まるみのあっちこっち巡り

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映画 塀の中のジュリアス・シーザー

2013-02-11 00:35:10 | 映画(劇場鑑賞)

2012年ベルリン国際映画祭金熊賞グランプリ受賞
2013年米アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表

イタリア、ローマ郊外にあるレビッビア刑務所。
ここでは囚人たちによる演劇実習が
定期的に行われています。

毎年様々な演目を囚人たちが演じて、
所内劇場で練習の成果たる舞台を
一般の観客に見てもらうのです。

今年の演目は、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」
俳優はオーディションより決定されるのですが、
演じるのは重警備棟の囚人たち。

囚人たちは稽古に夢中になり、
日常生活が「ジュリアス・シーザー」一色へ。
各々の監房で、作業をしながら
一所懸命に台詞を繰り返す囚人たち。

それぞれの過去や性格などが次第に
オーヴァラップして演じる役柄と同化し、
そして、刑務所自体がローマ帝国へと変貌してゆくのです。

現実と虚構の境を越えていくような…

「演技を知って、監房は牢獄に変わった」
ラストシーンで1人の囚人(終身刑)が言います。

悪の道に手を染めていた彼らが、
演じることで学んでいった知的好奇心や、
仲間と協力して創り上げることや表現することの喜び、
喝采を浴びる喜び、それまでの人生では
感じたことのない感動だったことでしょう。

演じる喜び、生きる喜びを知ったのに
そこから出られない辛さを思い知ったのです。
演劇実習が更生に向けての一助になっているようです。

演劇、音楽、美術などの芸術に触れることの大切さを改めて感じます。
76分に凝縮されたエスプレッソのような濃い映画です。

監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ
出演: コジモ・レーガ、サルヴァトーレ・ストリアーノ他
2012年/イタリア

銀座テアトルシネマ

2013.2.3

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2 コメント

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演じることって (あよ)
2013-02-12 00:21:53
人間としての感情を取り戻すことで罪は罪となり、罰はより重い罰となるのですね。
映画や舞台、ドラマを観るのは感情を生き生きとさせておくのに欠かせないもの。演じる側により大きな喜びがあるなら、もっと多方面で取り入れて欲しいですね。一般教養に演劇があったらおもしろいのにとか色々想像しました。
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その通りだと思います。 (まるみ)
2013-02-12 00:49:07
幼児教育の場では遊戯などするのに、次第にその機会が失われていくのは残念なことです。
感情をコントロールすることなどを学ぶことによって、イジメなどの問題を減らすこともできるかもしれません。多くのことを学びたいという意欲も出てくるはずです。
多方面で取り入れて欲しいですね。
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