タイトルからマーベルのヒーローもの
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安全で安価な生理用品の普及に奔走した
男性の実話にフィクションの旨みを加えて、
映画化したヒューマンドラマです。
「不衛生な布で月経処理をしていると不妊や死に至ることもある」
そう医師から聞かされたインドの小さな村に住む男性が、
愛する新妻を思うあまりに手作りのパッドを作るのですが、
それは簡単なことではなく、数々の誤解を生み、
村に住むこともできず、妻とも離れ離れに。
それでも彼は決して諦めず、研鑽を積む日々に賛同者も得て、
ついには安全で安価なパッドを生み出すだけでなく、
女性に働く場を提供することにもなり、
邪心などない彼は、愛する妻だけでなく、
人々を笑顔にする仕事を成し遂げたまさにヒーロー。
人口12億人以上、世界第2位の人口を有するインド、
法律ではカースト制度が廃止されていますが、
農村部だけでなく、まだ差別はなくなっていない現実。
衛生状態も良いとは言えない環境にあり、
私もインドを訪れた時に感染症になりました。
白血球が少ないので、気を付けていたのに。
21世紀になっても「穢れ」とされていた月経の問題。
屋外排泄の問題も気になってはいますが、
こうして一つ一つ解決していくのではと思います。
旅行中にデモ抗議を目撃したのですが、
自分達の主張が通り、こんなにも喜んでいる
それを実際に目にした日が蘇るようなシーンもあり、
ボリウッド映画のバイタリティに圧倒され、
137分があっという間に駆け抜けた感じさえしました。
監督:R・バールキ
出演:アクシャイ・クマール/ソーナム・カプール
ラーディカー・アープテー
2018年/インド/137分
渋谷・シネクイント
2019.1.24