今回は、ハーネスを作るのに必要な材料をどうやって仕入れているかご紹介します。
人によっては、まるでハーネスの材料屋さんがあって、そこで全部仕入れているように錯覚している方も時々いるようですが、まず、ハーネスに使われている材料は、99パーセントその辺のお店では手に入りません。
いいところ、ベルクロとザイルくらいでしょう。
では、他のほとんどの材料はどうやって仕入れているのか?
実は、頭と情報で、何とか調達していると言ったほうが正解です。
まず、写真の金具関係は日本では手に入りません。
これらは、ドイツのフィンシュテルバルダーというところから個人輸入しています。
ここは、長年ハングに使われている金具やアップライトといったものを専門に取り扱っている業者なのです。
少し前のフェアードのアップライトは、全てこのフィンシュテルが各ハングメーカーに卸していました。
また、メインライン等強度が必要な場所の縫製に使っている糸も、国産ではなく、アメリカ製を使っています。軍事関係に詳しい方ならお分かりかもしれませんが、アメリカの軍規格「MIL規格」で指定されている糸になります。
わかりやすく言えば、ジェット戦闘機のシートベルトやパラシュートに使っている糸と同じものを使っていることになります。
ハーネスに使う生地は、生産を安定させるために、できるだけ国産の物を使っていますが、生地業界はいろいろあり、生地メーカー、大手の縫製工場、更に商社などがややこしくからみ、生地を販売してもらえなかったりします。
ベルト類は、ウチでは5種類ほど使っていますが、工場との直接取引きのため、一種類につき最小購入単位は500mと大きいので、これも苦労はしています。
その他、ファスナーや小物、よく使う生地については、縫製材料取扱店に一括して発注しています。
最後にネオプレーン。これは一般の生地メーカーや縫製材料店では取り扱っていません。
ウチは神奈川の藤沢にあるネオプレーン専門取り扱い業者と直接契約をかわして卸してもらっています。
とにかく、ハーネスの材料を集めるという作業は、足と情報が必要で、結構苦労しているのが正直なところですね。