新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「小林清親展」に行ってみた

2016-04-07 18:02:42 | 芸術鑑賞
ずっと気になっていました「明治の浮世絵界画ー清親―光線画の向こうに」の出かけてみました。
雨模様の朝、開館10時に少し遅れたところでしたが、そこそこのお客さんが来ていました。
夫婦で来られて絵の前でぼそぼそ話す人や、団体さんが太い声で談笑し合うなど少々気になりましたが、全体としては堪能できました。
総展示数で300点近いものを見て回るわけですから、満足です。

ただ私不勉強で小林清親を知らなかったのです。さらに当日思いついて出かけたので予習もしておりませんでした。
江戸時代の浮世絵と明治以降の新版画を、一般知識としてかじっているだけでしたから。

小林清親の浮世絵の製作をその年代と言いますか、その技法の変遷に沿ってもすごい数の浮世絵が展示されているのです。
さらに驚くのは、清親の浮世絵のほとんどをこの版画美術館が所蔵しているという事実です。

前半のほとんどを占める「第1章 清親登場! 光線画と洋風表現」には圧倒されました。
明治10年代前半の東京の風景が、どちらかと言いますとやさしい色合いで展開されます。その優しい風合いが、ちょっと物足りなさも感じられますが、100点近いといっても数えたわけではありませんが展示されています。
(いつも展覧会に行くと思うのですが、絵の前での鑑賞のタイミングが違う人がして時々渋滞してしまいます。こまりますね)

「第2章社会を描くーポンチの清親」は自由民権運動の中、雑誌や新聞に風刺画を描きているのですが、当時の強烈な表現はちょっともたれてしまいます。
「第3章歴史を書くー国粋主義の時代」迫力のある歴史上の名場面です。どこかで一度は見たような気がします。まだまだ武具についての情報が十分ある時代です。鎧兜や武具馬具が忠実に書かれているのです。子供のころの講談社の本を思い出しました。

「第4章戦争を書く 浮世絵の終焉へ」鹿児島の西郷隆盛や日清戦争をリアルに描いていくのですが、写真の台頭からその臨場感ある表現としての浮世絵の一つの使命が終わっていくのです。

浮世絵のテーマである美人画や役者はほとんど登場していないのも、あとで気が付きました。

久しく展覧会に行っておりませんでした。これからはときどきチェックして出かけてみようと思います。
今次に狙っているのは、「向井潤吉展」です。Eテレを見てがぜん出かけたくなっております。

最後に5点、「川瀬巴水」の作品がありました。どちらかと言いますと巴水の方が好きですね。



いつもの習慣で、学芸員の方に質問をして帰りました。今回は若い女性の学芸員さんでした。ちょうどお昼休みの時間に掛かり、お詫びしたのでした。
コメント
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