新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
写真の無断使用はお断りします

DVD「イングリッシュ・ペイシェント」

2012-03-05 18:02:22 | 芸術鑑賞
最近購入した新星堂三巻3000円のDVDの最後の1巻を、やっと観ました。寒い雨が一日続いておりましたので。

【物語】
第二次大戦下、英国連合軍の野戦病院に収容されたミステリアスな患者。記憶をなくし大やけどを負った彼の看病から少しづつ彼の身元が判明していきます。
王室歴史調査協会会員として砂漠で遺跡調査をするメンバーは、砂漠でのドイツ軍と英国軍の戦争に巻き込まれていきます。

1996年アカデミー賞9部門受賞と言う事で購入したのですが、重厚な人間ドラマに圧倒されました。派手なアクション映画が多いなか、このような3時間を超えるドラマを作ろうとする映画人がいることや、アカデミー作品賞他を選定しようとする映画人もいることに少し安心したのです。

カスタマーレビューを読みますと、なかなか奥の深いと言いますか日本人には理解できない欧米人の歴史の流れがちりばめられているようです。
途上人物の多様な国籍も、われわれ日本人にはピンとこない世界です。さらに、主人公の身分とテーマ音楽のハンガリーの唄などもいろいろ暗示されているようです。

砂漠でドイツ軍と英国軍が戦っているのに、贅沢な遺跡調査をする王室遺跡調査隊。カイロでの正装での貴族たちのダンスパーティーなどそうだったのかと思う一方、イギリス軍に組み込まれたインド兵の爆発物処理隊の兵も物語に絡んできます。

また重要な小道具として、ヘロドトスの『歴史』も全編を通して登場します。ヒロインの調査隊の一員である貴族の妻が、さりげなくその『歴史』を砂漠のよる焚火に前で暗誦するシーンがあります。当時の上流社会の人間の知識のレベルのいったを感じました。

いろいろな暗示や伏線も多くあるそうで、その辺も思い出しながらじっくり見たいものです。でもじっくり観るには少し寒くはありませんか。
そのような背景を少しでも感じられるか分りませんが、この重厚な人間ドラマを楽しめるかあと数回は観なければならないでしょう。

カバーに書かれた『情熱と陰謀と冒険の恐るべき物語』なんていう単純なものではない、3時間を超える人間ドラマです。叙事詩と言うのでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする