映画 グランドフィナーレ

美しいアルプスのホテルを舞台に集う人々は、
栄光を極めた人間であるという共通点があるようで、
スクリーンでなければ味わえない別世界。

彼らは栄光を極めただけに世界に記憶され、
その栄光に苦しむことになってしまっているのです。
人の才能も枯渇することがあるようで…。

音楽、映像、演技、そのどれもがゴージャスでエレガンス。
主演のマイケル・ケイン83歳、ハーヴェイ・カイテル77歳、
ジェーン・フォンダ78歳と往年のスターが、
その圧倒的な存在感と演技力で魅せてくれています。

「バットマン＆スーパーマン」では、
バットマンの執事役がマイケル・ケインでなくて
ガッカリしたまるみでしたが、
この映画で主演をされていたからかもと納得。

主人公は音楽家ですが、親友は映画監督、
元サッカーのスター選手、映画俳優と個性派ぞろい、
山も下るほうが困難ですが、人生もまた同じのようです。
極めれば極めるほど引き際が難しいのかもしれません。

普通でいられることが幸せなのだとの思いを強くしました。
オシャレをして美味しそうなお食事をいただいでも
一言も口を聞かない夫婦なんてあまりに哀し過ぎます。

クスッと笑える場面も随所にあって、楽しめました。

ストラヴィンスキーやドビュッシーの名曲が彩りを加え、
主題歌「シンプル・ソング＃３」をＢＢＣ交響楽団、
ヴィクトリア・ムローヴァのヴァイオリン演奏で、
スミー・ジョーが歌うというゴージャスさ。

原題はＹＯＵＴＨですが、
最後は邦題のグランドフィナーレも納得です。

まるみとしては☆５つの映画です。

監督：パオロ・ソレンティーノ
出演：マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテル、
ジェーン・フォンダ、レイチェル・ワイズ、ポール・ダノ
2015年/イタリア、スイス、フランス、イギリス/124分

シネ・リーブル池袋

２０１６．５．１９