「外海の出津集落」は、潜伏キリシタンが
何を拝みながら信仰を実践したのかを示す
4つの集落のうちの一つです。
外海歴史民俗資料館前の駐車場に停めて、
ド・ロ神父記念館、旧出津救助院、
出津教会堂などを見学するため、
坂を上って行きます。
旧出津救助院は、ド・ロ神父が村人の
窮状を救うために建設した授産・福祉施設。
潜伏キリシタンがカトリックに復帰し、
ド・ロ神父がもたらした新たな技術を学び、
「潜伏」が終焉に向かう移行期について
解説しています。
遠藤周作が17世紀の日本の史実・歴史文書に
基づいて創作した歴史小説「沈黙」の
舞台ともなっている外海地区。
映画化やオペラ化もされています。
国内で最後の宣教師が殉教したのは1644年、
潜伏キリシタンが密かに拝むことにより
信仰を実践し、共同体を維持してきました。
1865年の信徒発見後、宣教師と接触して
カトリックへ復帰、「仮の聖堂」を建てました。
ド・ロ神父が長崎へ渡来したのは1868年、
外海地区に赴任したのが1879年です。
出津集落の潜伏キリシタンは、
解禁後に段階的にカトリックへ復帰。
1882年にド・ロ神父が集落の中心部に
出津教会堂を建てたことで、
彼らの「潜伏」が終わりを迎えました。
マーティン・スコセッシ監督『沈黙 -サイレンス-』は、
遠藤周作著「沈黙」が原作です。
涙なしには読めない小説ですが、
隠れキリシタンらに対する激しい迫害や
拷問・処刑のシーンの多い映画は、
映像がフラッシュバックするようで、
足取りも重くなります。
外海の石積集落景観は、国選定重要文化的景観。
近世から続く畑作を中心とした集落景観で、
結晶片岩を主とする独特の地質によって
形成された石積みを特徴としています。
生活生業に関連した多種多様な
石積構造物がみられます。
長崎県長崎市西出津町
2024.2.18
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