新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「昭和の名人 八代目林家正蔵(壱)」

2009-05-13 18:01:47 | 芸術鑑賞
八代目林家正蔵は、その語り口から私の中では他の噺家と別けておりました。大変真面目な口調は、馴染みにくいところもありますが、安心できるところでもあります。でも若い頃の私にはつまらなく感じてしまったのです。

いい年になった今じっくり聞きたいところでもあります。以前も言いましたが、逆にこんな噺家だったかと、がっかりしてしまった名人もいますから。

今回の演目は、
①中村仲蔵
 六代目圓生の「中村仲蔵」が好きでしたが、今回の解説では八代目正蔵のほうが抜きんでていると書かれています。じっくり聴きたい話です。門閥外から役者になった仲蔵が役作りに苦労するところが好きです。

②鰍沢
 身延参詣の帰り、雪の中で宿を借りた男がそこで出会う恐ろしい話。懐かしい噺です。

③あたま山
 頭の上に木が生えると言う、まったく奇想天外な滑稽話です。軽く聞きましょう。

なお解説の中で、八代目正蔵が林家正蔵の名跡を、蛯名家から借りたとき、八代目正蔵が蛯名家(林家三平)に差し出した自筆の誓書が写真入で掲載されています。

九代目正蔵(現)が襲名するとき、この事がちょっと話題になりました。大相撲の年寄り名跡と違い、落語の世界で名跡の貸し借りがあって、それもその名跡を返したと言うことに、違和感を少し感じたのでした。

コメント
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