
赤い石州瓦で葺かれた二階建(一部三階建)の
江戸時代後期に建てられたもので、
ベンガラ製造で栄えた片山家の本家邸宅です。
通りに面した外観は、1階に腰高格子を飾る
袖壁や繊細な出格子を配し、
2階をなまこ壁で仕上げるなど
吹屋の町並みの中でも
一際意匠を凝らした造りになります。

内部は、1階は店舗や接客の場にあて、
座敷には、銘木がふんだんに用いられています。

1759年の創業以来、200年余りにわたり
弁柄製造・販売を手掛けた老舗の片山家は、
窯元として弁柄仲間の株を永く保ち、
苗字帯刀を許されるまでになりました。

最盛期には3つの工場を経営し、
その製品は建材や家具の塗料、
陶磁器や漆器の顔料として国内に広く流通。
しかし、弁柄製造は次第に衰退し、
片山家は1971年に弁柄製造を廃業。

「近世弁柄商家の典型」として高く評価され、
2006年に主屋・宝蔵・米蔵・弁柄蔵・
仕事場および部屋の5棟が
国の重要文化財に指定されました。
岡山県高梁市成羽町吹屋367
2024.5.16

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