'08/10/31付朝刊記事から
金総書記 健康悪化説から50日
【ソウル30日井田哲一】北朝鮮の金正日総書記が9月9日の建国60年記念式典に姿を見せず、健康悪化説が出てから約50日が過ぎた。
北朝鮮当局は重病などとする見方を「でたらめ」と否定するが、総書記は外部から遮断されているとの報道もあり、情報は今も交錯している。
真相は? 情報交錯
韓国の中央日報は30日、韓国政府の分析として、総書記の身辺警護には最精鋭の「護衛総局第六局」が当たり、外部との接触が完全に遮断されている状態だと報道。
「総書記が死去していないのは確かだが、完全な状態でもない」との韓国政府当局者の見方を紹介した。
韓国の情報機関、国家情報院の金成浩院長も28日の国会答弁で総書記の健康について「完全な状態ではないが、 政務に大きな支障はないとみている」と証言した。
仏誌ルポワン(電子版)は同日、パリの著名な脳疾患専門医が北京に滞在中で、北朝鮮を訪問し、総書記の治療に当たる可能性があると報道。
29日の東亜日報は、総書記の容体が最近悪化したとの情報を韓国政府が入手したと伝えた。
一方、北朝鮮は「最高首脳部(総書記)の健康異常説をうんぬんし、でたらめを言っている」(朝鮮中央通信)と非難し、総書記の健康悪化説打ち消しに躍起だ。
しかし、総書記健在の確固たる証拠を示しておらず、病状をめぐる情報が飛び交う事態を招いている。
当局「でたらめ」 韓国「外部から遮断」