれば、これはご主人自身が秋田の地酒に惚れ込んでいる、その愛情故ではないかと。

どう言った経過で、このイタリアン・ピザ×日本酒というスタイルに至ったかは存じ上げないわけですが…この組み合わせ、僕は大賛成です。素晴らしい。

恐らく、また間を空けずに伺うことになりそうです。

ちなみに。

近々ご主人は、イタリアはパルマで開催されるピザ職人の国際大会に再び参加するべく、海を渡るご予定だとか。

ご武運を心から祈っております。
コメント (2)
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