飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

鎧ができるまで 番外編1

2010-04-16 13:16:57 | ハーネス(HG harness)

Cimg0122 「鎧ができるまで」の番外編として、ちょっと皆さんにクイズ。

さて、写真のブラケットはどのような手順で作られているでしょうか?

このブラケットはウチで生産している「X-sport」に使われているもので、一着につき8個使っています。

Cimg0121 このブラケットで、アルミパイプをつなぎ合わせて、X-sport のフレームになります。

使う道具は、旋盤、ボール盤、高速カッターです。

ちなみに旋盤とは、工作機械の一種で、金属の塊を回転させて、バイトという削り歯でけずって製品を作る機械です。

ボール盤は穴を開けるだけの機械。高速カッターは物を切断するときに使います。

旋盤は回転させて削る性質上、できるものは円筒状のものに限られてしまいます。

つまり、旋盤だけでは、パイプのはめ合わせの部分は作れません。

次回より、その作り方をご紹介します。

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鎧ができるまで その90

2010-04-13 21:05:28 | ハーネス(HG harness)

Photo 今回は、ハーネスを作るのに必要な材料をどうやって仕入れているかご紹介します。

人によっては、まるでハーネスの材料屋さんがあって、そこで全部仕入れているように錯覚している方も時々いるようですが、まず、ハーネスに使われている材料は、99パーセントその辺のお店では手に入りません。

いいところ、ベルクロとザイルくらいでしょう。

では、他のほとんどの材料はどうやって仕入れているのか?

実は、頭と情報で、何とか調達していると言ったほうが正解です。

まず、写真の金具関係は日本では手に入りません。

これらは、ドイツのフィンシュテルバルダーというところから個人輸入しています。

ここは、長年ハングに使われている金具やアップライトといったものを専門に取り扱っている業者なのです。

少し前のフェアードのアップライトは、全てこのフィンシュテルが各ハングメーカーに卸していました。

また、メインライン等強度が必要な場所の縫製に使っている糸も、国産ではなく、アメリカ製を使っています。軍事関係に詳しい方ならお分かりかもしれませんが、アメリカの軍規格「MIL規格」で指定されている糸になります。

わかりやすく言えば、ジェット戦闘機のシートベルトやパラシュートに使っている糸と同じものを使っていることになります。

ハーネスに使う生地は、生産を安定させるために、できるだけ国産の物を使っていますが、生地業界はいろいろあり、生地メーカー、大手の縫製工場、更に商社などがややこしくからみ、生地を販売してもらえなかったりします。

ベルト類は、ウチでは5種類ほど使っていますが、工場との直接取引きのため、一種類につき最小購入単位は500mと大きいので、これも苦労はしています。

その他、ファスナーや小物、よく使う生地については、縫製材料取扱店に一括して発注しています。

最後にネオプレーン。これは一般の生地メーカーや縫製材料店では取り扱っていません。

ウチは神奈川の藤沢にあるネオプレーン専門取り扱い業者と直接契約をかわして卸してもらっています。

とにかく、ハーネスの材料を集めるという作業は、足と情報が必要で、結構苦労しているのが正直なところですね。

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鎧ができるまで その89

2010-04-09 22:15:03 | ハーネス(HG harness)

Cimg0113 ちょっと間があきましたが、ミシンに続き、ハーネス製作で使われる工作機械もご紹介します。

まずは旋盤。ウチでは八馬力型汎用タイプを使っています。電源は普通の工業用200V三相です。

こいつはさる場所から貰い受けたもので、少し壊れていたので自分で修理して使っています。

バイトも一通りそろっているので、自分で都合の良いバイトを製作しながら使っています。

Cimg0114 次はボール盤。穴を開けるだけの単純なものですが、パイプのど真ん中に穴を直ぐに開けられるように、治具を取り付けています。

こいつも電源は200V三相を使っています。

ちなみに、ドリル歯は自分で全て研いでいます。

Cimg0115 最後は高速カッター。アルミパイプや丸棒をカットする時に使っています。

主に以上の器具でハーネスの金属部品を作っています。

具体的にはRXC(レーサータイプ)のピッチトリマー、メインラインのスライダー、そしてスライドレール、その受け金具。更に前後のバックプレートの間のジョイント金具などです。

スポーツハーネスX-SPORT のフレーム内にあるジョイント金具も、実はこれらの器具だけで製作しています。

機会があれば、その工作過程もご紹介いたします。

ハーネスは現在高等化して、昔みたいにミシンだけでは作れない時代になりました。

現在のハーネスは専用金具も必要になっているため、金具も自分で作れないとダメです。

それだけに、現在のハーネスを作るには、いろいろな技術と知識、経験、そして設備が要求されます。

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鎧ができるまで その88

2010-04-03 21:47:55 | ハーネス(HG harness)

Dscf0004 ウチで使う、主な工業用ミシンをご紹介しておきます。

まずは一番良く使う三菱DY337。こいつは実に使いやすいヤツで、どんな厚モノでも気にせずに縫ってくれる頼もしいヤツです。

型は古いですが、かなりイケています。

Dscf0005 こいつはSTAGER SZ- 21-5。ジグザグ縫いミシンです。

ウチでは主にセール修理、それに、ネオプレーンの縁取り縫いに使っています。

実は、このミシンは、20数年前に世界を一世風靡した、国産メーカーのファルフォークの名機、「エクセル」のセールを縫っていたミシンそのものです。

現在はウチでかわいがっています。

Dscf0006 次のミシンは、見た目はとてもアンティーク。SINGERの大型ミシンです。

見た目は古くても、厚ものならばドンと来い!。何でも縫ってしまうパワーがあります。

主にシートベルト、メインライン等加重のかかる場所の縫製に使っています。

実は、このミシンはかつてハング界をにぎわせた、箱根のレインボーフライングスクールで使われていたものを譲り受けました。

Dscf0007 最後は、ウチ唯一のコンピュータミシン、三菱DY359。

プログラムどうりに、けなげに製品をつくり続けてくれます。

ちょっと神経質なのが玉に瑕…。でも、とても働いてくれ、素直に動いてくれます。

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鎧ができるまで その87

2010-04-01 20:26:47 | ハーネス(HG harness)

Dscf0061 実は、EXEのハーネスは、顧客の体重に合わせて、ハーネスに使うフォーム材を使い分けていることをご紹介します。

ハーネスは、それに使われているフォーム材で、かなり特性が変わってきます。

端的に言えば、やわらかいフォーム材を使うと起き上がりが良い使いやすいハーネスになりますが、反面居住性が落ちます。

反対に、硬いフォーム材を使うと、起き上がりにくく使いづらいハーネスになりますが、居住性があがるのです。

写真の奥のフォーム材は、体重の軽い人に使うやわらかいフォーム材、積水化学のソフトロンS、発泡倍率30倍4ミリ厚。そして、手前のものが日立化成のハイエチレンS、発泡倍率30倍5ミリ厚です。

ありとあらゆるフォーム材を調べましたが、この辺が最適なものとして落ち着きました。

これらのフォーム材は、もともとはいろいろな用途に開発されたもので、代表的なものは、地下ケーブルの保護材、体育館等の屋根の内側に敷いて断熱と雨音の消音、そして、野球場の外壁に貼り付けて選手の怪我の防止などにも使われているようです。

ただ、購入単位が大きく、いずれも100mからになっています。

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写真はそのフォーム材。

向こう側が

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