081128の朝刊記事から
タイ 2空港 非常事態宣言
首相 反政府派排除を指示
【シンガポール27日斎藤正明】タイのソムチャイ首相は二十七日夜のテレビ演説で、反政府団体「民主市民連合」が占拠しているバンコク国際空港とドンムアン空港の二カ所について、非常事態を宣言した。
両空港の閉鎖で首都の空路が絶たれた事態を受け、同日の臨時閣議で対応を協議、強硬措置が必要と判断した。
非常事態宣言は、五人を超える集会やデモを禁止。
政府は警察に対し、両空港を占拠する市民連合メンバーの強制排除に当たるよう指示する。
ただ、バンコクで十月上旬、警察による市民連合の鎮圧で約五百人の死傷者を出し、批判を招いたため、当局が直ちに強制排除に乗り出すかどうかは不透明だ。
非常事態宣言は九月二日、当時のサマック首相も発令したが、治安維持を命じられた軍は首相府を占拠する市民連合を排除せず、宣言は事実上、効力を発揮しなかった。
このためソムチャイ氏は同月二十四日、宣言を解除していた。
今回も、宣言発令にもかかわらず実質的な措置が取られなかった場合、政権の権威失墜を招く恐れもある。
市民連合が占拠した両空港は二十七日も運行を全面停止。
一部の便は、同国東部にある海軍飛行場の使用が許可された。
空港当局者は、国際空港は二十九日夕まで、ドンムアン空港は二十八日まで、それぞれ閉鎖されるとの見通しを示した。